商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

柔らかい空気感の写真を撮れるFE 16-25mm F2.8 G

写真家 山本まりこ 氏

α Universe editorial team

山本まりこ/写真家 写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師など活動は多岐。写真集「ARIY COLORS」「熊野古道を歩いています。」、著書「エアリーフォトの撮り方レシピ」など11冊出版。好きな食べ物は、カレーとイカ。 HP: MARIKO YAMAMOTO OFFICIAL WEBSITE Instagram:https://www.instagram.com/yamamarimo/

魅力的な小型軽量さ

神奈川県の小さな海まちに住み始めてもうすぐ8年、東京と海まちの二拠点居住をしています。駅前に標高136.2mの小さな山があり、駅から徒歩10分のところに海があります。山の上からは相模湾を見渡すことができ、遠くに富士山も見ることが出来ます。小さな中に、自然がいっぱい。愛する景色たち。コロナの時も、自然に癒されながら生き続けることが出来ました。身近に大きな自然があるということに日々感謝をしています。今回の撮影は、愛する地元の春を選びました。 今年の1月、FE 24-50mm F2.8 Gと北海道の流氷の旅に行きました。圧倒的な日本の湯冬の景色を、小型軽量のレンズで軽快に撮影出来ました。見渡す限り続く流氷の寒空の下でも、フットワーク良く軽快に撮影することが出来ました。 今回は4月、FE 16-25mm F2.8 Gと地元の春を旅しました。同じく小型軽量ながら、より広角のこのレンズは、被写体に力強さを加えて表現してくれると思いました。

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 21mm,F2.8,1/320秒,ISO100

4月の夕方、美しい春の中でシャッターを切っていました。上にも下にも横にも桜がいっぱい。春が迫りくるような勢いでこちら側に向かってくる。自然の強さが肌に染み入ってくるようだな、そんな香り立つような春を撮りたい、そう思いながら撮った写真です。 このレンズは、あまりにも軽い、本当に軽いです。普段、仕事で建築の竣工写真を撮ることも多いので、16-35mmのG Masterを使っています。それに比べて、このレンズは本当に軽い。写りはどうなんだろうと試すように撮影してみると、素晴らしく美しい。 これは困った。また欲しいレンズが増えてしまいました。

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 25mm,F2.8,1/250秒,ISO100

私は、airy(エアリー:風通しがいい)という言葉をコンセプトに撮影しています。写真の中で、吹き抜ける風を感じるような、そんな写真を撮りたいと思いながらシャッターを切っています。構図の中では、余白のような、風が通り抜ける空間も大切にしています。みっちり被写体を敷き詰めず、空間の中にすうっと心が軽くなるような空間を持たせることが好きです。広角レンズは、そのような空間を作りやすいです。広い画角を生かしながら、風が通り抜ける空間を作って撮影していきます。 この写真は、夕刻、芝桜が咲いている場所に一筋の夕日がすうっと伸びて輝いていました。今撮らなければ、そう思ってシャッターを切りました。光の方から、すーっと風が吹いてくるイメージで。その後すぐに、日が沈んで光がなくなりました。ああ良かったと、ホッとしながら、次の撮影地に向かいました。

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 20mm,F2.8,1/2000秒,ISO100

こちらも夕刻。日が沈む直前、輝くツツジ。ツツジにぐっと寄り、夜に近づいていく空を入れながら撮影しました。広角で被写体に寄るときは、背景の入り方にかなり意識を向けて撮影します。広い背景はいろいろなものが入りやすく、画面の隅々まで意識をしっかり渡らせます。 例えば、身近な場所にて広角レンズでお花を撮ろうとすると、背景に電柱や電線、柵や看板などの人工物が入ってしまうことも多くなるということになります。背景にそういった景色を生かしながら撮影していくことを選んでいる場合はいいのですが、お花などの自然をいっぱいに表現したい場合は、そういった情報を出来るだけ入れずに撮影することがベストです。ですので、そういった情報が入らないように、撮影しながら隅々までチェックしながらシャッターを切るか、撮影後に一旦再生ボタンを押して、画面の隅々まで確認することが必要になります。フォトセミナーなどで講師をすることも多いですが、広角レンズの場合は特に、画面の隅々まで見ないで撮影された作品を多く目にします。同じ時間は二度とやってこない。撮りたいものはその時に撮る。だから、その1枚はとても大切。後で後悔しないように、一旦冷静になって写真を確認しておくというのはとても大切なことになります。

緑の一枚一枚が透き通る解像性能

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 16mm,F7.1,1/25秒,ISO100

頂上に向かう途中、新緑の勢いを感じてふと足を止めてシャッターを切りました。写真の中は、ほぼ「緑色」。でも、緑色と一言で言っても、ここにはいろいろな緑が描けています。黄緑、明るい緑、青を帯びた緑、深い緑などなど。足を止めたのは、多分、5秒くらい。でも、ここには永遠なる緑が写っている。 パソコンで拡大してじっくりと見てみました。緑の一枚一枚が透き通るように輝いていて、素晴らしく美しい解像感だなと思いました。太陽に向かって撮影している逆光で撮影している状態ですが、この時はフレアやゴーストもなし。通常、太陽に向けて撮影するときは、フレアやゴーストの出方を見て、角度を決めて撮影することが多いですが、この時はその必要がありませんでした。

