Adventure TRAIN 第18回 秋田内陸縦貫鉄道
鉄道写真家 中井精也 氏
中井精也がαと旅する鉄道冒険記
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雪が降る中に舞い上がる風船
列車とのコラボを追い求めて
今回訪ねたのは、秋田県の山間を走る秋田内陸縦貫鉄道、通称・内陸線。その狙いは、毎年2月10日に開催される上桧木内の紙風船上げだ。和紙で作られた巨大な紙風船を真冬の空に打ち上げる伝統行事で、仙北市の無形民族文化財にも指定されている。会場のすぐ横に内陸線の線路があるため、運が良ければ風船上げと列車を一緒に写せる。 鮮やかな武者絵などが描かれた紙風船は、3〜8mと意外にも大きい。筒状の紙風船の下で「タンポ」と呼ばれる石油を染み込ませた布玉を燃やし、その熱の揚力で気球のように空へ打ち上げる。その速度は思いのほか速く、火が着いたらあっという間に空に消えてゆく。 辺りが暗くなるころ、打ち上げが始まったが、雪はどんどん強まり、和紙がぬれて思い通りに打ち上がらない。混雑の影響で列車のダイヤも大きく乱れ、もう撮れないかもとあきらめかけたとき、1つの風船が舞い上がり、列車が現れた。こんなとき、高感度にも強いα1は実に頼もしい。ISO 12800とは思えないこの画質に安堵した。 秋田はまだ冬景色だったが、ときおり青空が見えると、どこか春らしさも感じられた。美しい高感度画質を誇るα1と、瞬間を逃さないα9 IIIで、去りゆく冬を惜しむように撮影を楽しんだ。 翌朝、α1にFE 300mm F2.8 GM OSSを装着し、夜明けの風景を狙う。昨晩の大雪で雪化粧した風景の中、雪を巻き上げながら内陸線がやってきた。α1は、雪面を吹き抜ける風を感じるような臨場感とともに、幻想的な光景を写し取ってくれた。
<Photo Technique>
高速シャッターとフラッシュで雪を写し止める
グローバルシャッターを採用したα9 IIIは、すべてのシャッター速度においてフラッシュ同調撮影が可能になった。僕は雪や雨を写し止めるために、フラッシュで光らせることが多いが、高速シャッターでのフラッシュ撮影は光量を抑えられるため、チャージ時間が劇的に短縮されるのが便利だ。連写でもフラッシュの使用が可能となり、雪が写り込む位置などを変えて撮影できるのだ。もちろん動体ブレも起きづらくなるので、α9 IIIは鉄道写真のフラッシュ撮影においても革命的な進化をもたらしたといえるだろう。
<ADVENTURE EPISODE>
雪の夜に舞う巨大な風船
上桧木内の紙風船上げ
大雪の中、夜空に舞い上がる紙風船は実に幻想的。僕は列車と風船を一緒に撮りたかったのだが、タイミングがなかなか合わずに4時間も粘ることに。湿った雪にずぶぬれになりながら、両方が写せたのはわずか1枚だけだった。
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