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野鳥撮影をアップデートさせてくれる
「FE 300mm F2.8 GM OSS」

野鳥写真家 山田芳文 氏

α Universe editorial team

山田芳文/写真家 「100種類の鳥よりも1種類を100回」をモットーに野鳥を撮り続ける。 野鳥の周囲の風景も大きく取り入れた鳥がいる風景写真をライフワークとする。 『SONY α7 IV 完全活用マニュアル』(技術評論社)、『SONY α6600 基本&応用 撮影ガイド』(技術評論社)、『写真は構図でよくなる!すぐに上達する厳選のテクニ ック23』(エムディエヌコーポレーション)、『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)など著書多数。最新刊は『SONY α7C II 完全撮影マニュアル』(技術評論社)。

300mm F2.8単焦点レンズとは思えない驚きの軽さ

はじめて手にとった時の印象は「軽っ!」です。もう30年近く前になりますが、フイルム時代にサンニッパを使用していましたが、もしもタイムマシーンがあるならば、その時の自分に会いに行って、未来のサンニッパだよ、と見せてあげたいです。 腰を抜かすかもしれません。FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSも愛用していますが、FE 300mm F2.8 GM OSSはざっくりとではありますが、僕の体感では同じぐらいの軽さに感じます。 多くの鳥たちが繁殖を終え、秋に移動する前の時期に撮影しました。この時期は、鳥の行動パターンが読みにくい時期とも言えますので、繰り返し通える身近なフィールドで撮影することが多いのですが、今回も通い慣れた水辺のフィールドで撮影しました。 野鳥の撮影は行動をどれだけ読めるかが肝となりますので、今回の撮影も事前の観察は丁寧に時間をかけて行いました。

G Masterならではの描写性能

α1,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F4,1/1000秒,ISO250

描写性能をテストするために撮影したスズメですが、気温が高い真夏に横からの硬い光でスズメを小さく写す、という解像には厳しい条件です。あえて、このような条件で撮影することで、レンズの本当のポテンシャルがよくわかるのですが、良好な結果に満足しています。上のクチバシが欠けているところまでよくわかるぐらい十分に解像し、ぼけも心地よく、フォーカスポイントから離れるにつれてぼけが段々と大きく柔らかになっています。G MasterらしいG Masterと言えるのではないでしょうか。

α1,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F4,1/500秒,ISO250

観察の結果、このアオサギは主に朝の早い時間帯にこの場所を狩場にしていることがわかりました。しかしながら、獲物をとらえる微妙な位置取りなどは魚の動き次第ということもあって、一定せず、読みにくいところもありました。獲物をとらえた後に三脚を動かすと、その音に驚いたアオサギが獲物をくわえたまま遠くへ飛び去ることも予想できるので、手持ちで息を潜めてアオサギを待ちました。現れるまでそれなりの時間があり、出現後も獲物をとらえるまで随分と時間がかかりましたが、身体的にきついことはありませんでした。軽量で取り回しやすいがゆえに撮影できたと思っています。

ボディのAF性能を最大限引き出してくれるレンズ

α1,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F4,1/2000秒,ISO1000

生まれて数日のバンの雛に他の鳥が近づき、親鳥が威嚇しているシーンです。威嚇をするであろう空気が読めたので、翼を広げる前からAF時の被写体認識は「入」に、認識対象は「鳥」にしてAF-Cで追い続けました。飛翔時と威嚇時は翼の広げ方が少し異なる形になるので、翼を広げた瞬間に瞳をロストするかもしれないと少し心配したのが正直なところですが、杞憂に終わりました。仕方なくMFに切り換えて撮影したり、一時的に被写体認識を「切」にして撮影したりすることなく、全てを機材にゆだねて失敗せずに撮影することができて、AFはやっぱりαだと改めて思いました。ボディ側のAFスピードもFE 300mm F2.8 GM OSSによって、最大限に発揮されているのだろうと思っています。

α9 III,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F4,1/4000秒,ISO400

足のオレンジ色を出したかったので、ほぼ真上を飛ぶコアジサシを下から見上げて、手持ちで撮影した写真です。真上や真下への対応は三脚使用よりも手持ちが容易です。なかなかこちらのイメージ通りには飛んでくれず、結構な時間立ちっぱなしでしたが、FE 300mm F2.8 GM OSSは開放がF2.8の300mmのレンズとは思えないほど軽量なので、長い時間待っている間も苦になることはありませんでした。 また、300mmの画角で飛翔しているコアジサシをこの大きさで写すにはAFの追随性能やスピードが重要になりますが、何の問題もなく、ストレスフリーで快適に撮影することができました。

表現力を損なわないテレコンバーター

α1,FE 300mm F2.8 GM OSS + 2X Teleconverter 600mm,F11,1/250秒,ISO200

獲物を狙うアオサギの鋭い眼光を伝えるには「寄り」だと思って、テレコンをつけて600mm相当にして撮影しました。テレコン使用により、AFスピードが遅くなったということは体感で感じられず、解像性能も良好で、毛の1本1本まで緻密に描写することができました。画質が残念になってAFが遅くなる、といった昔のテレコンのイメージが染みついている写歴の長い人はビックリすると思いますので、「300mm F2.8のレンズ+2倍のテレコン」ではなく、「600mm F5.6の単焦点レンズ」のイメージで、ぜひお試していただきたいです。 遠隔操作による隠し撮り、ブラインドを使って自分が隠れて撮る、のふたつの「待ち撮影」は野鳥撮影の基本で、僕のメインとなる撮影作法ですが、軽量で取り回しやすいこのレンズが加わり、手持ちでアクティブに撮るという新しい選択肢ができました。鳥への負荷を小さくすることは忘れずに、特に飛翔シーンなどはこのレンズを使って手持ちで積極的に撮っていこうと思いました。 また、このレンズは、FE 600mm F4 GM OSSやFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSよりも軽く、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSよりも明るいので、これら3本のレンズとキャラ的に被りません。なので、これら3本のレンズを愛用している人にもぜひお試しいただきたいと思います。

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