デジタルシネマカメラ VENICE開発のノウハウを生かし、従来機種FS5開発時からさらに人物描写を重視した画作りに大幅な再設計をしています。人の肌を描写する際に使われる中間色の表現力をアップさせ、色あいはよりソフトに、ハイライトの描写は被写体を美しく際立たせる自然なトーンです。ポストプロダクションでの表現自由度も確保し、制作者のさらなるクリエイティブな表現要求に応えます。
対応外部レコーダー(別売)へのRAW出力に対応。本体SDI端子と対応外部レコーダー(別売)を接続することで、4K 60fps(*3)に加え、4K 120fps(最大4秒)、2K 240fps(連続)を出力し、レコーダーで記録できます。SDメモリーカードへは、フルHD 120fps撮影(連続)によるスローモーション記録が可能で、記録時間の制約がないため、後で使いたいシーンを自由に選び、スローモーション映像に活用可能です。
*1 60Hzモード時。50Hzモード時は 100fps
*2 2048 x 1080,60Hzモード時。50Hzモード時は 200fps
*3 59.94fps。50Hzモード時は50fps
本体重量約0.8kgという小型・軽量ボディを実現しました。手持ち撮影の時に高い機動力を発揮するほか、ドローン、ジンバル、スタビライザーの使用にも適した設計になっています。
筐体はカメラボディ・レンズ・ハンドル・グリップの4つのパーツから構成された、モジュラーデザインを採用しています。使用シーンに応じてパーツの取り外しが可能なので、外部のアクセサリーを柔軟に取り付ける事が可能です。
多彩なボタンとダイヤルを配置したスマートグリップにより、カメラを握った状態で様々な設定変更ができます。合計3つ備わっているアサインボタンにはユーザーの好みのメニューを登録する事ができます。人差し指の位置に配置したアサイナブルダイヤルからはIris操作等に加えて電子式可変NDフィルターの濃度を調整する事も可能です。カメラの重心近くに配置する事で安定性を高めたグリップはボタン一つで自由に角度調整する事ができるので、撮影中のアングル変更も容易です。
ハンドル部に取り付けられた液晶パネルは撮影スタイルに合わせて様々な角度に調整できるので、より自由な撮影スタイルを実現します。角度調節に加え、ハンドルに3か所、本体に6か所の取付用のネジ穴を用意しているのでパネルの取付位置も変えられます。
撮像素子は総画素数約1160万画素、有効画素数830万画素の 4K Super 35mm単板CMOSセンサーを搭載。高感度かつ、トータル14stopの広いダイナミックレンジに対応しており、明暗差が大きい被写体や低照度な環境下の撮影でも、被写体の持つ魅力を余すことなく写し撮ります。
Eマウント用Gレンズ『SELP18105G』を付属しています。Gレンズとしての高い解像力、コントラストを有していることに加え、動画撮影で使用しやすい滑らかな電動ズームを搭載し、ズーム全域で光量が落ちない「開放F値4」を実現しています。マニュアル操作時のズームリングの回転方向を本体メニューから変更することもできます。
記録フォーマットにはXAVC Long GOP、AVCHDを採用しています。XAVC Long GOPは高画質を維持しながらも圧縮効率を高めており、4K(QFHD):100Mbps、HD:50Mbpsを最大ビットレートとして本体内部で記録することができます。特にHD撮影時には10bit 422記録による色再現/諧調を実現しており、幅広い映像表現に対応します。4K撮影でも一つのメディアに131分(128GBメモリ使用時)という長時間記録が可能なのでメディアコストを抑える事が可能です。
ポストプロダクションの時間を短縮してHDR映像制作を実現するインスタントHDRワークフローに対応。HLG方式による4K HDR撮影に対応し、従来よりも広いダイナミックレンジで撮影することで、視覚で捉えたイメージに近い輝度表現、コントラスト、色彩をもつ豊かな映像を残すことができます。HLG方式で記録した映像は、撮影後にカラーグレーディングを必要としないため、効率的なHDR映像の制作が可能です。また、S-Log2/S-Log3収録にも対応しています。1300%のダイナミックレンジを持つS-Logガンマは、トータル14stopのセンサーラチチュードを十分に活かすことができ、白とび、黒ツブレを抑えた映像を撮ることができます。ソニーが定義するS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineカラースペースにも対応しており、シネマ色域以上の領域をカバーした設定が可能です。放送用途に限らず映画・Web動画など、幅広い制作シーンに使用して頂けます。
解像度の落ちないデジタルズーム「超解像ズーム」を搭載しています。単焦点レンズにズーム効果を加えるほか、広角ズームレンズを使用していて焦点距離が足りない場合に、超解像ズームと組み合わせることで、HD撮影時に最大2倍、4K撮影時に最大1.5倍まで焦点距離を伸ばすことができます。デジタルズームですので、ズームインした時の光量落ちが発生しないのも大きなメリットになります。
液晶パネルを見ながら直感的にアイリス、ISO感度等の設定変更が可能です。グリップのマルチセレクターを使い、画面下部に表示された項目にカーソルを合わせることで設定を変えられるので、液晶パネルから眼を離さずに操作することができます。
本体後部に3G SDI端子、HDM端子を備えています。撮影フォーマットを4K(QFHD)に設定した場合、HDMI端子から4K映像が、SDI端子からダウンコンしたHD映像が出力されます。
*1 SDI出力とHDMI出力は切り替え式です
*2 4K(QFHD)収録中はファインダー、液晶パネル、外部出力(SDIまたはHDMI)のうち、いずれか1つからの出力となります
電子接点を持つマルチインターフェースシュー(MIシュー)により、対応するアクセサリーの利便性が向上します。カメラ本体からLEDライト「HVL-LBPC」の電源制御を行ったり、ワイヤレスマイクロホンパッケージ「UWP-D11」「UWP-D12」(*)への電源供給やケーブルレスでの音声信号入力が可能です。
* 別売のMIシューアダプター「SMAD-P3」が必要です
本体内蔵のWiFiを通じて、各種機能を使えます。モバイルアプリケーションContent Browser Mobileを使用するとカメラ映像の確認、モバイル端末からのカメラ操作を行うことができます。市販のモバイルルーター等を介したストリーミング映像出力や収録済みクリップのファイル転送にも対応しています。また、本機はカメラ本体に有線LAN端子を備えていますので、ストリーミング機能とファイル転送機能は有線LANを介して行う事も可能です。