Adventure TRAIN 第22回 鹿島線
鉄道写真家 中井精也 氏
中井精也がαと旅する鉄道冒険記
デジタルカメラマガジンとの連動企画を
毎月コラム形式でお届けします
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日本有数の橋りょうを駆け抜ける
初夏の水郷の鉄道絶景を狙う
今回の冒険の舞台はJR鹿島線。成田線の香取駅から分岐し、鹿島サッカースタジアム駅に至る、総延長わずか17.4kmの短い路線。「水郷」らしい壮大な沿線風景は、ほかの路線とは一線を画している。
鹿島線は千葉県と茨城県にまたがる利根川下流から霞ヶ浦にかけて広がる低湿地帯を行く。利根川、常陸利根川、北浦に架かる長大な橋りょうのほか、水郷潮来あやめ園や、広大な田園地帯など、水を感じさせる絶景が連続する。中でも霞ヶ浦を構成する湖の1つ、北浦に架かる全長1,236mの「北浦橋りょう」は別格だ。日本の鉄道橋としても有数の長さを誇る、そのスケール感だけでなく、列車の姿を遮るトラスがない凛とした佇まいが、実に写欲をそそる。これこそ、名撮影地と言えるだろう。今回はアジサイやアヤメが咲く季節にみずみずしい初夏の水郷をテーマに狙ってみた。 貨物列車が走る高規格路線として建設された鹿島線は、ほぼ全線にわたり高架や鉄橋の上を列車が走るため、どうしても「空バック」の構図が多くなる。広い空はカメラにとって難しい被写体の1つだ。肉眼だと分からないが、空には微妙なグラデーションがあり、撮影すると、なだらかな階調が縞のように目立つ「マッハバンド」と呼ばれる現象が起こることがある。ダイナミックレンジが広く、豊かな階調表現に長けたα1とα9 IIIは、マッハバンドの出現を最小限に抑え、美しいグラデーションを再現してくれる。 日没ギリギリのタイミングで現れた列車と、美しい夕空のグラデーション。α1は肉眼で見た空よりも鮮やかに、写し止めてくれた。
<APP Technique>
ソフトウェアアップデートで「Creators' App」に対応
4月24日にα1の本体ソフトウェアアップデート(Ver.2.01)が配信され、大幅に機能が強化された。大きな進化点としては、α9 IIIと共通の最新UIに変更されたことと、α9 IIIでは対応済みの「Creators' App」が使用可能になったことが挙げられる。α1が発売されたのは2021年3月だが、このようなアップデートにより、常に最新機種を使っているような満足感が得られるのは、ユーザーとしてとてもうれしい。新しいアプリへの対応で、撮影画像の確認・転送が飛躍的に便利になった。
<ADVENTURE EPISODE>
流し撮りは三脚があると便利
流し撮りするときは、三脚を使うと成功率が高くなる。パンしたときに列車とシンクロするように脚の長さを調整して水平を出し、左右パンのネジだけを緩めて列車を追う。
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