進化した85mmレンズで撮るウェディングの世界
フォトグラファー 山隈祐介 氏
山隈祐介/Photographer 福岡にて写真を学び、スタジオアシスタントを経てウエディングの世界に。2017 年には拠 点を東京に移し、活動範囲を全国に広げる。2018/2019 には全米最大のフォトコンペティ ションWPPIにてSilver Award受賞。そして撮影チームMOULAを立ち上げる。チーム 一同、固定概念や撮影枠に捉われない考えをモットーに、日々目の前の被写体にシャッタ ーを捧げている。https://www.instagram.com/yusukeyamaguma/https://moula-official.squarespace.com/
FE 85mm F1.4 GM IIとの出会い
待望のレンズの発売とあって、期待が膨らみ、商品の開封時から、ワクワクドキドキしていました。いざレンズに触れてみると、手の馴染みが良いなと思いました。感触としてはFE 135mm F1.8 GMに似た印象です。早速試し撮りしてみると、ピントが「ビッタビタ」と表現したくなるような性能に驚き、 「85mmをこの感覚で撮れるのか、」と驚きました。それがこのレンズとの出会いです。
85mmの焦点距離だからこそ捉えることのできる感動シーン
ウェディングの撮影における感動シーンでは、出来るだけ「パートナーから見た景色」が感じられる様に撮影したいと考えています。なので、被写体同士の背後からカメラを構えるのですが、その際に絵作りの手前と奥の被りをギリギリで攻めていきたかったのですが、今回はうまくいった様に感じます。被写体同士が重なりかけている領域でもフォーカスが迷う事なく意図した部分に来ており。一瞬の出来事を逃さない感触がありました。
こちらは、大人な一面がありつつも、子供のような無邪気な一面もあるカップルの撮影でした。そんなお二人の大人でしっとりした部分を表現したくて、この写真の世界観を作りました。初めは50mmのレンズで絵作りしていたのですが、何かしっくりこず断念。本レンズを構えてみると、絵が決まりました。85mmならではの歪みの無さ、シャープさがこの写真のポイントになったと思います。
ポートレートのみならず様々なシーンで活躍する万能性
もちろん人物撮影に使いたくなるのはもちろんだと思いますが、あえて引きの構図での撮影でもこのレンズの良さが際立ちます。こちらの写真は建造物の美しさや建物のラインを強調してくれる事によって、被写体や会場の雰囲気を際立たせてくれました。また、歪みの少なさは武器であり、写真表現を広げてくれます。
また、こういった風景写真にピッタリなレンズだと思います。そして風景に合わせて、その場所の雰囲気や趣を伝えるインサートカットも狙えるレンズです(例えば、手元、足元、仕草で雰囲気を伝えたりするカットなど)。更にカメラ内のクリップ機能も使うと、マクロレンズとは違った描写が見えてくる気がします。是非試してみて欲しいです。
進化したAF性能
実際撮影してみると、申し分のないクオリティ、そして期待を裏切らないAF性能でした。特にフォーカスエリアを拡張スポット又はスポットSのように小さなエリアで撮影した際に、前の機種ではフォーカスの迷いや、やや奥ピントになる印象がありましたが、本レンズにはその感覚が無く、改善された印象でした。あと開放値で撮影した際のぬけ感、ぼけ感は堪らないですね。描写がとろける様な滑らかさを感じます。また、軽量化により、手持ち撮影の際に疲れ辛いのもポイントでした。加えて本レンズのAFクオリティは撮影者の表現を高めてくれる物だとも思います。僕が使用していた中では、フォーカスを気にしながら撮影する時間はなかった様に感じました。普段フォーカスを気にしていた時間を、撮影に没頭する時間に変える事が出来ました。
このレンズは撮影するジャンルや被写体、画角を縛らないレンズだと思います。従来より軽量化され持ち運びがしやすくなったことにより、様々な撮影シーンに導入する事ができますし、AFや描写は信頼できるクオリティがありました。だからこそ撮影者は更なるチャレンジを重ね、新しい表現、世界観を生み出していけるのではないかと思います。僕もその一員としてこれからも写真を撮っていきたいです。
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