動物写真家の小原玲さんは、2021年11月17日お亡くなりになりました。 小原さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
小原 玲/動物写真家
1961年、東京都生まれ。茨城大学人文学部卒。『フライデー』専属カメラマンを経て、フリーランスの報道写真家として国内外で活動。中国・天安門事件の写真は『LIFE』の「The Best of LIFE」に選ばれた。アザラシの赤ちゃんとの出会いを契機に動物写真家に転身。シロクマ、マナティ、プレーリードッグ、日本のホタルなどを撮り続け、テレビ・ラジオ・雑誌などで活躍。28年間に及ぶ流氷の取材から、地球温暖化の目撃者として環境問題の講演会も行っている。著書・写真集に『アザラシの赤ちゃん』(文春文庫)、『流氷の伝言』『ほたるの伝言』(教育出版)、『シマエナガちゃん』『もっとシマエナガちゃん』(講談社ビーシー/講談社)など。
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私はシマエナガという鳥に魅せられて撮影を続けています。シマエナガは北海道に暮らすエナガの亜種です。スズメよりも小さい上に動きはとても素早く、2秒と同じところに止まっていません。また、出現してくれる頻度も少ないのです。1日に8時間、じっと雪の中、カモフラージュ・テントで待機していても、実質的な撮影は3分ほどということも珍しくありません。 そんな私にとって、千載一遇のチャンスを絶対に逃さず、しかも高画質が得られるカメラとレンズは必須条件となります。私はα7R IIIとFE100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを選び、さらに×1.4テレコンを愛用しています。4240万画素のカメラだとトリミングを前提として構図に余裕が生まれます。小さくて俊敏なシマエナガも、とにかく画面の中に入れさえすれば可愛らしい一瞬を撮り逃すこともありません。 実際のシマエナガの撮影は鳴き声を聴いて、すぐに反応するような反射神経を問われるものになりますが、α9譲りのオートフォーカスは追従性も良く、10コマ/秒の連写性能も十分です。 高画素のセンサーを搭載するカメラほど手ブレ、動体ブレが目についてしまうものです。シマエナガの動きは1/1000秒でも止まらず、1/2400秒以上の高速が必要になったりします。α7R IIIはミラーショックがないので、高速連写に伴うカメラの振動から発生するブレを心配しないでいいのも安心です。 画質も非常に満足できるものです。4240万画素のフルサイズCMOSセンサーは解像力、ノイズの少なさ、ハイライトの階調など現行の撮像センサーの中では最高峰ではないでしょうか。高感度性能もISO12800までは常用範囲で、ISO25600も状況によっては使うこともあります。 さらに前モデルからの改善点としてα7R IIIはAFセレクターが追加されて、ボタン類が押しやすくなったのも嬉しいところです。また前モデルに比べてバッテリーの保ちも良いので北海道の氷点下(マイナス20℃)となる酷寒の状況であっても助かります。そして、やはりソニーらしい4K動画の画質の良さも、α7R IIIの魅力ではないかと感じました。
氷点下20度の酷寒の中での、小原氏の撮影現場風景。
今回の撮影でこれぞ!と感じた2枚を、2月号の『月刊カメラマン』で公開しています。ぜひプリントでご覧ください。また、『WEBカメラマン』では現場風景を動画で紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
http://cameraman.motormagazine.co.jp/
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