Adventure TRAIN 第23回 ゆいレール
鉄道写真家 中井精也 氏
中井精也がαと旅する鉄道冒険記
デジタルカメラマガジンとの連動企画を
毎月コラム形式でお届けします
夏らしい青空を求めて沖縄へ
最南端の鉄道に架かった二重虹
まさに梅雨真っ只中。梅雨らしく雨が降ってくれれば良いのだが、どこも曇りメインのグズグズな予報ばかり。そんな中、ピカ〜っと晴れマークが輝く地方が1つだけあった。おひさまマークに吸い寄せられるように、僕は沖縄・那覇に飛んだ。
鉄道がないイメージが強い沖縄にも、立派な鉄道がある。そう、通称「ゆいレール」である。2003年、那覇市内の慢性的な渋滞対策として開業したこの路線の業績は予想よりも良く、2019年には「てだこ浦西駅」まで延伸した。1両増結した3両編成の車両も、絶賛増備中だ。 那覇の都市部を走るため、沖縄らしさはなさそうに思えるが、それは違う。街を彩る花や街路樹、透明感のある青空は、大都会にあってもしっかり沖縄であることを主張してくれる。渋滞だらけの沖縄の街を、モノレールでさっそうと移動しながら、そこかしこに隠された沖縄らしい風景を、α1、α9 IIIとともに丁寧に探した。 壺川駅で撮影していたとき、青空の奥に不穏な鉛色の雲が近づいてくるのが見えた。その下は激しいスコールが降っているようだ。夏は太陽の角度的に虹は出づらいが、まだ早朝なので可能性はありそうだ。スコールの到達まであと数分。虹と絡めて撮れそうな場所まで、急ぎ足で5分。間に合うか? 「よし、行こう!」と意を決して走り出した瞬間、滝のようなスコールが襲ってきた。ずぶぬれになりながら撮影地に着くと、予想通りスコールは止み、まぶしい太陽が顔を出した。スコールの余韻を残す青空には、幻のような二重の虹。α1は、僕が探していた最高の沖縄を、見事に写し止めてくれた。
<APP Technique>
大きな明暗差のあるときのクリエイティブルックは「VV2」
太陽の高度が高い夏や、木の下での撮影など、大きな明暗差が生まれやすいシーンでは、クリエイティブルック「VV2」にセットすることが多い。このモードは、曇天など色が沈みがちなシーンで使うことが多いが、暗部が明るく描写されるため、明暗差の大きいシーンでも自然に描写できる。WB「日陰」と併用すれば、柔らかな描写が可能だ。初期値は「明瞭度」が高めなので、気になる人はカスタム設定で「明瞭度」を下げよう。
「Creators' App」はWi-Fi接続だけでなく、USB接続も可能になり、より高速で安定した通信を実現した。僕はタブレットを接続しているが、より大きな画面で撮影画像やExif情報を確認できるのは強みだ。JPEGとRAWが別々に表示されるのも良い
<ADVENTURE EPISODE>
蒸し暑いときにでも快適に撮影できる空調服
猛暑予報だったので、初めて「空調服」を使用してみた。上部にファンがある最新モデルは、どんなシーンでも快適だ。ファンを回すと、かなりふくらむのが難点であるが、なぜか誰にも気付かれなかった(涙)。
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