「フルサイズミラーレスカメラとして全く新しいアプローチから最高峰を目指したカメラ」
写真家 野口純一 氏
写真家 野口純一 氏
ミラーレスを本格的な撮影で使うのは初めて、という野口氏。現行ソニーのハイエンド機2機種、α9とα7R IIIと、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの使用感について聞いた。
野口 純一/写真家 1968年、埼玉県生まれ。北海道在住。2輪、4輪のエンジニア時代にバイクツーリングで訪れた北海道に惹かれ、2000年に移住。キタキツネの撮影をきっかけに、2002年より写真家として活動を開始。北海道を中心に国内外の野生動物を撮影し、雑誌やカレンダー等の各種媒体に作品を提供。野生動物に関する深い知識と豊富な経験に基づく的確で粘り強い撮影スタイルから生み出される、力強く美しい作品には定評がある。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。公式サイト http://www.junsetsusha.com
ずっと光学ファインダーの一眼レフカメラに慣れ親しんできた私にとって「フルサイズのミラーレス機」というのは非常に遠い存在だと考えていました。ただ最近は、いろいろな苦労をしてやっとめぐり逢えた野生動物たちを、静止画はもちろんのこと、動画としても鮮明に記録できたらな…と思っていたんです。そんな時にα7R III、そしてα9というソニーの現行ハイエンド2機種と、ソニーが誇る「Gマスター」レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使う機会に恵まれました。
初めて使ったα7R IIIは、まずそのボディが小型・軽量であることや4240万画素の画質の高さ、またそれを約10コマ/秒で連写できることに感心しました。私の撮影スタイルは基本ノートリミングですが、野鳥を撮影して一部を拡大しても鮮明な解像をしており「これが最先端のフルサイズミラーレス機なのか」と驚きました。
「α9ならば捉えることが難しい決定的な瞬間」も確実にものにできるのでは……と期待は高まりました。実際にα9を使ってみたら、AFの捕捉スピード、精度も非常に高く、すぐにα9のポテンシャルの高さを感じることができました。 今回実際に自然のフィールドでα9を使ってみて、動きの予測が難しい野鳥の飛翔や、水面に着水するような、さらに難しい状況でも期待に応えてくれました。AFの優れた追随性と最高20コマ/秒の驚きの高速連写能力だけでなく、大きな特長でもある連続撮影時にファインダー像がブラックアウトしないことも未体験のことで、不規則に飛び回る被写体も非常に捕捉しやすく感じました。それらの相乗効果として、使える写真の歩留まりも良く、1回の撮影でのセレクトの幅が広がったと感じています。
α9はライバルたちの後追いをするのではなく、「フルサイズミラーレスカメラとして全く新しいアプローチから最高峰を行くカメラ」だと思いました。 また、αシリーズの撮影機能の高さはもちろんのこと、ボディを始めとするシステムが非常に小型・軽量なことも魅力です。私のように国内外を問わず、野生動物を追って山野を駆けめぐる写真家にとって「機材が軽量・コンパクトであること」は撮影の行動範囲やモチベーションにも関わるので、なおさらなのです。
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今回の撮影でこれぞ!と感じた2枚を、4月号の月刊『カメラマン』で公開しています。ぜひプリントでご覧ください。また、『WEBカメラマン』では撮影の現場風景を限定公開しています。そちらもぜひご覧ください。
http://cameraman.motormagazine.co.jp/
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