女性のためのカメラトーク VOL.2　フォトグラファー その江さん

小さなカナッペにピントを合わせたら、後ろはすーっと、ボケのグラデーションが広がります。
焦点距離: 40mm / F値: 4.5 / シャッター速度: 1/13秒/ WB：太陽光/ 露出補正：+1.0EV

「ウソでしょう？！」NEX-3を手にとって、思わず口に出てしまいました。ミラーレスとはいえ、このサイズ。ほんとうにレンズを交換できるのか、疑ってしまったほどです。仕事でいくつもの新しいカメラを見てきましたが、何年かに一度「時代が変わっていく」と予感させるような、カメラの歴史の転換点となる製品が出現するものです。NEX-5、NEX-3は、まさにそんな“節目”を感じさせるものでした。

手にしただけでもうワクワク。さっそく写真が撮りたくなって、お花屋さんの友達にお願いして店先を撮らせてもらいました。いちばん感激したのがピント合わせの精度と速さです。フレキシブルスポットにすると、合わせたいと思う場所にすぐにピントが合わせられてほんとうに心地いい。ピントにストレスがないから撮影に夢中になれる。このときは気がついたら休憩もせずに8GBのメモリースティックを使い切っていました。RAW＋JPEGで400カット以上！もです。

そして、動画のピントも速い！スーッという感じで、撮りたいものになめらかにピントが合っていくんです。これは“ハンディカム”で技術を培ってきたソニーならではの技術ではないでしょうか。ピントが合うのは当たり前のことのようですが、その当たり前が普通にできてしまうことが、どんなにすごいことか！

お友達のおもてなし、テーブルまわりを気軽に素敵に撮ってあげるのに最適！
焦点距離: 55mm / F値: 5.6 / シャッター速度: 1/25秒/ WB：太陽光/ 露出補正：+1.0EV

一眼レフカメラを使い慣れている方には、NEX-5のしっかりとしたグリップ感がしっくりくるかもしれません。コンパクトカメラに親しんできた方には、NEX-3のかたちが違和感なく操作できてお勧め。画質や使い心地はどちらも本物です。

レンズもいいですよ。最初は18-55mmのズームレンズ一本で充分。たとえば家の中でテーブルの上の料理や小物を撮る“おうちフォト”にもピッタリです。背景を整理してボケ味を生かすなら55mm側、ちょっとワイドに撮りたくなったら18mmで。まず、レンズの特長がわかるまでこのレンズ1本を使い込んでほしいですね。カメラとレンズに慣れたら、16mmの広角レンズを。ワイドなのにノイズ感が少なく、なめらかでとろけるようなボケ味を出せます。暗部のグラデーションもきれいで、これは一眼レフカメラのマニアもうならせると思います。

もっとワイドな写真を撮ってみたくなったら、スイングパノラマもいいですね。パノラマというから横に振って使いたくなりますが、カメラを横位置のままにして縦に振る使い方がいいんです。例えば大聖堂の屋内の吹き抜けのような場所。この機能があれば、床から天井までぜんぶ入ってしまいます。

楽しく被写体を作りながら、わいわい一緒に撮りっこするのに最適です。
焦点距離: 25mm / F値: 4.0 / シャッター速度: 1/30秒/ WB：太陽光/ 露出補正：+0.3EV

私たち女性はいい意味でなにごとにも“どん欲”です。「もっとキレイになりたい」、「新しい習い事にチャレンジしたい」、「おいしい料理をマスターしたい」、「こんな場所にいってみたい」。そんな女性たちがコミュニケーションのツールとしてブログを使うことがすっかり定着しましたよね。料理や趣味で作った作品、ペットなどをお友だちに見てほしい。そして、もっときれいな写真をアップするには・・・と、一眼レフの画質にたどりつき、写真のセンスも磨かれていく方も多いようです。

たとえば、料理やテーブルセッティングが得意な皆さんは、お友だちを招いてホームパーティー。腕によりをかけたお料理でもてなします。ゲストの皆さんがインテリアや料理を美しく写真に撮ってそれぞれのブログにアップしてくれると、招いた側は嬉しいですよね。次は別の方のお宅へ・・・とおつきあいが広がっていく。写真が、おたがいの交流を深めたり広めたりする役割を果たしてくれるわけです。でもそんなとき、プロ仕様の大きな一眼レフカメラを持ち込むとちょっと“引かれる”ことがあるし(笑)、「きれいな写真が撮れるのはあたりまえ」と思われるかもしれません。それが、こんなにコンパクトなNEX-3でセンスのあるきれいな写真を撮ったら驚かれるし、スマートで素敵だと思います。

被写体の真上からの構図も、液晶を倒せばきれいに撮影できます。
焦点距離: 46mm / F値: 5.0 / シャッター速度: 1/500秒/ WB：太陽光/ 露出補正：-0.3EV

写真についてお話しするとき、私はいつも「技術は二の次、大事なのは“気持ち”」と言っています。写真は一生涯、おじいちゃんおばあちゃんになっても楽しめる趣味です。でも、とても残念に思うことは、好きで始めたはずの写真をやめてしまう人がいること。それは、いい写真を撮りたいと思うあまり、テクニックの上達を追い求めて壁にぶつかってしまうからです。

一番大事にしてほしいのは、撮りたいという気持ち、被写体を愛する心です。とにかく撮り続けること。テクニックは撮り続けていれば勝手に身についてくるものです。NEX-5、NEX-3は、「写真を撮りたい！」というワクワクした気持ちを人に起こさせてくれて、どこでも一緒に歩きたくなる、小さな“おともだちカメラ”。このカメラなら、たくさんの人が写真を大好きになってくれる、そう思います。