カメラを構えるだけでピント合わせが行なわれるという、αのオートフォーカスをさらに進化させた"アイスタートAF"が搭載され、さらなる自動化を目指したα-7xiが登場。カメラはどこまで自動化すべきなのかという、自動化に関する議論も生まれました。
続いて、さらに使い勝手にこだわって操作性を追求したのがsiシリーズです。siは「Simple and Intelligence」の略。α-707si は世界各国で多くの賞を受賞しました。
また1995年には、α初となるデジタルカメラも登場しています。
2004年、αはデジタル一限レフへと進化をとげました。
このとき早くも搭載されたのが、現在もαの重要な機構のひとつであるボディ内蔵手ブレ補正機能です。かつてマニュアルフォーカスがオートフォーカスへと変わるターニングポイントにαがあったように、デジタル一眼レフカメラの手ブレ補正もαが牽引することになりました。
2006年4月、αはコニカミノルタからソニーへ引き継がれました。
世界に1600万本(当時)のレンズが存在する「αマウント」はそのまま維持され、「一眼レフカメラをもっとみんなのものにしたい」というαのスタート時からの精神も「誰もがいい写真を撮れること」として継承され、αシステムは新たなスタートを切ることになりました。
僕はα100というカメラを評価しています。発色が良い、ディテールがつぶれたり飽和したりしないという点で、なかなかいいカメラです。発売から1年後ぐらいに、有名な女優さんの写真集をα100で撮ったら、印刷所で「こんなキレイな原稿見たことない」って驚かれました。私のウデもあるんですが(笑)。そういう素性のいい画を吐き出してくれるのがα100でしたね。
αがソニーに移行してどうなるのか少し心配もしたけれど、素晴らしいレンズ資産がそのまま使えることになったことも大きかったし、α100というカメラも高い位置からスタートしたなという感じでしたね。将来に向けて、イメージセンサーの技術などソニー的なものが付加されてどんどんプラスに働くんじゃないかなと、大いに期待が持てるような一台でした。
「誰もがいい写真を撮れること」を目指すという理念は、その後に続く機種でもさらに深く突き詰められ体現されていきます。α700では、AF性能や高画質など、写真愛好家にも満足していただけるクオリティーの高さを実現しました。αとして初のライブビュー機α350は、コンパクトデジタルカメラを使い慣れた方にも使いやすく、高画質やぼけ味などの一眼の魅力をより多くの方に楽しんでいただけるようになりました。「誰もが」「いい写真」というαの理念が着実に具現化していったのです。
α700は、ガラスペンタプリズムを採用して見やすいファインダー、ダイヤルが増えて使いやすい操作性など、とても気に入った一台です。Dレンジオプティマイザーをマニュアルで調整できるのもよかった。α350は、カメラポジションの自由度を高めたカメラでしたね。シャッタータイムラグの少ないライブビューを使って、ハイポジション、ローポジションの撮影が容易にできる。僕はカメラポジションが構図を決めると思っているので、その意味でとても助かるカメラでした。
デジタル一眼レフの最高峰、α900。それはα-9からちょうど10年の歳月を経て、フォトグラファー待望のプロフェッショナルユースも意識したフラッグシップ機の登場でした。αが伝統としていたファインダーの美しさはさらに磨きがかけられ、このカメラを手にした多くのフォトグラファーから感嘆の声があがりました。また、この翌年APS-Cサイズイメージセンサーの機種でも、連写機能を充実させ、オートHDRなど多彩な最新機能が搭載された、ライブビュー機α550が発売されました。
2009年11月に発売されたα550。このカメラに搭載されたオートHDR機能によって、白とびや黒潰れが大幅に軽減され表現領域を広げることができました。α-7000以来、αは私と相性の良いカメラであり続けています。
α900、α550でデジタル一眼レフカメラの完成に近い姿を提示したα。
2010年は全く新しい挑戦を結実させます。
その一つは徹底して小型化された使いやすい一眼カメラの開発でした。
新しいEマウントを備えたNEX-5は、その小さなボディに大型カメラ並みの高機能を搭載、一眼カメラを持つのは初めてという多くの新しいユーザー層を引き込んでいくことになります。
もう一つは、「撮りたい瞬間」への挑戦です。「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を採用し被写体にピントを合わせ続けることで、撮りたい瞬間を逃さず高速連写も可能な「スピード一眼」、α55が登場しました。