柔らかい表現も強みの一つ

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 25mm,F2.8,1/80秒,ISO200

このレンズの最短撮影距離は、AF撮影時:0.18m(ワイド端)-0.24m(テレ端)、MF撮影時:0.17m(ワイド端)-0.22m(テレ端)。最短は、マニュアルフォーカス時のワイド端(焦点距離16mm側)での撮影時の17cmになります。外形寸法(最大径×長さ)は、74.8 × 91.4mm。センサーから17cmが最短撮影距離ということは、レンズフード先すぐでピントが合うということになります。 寄れるレンズというのはどういうことかというと、被写体を大きく写すことが出来るということはもちろん、被写体にググっと近づいて撮れる分、背景ぼけも強く描くことが出来ます。そこが、私にとってはとても重要な部分なのです。背景ぼけが強く描くことが出来るということは、トロリとぼけた部分を描くことが出来る、イコール、柔らかい空気感の写真を撮ることが出来るのです。ですので、このレンズは、焦点距離16mmという広角側を持ちながらも、柔らかい写真を撮ることが出来るレンズということになります。広角レンズというと、ダイナミックなイメージの写真を想像することが多いですが、このレンズは、柔らかい表現も強みの一つだということになります。 この写真は、ツツジに最短撮影距離にググっと近づいて撮影した写真です。すぐ後ろのつつじがトロリ。私にとっては本当に嬉しい広角レンズなのです。

α7 IV,FE 16-25mm F2.8 G 25mm,F2.8,1/250秒,ISO100

芝桜が満開。小さな芝桜のお花に寄り、地面近くでカメラを持って撮影しました。最短撮影距離にググっと寄って撮影すると、美しい背景ぼけが描けることは先述しました。 この写真は、最短撮影距離ではなく、少し奥の芝桜にピントを当てて撮影した写真です。レンズにほど近い部分にある芝桜がトロリとぼけて前ぼけとして写っています。背景ぼけに加え、前ぼけも美しい。広角ながら、柔らかい空気感の写真を撮ることが出来るレンズ。私にとって、これは本当に嬉しいことです。 広角で小型軽量である。これは、とても嬉しいことです。私は熊野古道に撮影に行くことをライフワークとしています。現在、来訪回数は60回を超え、歩いた距離は合計600kmになりました。熊野古道は山道が多く、機材の重さをおさえてフットワーク軽く撮りたいという気持ちが強くあります。なので、焦点距離16mmの広角を持ちながら質量が約409g という圧倒的な軽さは、非常に魅力的です。例えば、実際に持っていくレンズを想像してみるとします。今年のGWも歩きに行きましたが、今回持って行くレンズに選んだのは、撮影のベースとなる開放値が明るいズームレンズ@FE 24-70mm F2.8 GM II、そして、去年発売になった望遠レンズでありながらマクロが撮れるAFE 70-200mm F4 Macro G OSS II、そして、移動中に活躍するレンズBFE 40mm F2.5 Gの3本です。もしかしたら、ここに加わるレンズになるのかも知れない、そう思いながらこの記事を書いています。 また、仕事で建築の竣工写真を撮影していると前述しましたが、竣工写真を撮影するレンズのサブレンズとしても活躍しそうです。現行の広角G Masterをメインレンズと使用しています。現在、サブとして持って行っているレンズと比べると、このレンズは、半分に近い重さになります。機材が軽くなり、持っていく荷物が軽くなる、それは、とても嬉しいことです。 どんな方におススメなレンズかと言えば、 ・まだ広角レンズを持っていない方 ・フットワーク軽く自然を圧倒的に撮影したい方 ・出来るだけ機材を軽くして撮影を楽しみたい方 など、です。 フォトセミナーの講師を務めることが多く過去に数千人の方の講師を務めてきました。写真を初めてキットレンズで撮影している方が次のレンズとして選ぶのは、大体、焦点距離50mmあたりの単焦点レンズ。そして、次に、望遠レンズやF値の明るいズームレンズ。大体、50mmの単焦点レンズでふわりと美しい写真を撮れるようになって、上手くなったと止まってしまう方が多いです。ですが、写真表現には、その先にいろいろな世界があります。マクロレンズや、超望遠レンズ、そして、広角レンズなど。広角レンズを自在に操れるようになったら、それはそれは楽しい時間が待っていますよ。 新しい世界が見たかったら、新しいレンズを使ってみる。それも一つの手段。そう思います。みなさん、素敵なカメラライフをお過ごし下さい。

記事で紹介された商品はこちら

ワンクリックアンケートにご協力ください

記事一覧
最新情報をお届け

αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。

閉じる