α Universe editorial team
日豊本線 中山香〜杵築
22mmという超広角域で、青空に映えるソニック号を捉えた。最高約120コマ/秒の超高速連写でベストポジションが撮れたのはもちろん、AIプロセッシングユニットを生かした被写体認識「車/列車」でピントもまったく問題なしだ
特急ソニック VS. α9 III
ワイド+被写体認識で余裕のバリピン!
今回旅するのは特急ソニックが頻繁に走る日豊本線。在来線の特急が姿を消す中、曲線の多い博多から大分までの区間を振り子を効かせて高速で駆け抜けるソニックの姿は実にクールだ。今回も相棒はα9 III。有効約2,460万画素、AE/AF追従で最高約120コマ/秒という高速連写性能。そしてAIプロセッシングユニットによる異次元の高性能AFを武器に、ソニックと真っ向勝負を挑んできた。
最初の作品は広角レンズによる編成写真だが、置きピンの最高約120コマ/秒連写で当たりの写真を余裕で複数枚ゲット! 次はハードルを上げて、被写体認識[車/列車]でのピント追従を試した。フォーカスエリアはあえて「ワイド」でチャレンジしたが、見事に全カットバリピン! つまり僕は、列車のタイミングに合わせてシャッターボタンを押しただけ。これは本当に革命的なAF性能と言わざるを得ない。
今回は、新たに登場したFE 300mm F2.8 GM OSSを使うチャンスに恵まれた。フィルム時代からいわゆる「サンニッパ」と呼ばれるこのカテゴリーは、鉄道写真では定番レンズ。これまでさまざまなサンニッパを使用してきたが、この圧倒的な軽さと、優れた描写性能に驚かされた。脅威の連写・AF性能を持つα9 IIIと新サンニッパとの組み合わせは、まさに鉄道写真撮影の究極の機材だと言える。
かなり暗く、置きピンも難しい日没後、夕焼けに染まるソニックを狙った。サンニッパのクリアな描写力と、チャンスを逃さないα9 IIIのAF・超高速連写性能は、この厳しい撮影条件の中、最高の瞬間を捉えてくれた。
<New LENS>
軽量化されて高画質!
進化した新サンニッパ
このレンズの魅力は、まるで被写体だけを浮かび上がらせるようなピント面の精緻な描写と背景の大きなボケ。開放F2.8であることの利点は、テレコンバーターを装着しても描写力をほとんど低下させることなく、450mm、600mmにできること。そしてこのレンズのもう1つの強みは、世界最軽量を誇るその軽さ。約1,470g(三脚座別)は片手で持てるほどで、α9 IIIとの相性も抜群だ。
2×テレコンバーターSEL20TCを装着で撮影。600mm相当の画角でも開放F値はF5.6と明るく、軽さも相まって使い勝手は実に良い。超望遠ならではの画角が、高速でカーブを曲がるソニックの迫力を強調してくれた
日豊本線 中山香〜杵築
日没後どんどん暗くなる中、新型サンニッパの開放絞り、1/6,400秒でソニックを捉えた。夕日を映して鈍く輝く車両の質感と、それを際立たせる背景の自然なボケにうっとり
日豊本線 中山香〜杵築
サンニッパ+トラッキングAFで流し撮り。カリッとした描写。そして車両をクッキリと浮かび上がらせる自然なボケ。車両に刻まれた文字がすべて読めるほど
日豊本線 中山香〜杵築
朝夕の厳しい条件での描写力が光るα9 III。光量が少ない夕暮れのシーンで高感度に設定しても、気になるノイズはほぼ出なかった
日豊本線 柳ヶ浦〜豊前豊洲
雲のない青空のグラデーションは、カメラが苦手とする被写体で腕の見せ所。革新的なセンサーだけに心配したが、滑らか連続性を保つ美しいグラデーションにほっと一安心
<ADVENTURE EPISODE>
2種類あるソニックを撮り比べる
主に博多と大分を結ぶ特急「ソニック」には、ブルーメタリックのボディを持つ883系電車と、「白いソニック」の異名を持つ885系電車がある。どちらも水戸岡鋭治氏によるデザインだ。
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