トランスルーセントミラーを採用したα55はやっぱり、撮るときから結果がわかる、ということが大きいですね。シャッタータイムラグも少なく、液晶ビューファインダーの画素数も上がって、「より良い結果の出せるカメラ」という印象です。動画撮影時にAFがしっかり効くというのも大きかった。小ささと画質の良さにビックリしたのがNEX-5。カメラの説明を初めて聞いた時、思わず拍手してしまったほどです。ボディーの質感、スイッチ類もガタのない「作りの良さ」を感じました。
α99、NEX-7で新時代のカメラの方向性を示したα。
2013年は、Eマウントが大きな飛躍を遂げる年となりました。
常に人の生活に寄り添い、感動を与えるようなカメラを作りたい。その理念の下に、ソニーの持てる小型・高性能化技術を結集した、世界最小・最軽量フルサイズミラーレス一眼“α7R”“α7”。
Eマウントによる新たなフルサイズシステムの歴史が始まりました。
圧倒的な解像感で、写真表現にあらたな喜びを提供する。α7Rはこれまでのデジタル一眼カメラでは再現できなかった微細なディテールさえも描写しきる高い解像性能により、新たな写真表現を可能にしました。
その秘密は、有効約3640万画素35mmフルサイズ「Exmor(エクスモア)」CMOSセンサー。有効約3640万画素という、α史上類をみない高解像度を最大限に生かすため、光学ローパスフィルターレス仕様を選択。ソニーの最先端のプロセス技術を結集したイメージセンサーを、世界最小・最軽量(*)のボディに凝縮し、圧倒的な高画質と機動性を両立しました。
* 35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラボディにおいて。2013年10月16日広報発表時点、ソニー調べ。
フルサイズを全ての人に。その理念の下に、35mmフルサイズセンサーを搭載しながら、性能に一切の妥協をすることなく、高性能を徹底的に凝縮し開発されたデジタル一眼カメラ、α7。
有効約2430万画素 35mmフルサイズ「Exmor(エクスモア)」CMOSセンサー、圧倒的な処理能力でリアルタイムに見たままの質感や高精細感を忠実に再現する、新世代画像処理エンジンBIONZ X((ビオンズエックス)を、極限まで小型化したボディに搭載。
操作性の面でも、豊富なカスタマイズ機能を採用することで、まるで自分専用のカメラのように使いやすい操作性を実現しました。
説明を見る
フルサイズを全ての人に。その理念の下に、35mmフルサイズセンサーを搭載しながら、性能に一切の妥協をすることなく、高性能を徹底的に凝縮し開発されたデジタル一眼カメラ、α7。
有効約2430万画素 35mmフルサイズ「Exmor(エクスモア)」CMOSセンサー、圧倒的な処理能力でリアルタイムに見たままの質感や高精細感を忠実に再現する、新世代画像処理エンジンBIONZ X((ビオンズエックス)を、極限まで小型化したボディに搭載。
操作性の面でも、豊富なカスタマイズ機能を採用することで、まるで自分専用のカメラのように使いやすい操作性を実現しました。
説明を見る
2014年は、αが大きな飛躍を遂げる年となりました。
オートフォーカスを新たな次元に導く、“4D フォーカス”システムを搭載した、α6000、α77IIを発売。時間軸における被写体の移動量の予測精度を大幅に高めることで、動体撮影におけるオートフォーカスの合焦精度を大幅に高めた新時代のオートフォーカスシステムが登場しました。
更に、常用ISO感度100-102400、拡張感度409600の超高感度撮影を可能にしたα7Sを発売。これまで諦めていたわずかな光も捉え、まだ見ぬ世界を表現する、新しい写真表現を提案しました。
ミラーレスカメラのオートフォーカスは遅い。
そんな常識を覆す、世界最速(*)0.06秒のオートフォーカスを搭載したカメラ、α6000。
その魅力は、世界最速のオートフォーカススピードのみならず、画面のほぼ全域をカバーする179点像面位相差AFセンサーによる、被写体を面でカバーする圧倒的な捕捉性、そして時間軸による被写体位置の予測精度を高め実現した、圧倒的な動体追尾性能にあります。
このかつてない高性能なオートフォーカスにより、AF追従で最高約11コマ/秒の高速連写を実現。操作性を磨き上げた小型ボディに新開発のEVFも搭載し、かつてない扱いやすい小型一眼カメラとして、登場しました。
* APS-Cセンサー搭載デジタル一眼カメラとして。CIPAガイドライン準拠、内部測定方法、プリAFオフ時、ファインダー使用時。 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS装着時。2014年2月12日時点、ソニー調べ
説明を見る
2014年、フルサイズミラーレス一眼の歴史に新たな1ページが加わりました。
世界初(*1)フルサイズ対応5軸手ぶれ補正搭載のα7II。
Eマウントの小型ボディに、ボディ内手ぶれ補正を搭載する。この無理難題とも思える目標に、技術者は果敢に挑戦し、フルサイズ対応でありながら世界初となる5軸手ブレ補正を搭載することに成功しました。
