心に残る風景写真
〜with α & G Master〜
写真家 萩原れいこ 氏
写真家の萩原れいこ氏に「CP+2024」にてお話しいただいた内容や、発表作品を一部抜粋してα Universeで特別にご紹介。「α7R V」や「α7CR」で撮影した作品を紹介しながら、便利な撮影機能や、使用したレンズの魅力などを語ります。
萩原れいこ/写真家 沖縄県出身。学生時代にカメラ片手に海外を放浪した後、日本の風景写真に魅了されていく。車内泊用に改造した軽ワゴンで日本縦断を敢行。隔月刊「風景写真」の若手風景写真家育成プロジェクトにより、長野県志賀高原での写真修行を経て独立。“自然の永遠の営み”をテーマに嬬恋村、志賀高原、沖縄県をメインに活動中。嬬恋村キャベツ大使(観光大使)。 個展『Heart of Nature』、『羽衣〜Hagoromo〜』、『地獄』などを開催。写真集『Heart of Nature』(風景写真出版)、「風景写真まるわかり教室」(玄光社)などを執筆。撮影のほか、撮影指導、写真誌への寄稿、セミナー講師などを行う。
とろけるようなぼけ感とシャープさを両立する
「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」の卓越した表現力
みなさん、お集まりいただきありがとうございます。本日はαと「G Master」レンズを使って撮影した風景写真をご覧いただきながらお話しようと思います。まずは、私がヘビーユーズしている「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」で撮影した作品ですね。
こちらはカタクリの花になります。右側にはお父さん、左側にはお母さんがいて、お母さんが赤ちゃんを温かく見守っているかのような、そんなイメージで撮った1枚です。F2.8のレンズなので、開放で手前と奥のぼけにこだわって、右左に移動しながら撮影しました。「G Master」レンズならではのとろけるようなぼけ感がないと、こういった表現はできなかったと思います。
上の作品も「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」で撮ったものです。αを使っていて私がとても感動したのが、透明感があるこの描写力です。まるで空気を内包するかのような奥行き感を表現できますし、「α7R V」の階調の豊かさも加わってこのような素敵な写真を撮ることができました。F2.8でもピント面のシャープさが際立っていて、「G Master」レンズの実力を体感した作品になります。
AIプロセッシングユニットと広ダイナミックレンジ。
進化したαの技術が表現の可能性を広げる
続いては「α7CR」で撮影した作品をご覧いただきたいと思います。下の作品は沖縄に行った時に撮ったものです。
このカメラは有効約6100万画素の高解像なので、その解像感が伝わる写真を撮りたいと思っていました。細やかな描写に迫力があるので、そのあたりにもぜひ注目しながらご覧いただければと思います。
「α7CR」はダイナミックレンジがとても広いんですよね。「α7S III」と同等の15+ストップ。カメラは小さいのにどうしてこんな描写が得られるんだろう、と驚くほどで。特にシャドーの部分、しっかり表現されていると思いませんか。このようなトンネル構図では絶対に白飛びや黒潰れをすると思うのですが、まったくなかったので感動しています。
こちらはトンボですね。トンボをこのように狙うとだいたいお尻にピントが合ってしまいますが、「α7CR」はAIプロセッシングユニットを搭載しているのでAF性能が非常に高く、認識対象を昆虫にすると頭にビシっとピントが来てくれます。風景写真ではAIプロセッシングユニットを使う機会がなかなかありませんが、この機能が搭載されてからは風景とともに動きのある昆虫などの撮影にも挑戦するようになりました。
「α7R V」では、トラッキング機能を使って光に反射したクモの巣を撮影しました。クモの巣は風が吹いているとなかなかピントが合わない。この時も風が吹いていたのですが、コンティニュアスAFに設定してトラッキングすることで撮れた1枚です。風に揺れる葉っぱにもピント合わせてくれるので、本当に今までできなかったことができるようになったなと感じます。カメラ任せにできることが増えたので、撮影者は表現だけに集中できるようになりました。
圧倒的な解像感と豊かな階調で緻密に魅せる。
絶景を撮るなら「α7R V」が欠かせない
下の作品は、志賀高原でも眺望がいいことで知られる横手山の有名な展望スポットで、日が沈んだ後に撮影したものです。
25秒の長時間露光で滝雲を撮っていますが、空と雲のグラデーションがとてもなめらかで、階調が豊かですよね。こういった絶景を撮る時は「α7R V」でないとイヤだな、と思ってしまいます。
これも「α7R V」ならではの描写力ですよね。今回は、自分自身がセミナー会場の大画面で見たい、皆さんにも見て欲しい、と思う作品を選んできました。やはりこの解像感と階調の豊かさ、その場にいるような気分になれる描写力を見ていただきたいです。
こちらは冬の時期に暮れていく夕日を撮影した作品ですが、私が「α7R V」で多用しているのが、「Dレンジオプティマイザー」。上の作品のように、明るいところと暗いところの輝度差が激しいシーンではDレンジオプティマイザーをレベル5に設定しています。そうするとシャドー部の描写がしっかり出てくるんです。シャドー部がしっかり見えているからこそ、構図も追い込んで撮ることができます。 手前が暗いシーンを撮った後、RAW現像で引き上げたら変なものが写っていることって、けっこう「あるある」なんですよね。でもこれで撮影すればミスなく、現場で追い込むことができますし、JPEG撮って出しでそのまま使えることも多くなります。
小さく軽いのにF2.8でグッと近づいて撮影できる
「FE 24-50mm F2.8 G」は旅やお散歩に最適
実は、この春に発売される「FE 24-50mm F2.8 G」も使わせていただきました。シャープ感とぼけ味がとてもきれいですし、この小ささでF2.8のぼけ感が得られることに本当にビックリしました。しかも軽くてバッグにもスッと入れることができるので、活躍するシーンは多そうです。
上の作品は、家の近所の畑路で撮影したものです。残雪でしたが玉ぼけの描写力を確かめたくて、グッと近寄って7色のキラキラを表現しました。Gレンズで、しかも440gという軽さでこんなに美しい玉ぼけを表現できるなんて、本当に驚きです。しかも、接写ができるのもすごいところ。最短撮影距離がとても短いので、こういう撮影もできるわけです。 そして、すぐ近くにはこんな風景もありました。
畑に積もった雪原ですが、この作品もシャープ感が際立っていますよね。あとは光条の美しさも魅力的なシーンではないでしょうか。私は太陽に向けて撮った時に、光条がきれいに出るかどうかを結構気にします。この時はF16まで絞り込んでとてもきれいな光条が出たので、撮影していて非常にうれしかった1枚です。 私の作品は以上になります。本日はありがとうございました。
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