α Universe editorial team
いすみ鉄道 久我原〜総元
画面いっぱいにナノハナの前ボケを作って隙間からキハ52を狙う。低い位置からの撮影で線路が見えない上にカーブしているため、どこからどんな大きさで列車が現れるか分からない状況だった。α1のリアルタイムトラッキングを使うことで一発で列車を捉えられた
最新機能を最大限使って
ゆる鉄写真を全力で撮る
待ちに待った春がやってきた。僕はいても立ってもいられず、花咲くいすみ鉄道へ向かった。ナノハナのボリュームはいまいちだったが、α1とα9 IIIという魔法の小箱の力を借りて、春らんまんの作品にチャレンジした。
春は「ゆる鉄」作品にうってつけの季節。車両だけにこだわらず、鉄道に関わるすべてのものを被写体とする「ゆる鉄」写真。のんびりとお散歩しながら撮影しているイメージがあると思うが、実際の撮影現場はぜんぜんゆるくない(笑)。ときには山にも上り、体勢を低く構えながら、最新の機能を最大限に使って、全力でゆるさを演出するのだ。ポイントはそんな苦労が写真に反映されないようにすること。お散歩の途中にパシャっと撮ったスナップのように見せられたら成功だ。
今回の狙いは、いすみ鉄道の顔とも言えるキハ52とナノハナのコラボレーション。くしくもこの日はキハ52による定期急行列車がラストランを迎える日で、沿線には多くのカメラマンが集まっていた。車両をアップで狙う人たちのじゃまにならないよう、くぼみに大きな体をうずめ、キハ52を待つ。困ったことにピントを合わせる線路がまったく見えず、列車の位置と大きさの予想ができない難しい状況。こんなときはα1の力を借りるしかない。列車が現れると予想される位置にフォーカスポイントを置き、リアルタイムトラッキングでピント追従することにした。
ナノハナをかき分けるように現れたキハ52に、α1は最高の瞬間を見事に捉えてくれた。大型のヘッドマークを輝かせたキハ52は、少し誇らしげに見えた。
<Photo Technique>
ゆる鉄でも威力を発揮するリアルタイムトラッキング
ピントを合わせたまま、被写体を追尾するリアルタイムトラッキング。車両をアップで狙うときの機能と思いがちだが、画面の隅に小さく列車が写ることが多い「ゆる鉄」でも威力を発揮する。作例のような線路が見えないシーンでは、列車の大きさや位置を予測して待つしかなかった。リアルタイムトラッキングなら、あらかじめ列車が現れる位置にフォーカスポイントを置いておくだけで、列車を最高の位置で撮影できる。
いすみ鉄道 国吉〜上総中川
僕の大好きな第二五之町踏切も、鮮やかなナノハナで春らんまん。α1の背面モニターをチルトさせて地面スレスレに構える。花の隙間にカメラを移動させて虫の目線のような構図を作った
いすみ鉄道 東総元〜久我原
早咲きの桜並木を発見。桜を印象深く見せるために、1/13秒の低速シャッターで列車をぶらして撮影。黄色い気動車は、桜並木を駆け抜ける春風のようだ
いすみ鉄道 総元〜西畑
春は花ばかり狙いがちだが、何気ない風景も乙なもの。どこにでもあるようでなかなかない懐かしい光景。いすみ鉄道は昔ながらの風景の宝庫だ
いすみ鉄道 久我原〜総元
ときにはナノハナにピントを合わせて。鉄道写真だからと車両にピントを合わせる必要はない。花に見とれていると、まるでコーディネートしたかのような気動車が現れた
いすみ鉄道 久我原〜総元
気持ちの良い春の空のもと、のんびりと走るキハ52の姿を、α1で大切に記録した。定期運行は終わったが、まだまだ臨時列車として活躍するキハ52を、今後も撮り続けたい
<ADVENTURE EPISODE>
カラーリングはキハ52とソックリだけど新型のキハ20
いすみ鉄道には国鉄の名車キハ52(写真上)が活躍中だが、そっくりな2015年製造のキハ20(写真下)も活躍中。キハ52による臨時急行列車が走らない平日でも、国鉄の雰囲気を撮影できる
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。