そして2015年、フルサイズミラーレス一眼α7RIIが登場。
世界初(*2)35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーがもたらす優れた感度特性を活かし、高画素化しながら最高感度ISO 102400を達成。高画素化したカメラは高感度に弱く、スピードが遅い、という既成概念を打ち破るイノベーションを実現しました。
*1 35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラにおいて。2014年11月広報発表時点、ソニー調べ
*2 35mmフルサイズセンサー搭載デジタルカメラとして。2015年6月26日広報発表時点。ソニー調べ
フルサイズをもっと自由なものに。 α7R、α7、α7Sの登場後も、α7シリーズの進化は止まりませんでした。世界初(*)フルサイズ対応5軸ボディ内手ブレ補正搭載の35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ、α7II 。手ぶれ補正を、α7の小型ボディを損なうことなく実現したい、その不可能とも思える目標への挑戦は、これまでの手ぶれ補正と全く異なる、新しい方式の手ぶれ補正を実現しました。
一般的なレンズ内補正式が採用する角度ブレへの対応に加え、シフトブレや回転ブレにも対応。これらを永久磁石と電磁石を使用した構造を採用することで消費電力を抑え、α7と比べスタミナ性能を落とすことなく、手ぶれ補正を搭載することに成功しました。
さらに、操作性の点でも、大型のレンズ装着を想定し、安定したホールディングの実現と操作性向上のため、シャッターボタンをグリップ上に配置。優れた描写性能を誇るFEレンズのみならず、Aマウントの大口径レンズ、超望遠レンズ群の性能を活かすことができる一眼カメラです。
* 35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラにおいて。2014年11月広報発表時点、ソニー調べ
説明を見る
高画素化したカメラは、感度が悪く、スピードが遅い。そんな常識を打ち破るカメラとして、α7R2は登場しました。
かつてない高画素化と高速化を実現するため、イメージセンサーを刷新。世界初(*)となる、35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを新開発。 α7Rと同じく光学ローパスフィルター仕様とすることで、有効4240万画素の高い解像度を活かした描写に磨きをかけ、手で触れられるようなリアリティのある再現性を獲得しました。
更に、裏面照射型CMOSセンサーの読み出し性能の高速化を活かし、AF/AE追従で5コマ/秒の高速連写、及びスーパー35mm撮像領域における全画素読み出しによる、極めて高解像な4K動画の内部記録を実現。 α7IIに搭載された5軸手ぶれ補正と、優れたグリップ形状、エルゴノミクスデザインによるボディデザインを踏襲し、高画素でありながら扱いやすさも兼ねそなえています。高画素化しても、何も諦めない、妥協しない。新世代のカメラが出来上がりました。
* 35mmフルサイズセンサー搭載デジタルカメラとして。2015年6月26日広報発表時点。ソニー調べ
説明を見る
1945年愛知県生まれ。明治大学卒業。出版社に勤務の後、1975年にカメラマンとして独立。以後「大自然の中の小さな詩情」をメインテーマに、花、植物、昆虫、風景などにカメラを向ける。雑誌への寄稿、写真集の発表を続けるかたわら、アマチュアの指導にも精力的に取り組み、ファンは多い。日本自然科学写真協会会員。写流プロジェクト登録作家。
1951年岐阜県郡上八幡生まれ。日本大学芸術学部映像学科中退後、写真家 篠山紀信氏に師事。1981年「僕のイスタンブル」「ブエノスアイレスの風」でデビュー。以後「作家の貌」などの人物写真、「MOMOCO写真館」などのアイドル写真、旅や料理の写真で、雑誌、CMで活躍。ヌード、ポートレートで定評を得る。女優写真集、アイドル写真集、料理写真集など100冊近い写真集がある。
1959年北海道美唄市生まれ。大学時代から北海道の山を中心に撮影を始める。現在、北海道・上富良野町に住み、丘をはじめとする美瑛・富良野の風景を独自の感性で表現し続けている。1995年、自宅の一部に「ノースランドギャラリー」をオープン。
写真集「NORTH LAND IMAGE」等多数。
千葉大学工学部田村稔研究室でカメラ・レンズを学ぶ。学研に入社し写真部に。カメラ雑誌『CAPA』副編集長を経て1991年に独立。理論に裏付けられた撮影テクニックやユーザーの視点に立った撮影機材の評価・提案に定評がある。「学研カメラムック-確実な露出決定」「デジタル一眼レフカメラ塾」「実践ポートレート撮影」「デジタル一眼レフ ストロボ活用術」ほか著書多数。