法人のお客様ラージセンサーカメラ VENICE 2

VENICE 2

フルフレームセンサー搭載のCineAltaカメラ最上位機種に8Kモデルと6Kモデルの新たなラインアップが登場。X-OCNの本体内部記録で撮影システムの小型軽量化を実現。

撮影監督 佐光 朗様 (J.S.C.) からのコメント

「VENICE 2の一番の魅力は、撮影システムがコンパクトになったことです。最終的には2Kの映像が主流ですが、8.6Kのフルフレームセンサーから生み出される画質が、映像表現にどのような恩恵を与えるのか試してみたいですね。VENICEは国産の機材としてその信頼性を高く評価しているので、今後の更なる発展を期待しています。」

右:撮影監督 佐光 朗様 (J.S.C.) 、左:撮影助手 (チーフ) 岩見 周平様 (J.S.C.)

Inter BEE 2021 オンラインセミナーアーカイブ

VENICEの魅力とVENICE 2への期待

撮影監督
佐光 朗様 (J.S.C.)

撮影助手(チーフ)
岩見 周平様 (J.S.C.)

ソニー株式会社 VENICE商品企画担当
岡橋 豊

 

> 動画の内容テキストはこちら

36×24mmフルフレームセンサーを搭載
新開発の8.6Kセンサーと6Kセンサー搭載機の選択が可能

VENICE 2は、36×24mmの8.6Kまたは6Kのフルフレームイメージセンサーを搭載しています。両機種ともにハイエンドシネマカメラとして、高感度、広大なラチチュード、正確な色再現性を実現するなど、映画の撮影現場で求められる様々な特徴を備えています。
8K機種に搭載される新開発の8.6Kセンサーは、最大解像度8640x5760までの撮影に対応。6Kセンサーよりも更に広い16ストップのラチチュードを実現するとともに、オーバーサンプリング効果により、4Kや2Kの映像制作においてもノイズが少なく、より豊富な情報を備えた高品質な映像を得ることができます。
VENICE 2においては8Kセンサーと6Kセンサーを交換する事も可能で、6Kモデルは従来のVENICEのセンサーとも交換する事が出来ます。

スキャンモード

8Kモデル

6Kモデル

VENICE 2 8K センサー スキャンモード

ソフトウェアライセンス イメージャーモード 有効画素 W x H (mm) システム周波数 セレクトFPS
ライセンス不要* 5.4K 16:9 5752 x 3056 22.6 x 12.7 23, 24, 25, 29, 50, 59 1**-60, 66, 72, 75, 88, 90
ライセンス不要* 5.8K 17:9 5434 x 3056 24.1 x 12.7 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1**-60, 66, 72, 75, 88, 90
アナモフィックライセンス 5.8K 6:5 5792 x 4854 24.1 x 20.2 23, 24, 25, 29, 47 1**-48
フルフレームライセンス* 7.6K 16:9 7680 x 4320 32.0 x 18.0 23, 24, 25, 29, 50, 59 1**-60
フルフレームライセンス* 8.2K 17:9 8192 x 4320 34.1 x 18.0 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1**-60
フルフレームライセンス* 8.6K 3:2 8640 x 5760 35.9 x 24.0 23, 24, 25, 29 1**-30
  • * デスクイーズ機能を使うためには、アナモフィックライセンスが必要です
  • ** Base ISO 3200 運用時、1-7FPSは選択できません

VENICE 2 6K センサー スキャンモード

ソフトウェアライセンス イメージャーモード 有効画素 W x H (mm) システム周波数 セレクトFPS
ライセンス不要* 3.8K 16:9 3840 x 2160 22.8 x 12.8 23, 24, 25, 29, 50, 59 1-60
ライセンス不要* 3.8K 16:9 3840 x 2160 22.8 x 12.8 23, 25, 25, 29 1-48
ライセンス不要* 3.8K 16:9 (Surround View) 4268 x 2400 25.4 x 14.3 23, 25, 25, 29 1-48
ライセンス不要* 4K 2.39:1 4096 x 1716 24.3 x 10.3 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60, 66, 72, 75, 88, 90, 96, 100, 110, 120
ライセンス不要* 4K 17:9 4096 x 2160 24.3 x 12.8 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60, 66, 72, 75, 88, 90, 96, 100, 110
ライセンス不要* 4K 17:9 4096 x 2160 24.3 x 12.8 23, 24, 25, 29 1-48
ライセンス不要* 4K 17:9 (Surround View) 4552 x 2400 27.0 x 14.3 23, 24, 25, 29 1-48
アナモフィックライセンス 4K 4:3 4096 x 3024 24.3 x 18.0 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-48, 49-60, 66, 72, 75
アナモフィックライセンス 4K 4:3 4096 x 3024 24.3 x 18.0 23, 24, 25, 29 1-30
アナモフィックライセンス 4K 4:3 (Surround View) 4552 x 3360 27.0 x 20.0 23, 24, 25, 29 1-30
アナモフィックライセンス 4K 6:5 4096 x 3432 24.3 x 20.4 23, 24, 25, 29, 47, 50, 60 1-60, 66, 72
フルフレームライセンス* 5.7K 16:9 5674 x 3192 33.7 x 19.0 23, 24, 25, 29, 50, 60 1-60, 66, 72
フルフレームライセンス* 6K 2.39:1 6048 x 2534 35.9 x 15.0 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60, 66, 72, 75, 88, 90
フルフレームライセンス* 6K 17:9 6054 x 3192 36.0 x 19.0 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60, 66, 72
フルフレームライセンス* 6K 1.85:1 6054 x 3272 36.0 x 19.4 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60, 66, 72
フルフレームライセンス* 6K 3:2 6048 x 4032 35.9 x 24.0 23, 24, 25, 29, 47, 50, 59 1-60
  • * デスクイーズ機能を使うためには、アナモフィックライセンスが必要です

広大なラチチュード

VENICE 2の8.6Kセンサーは、16ストップと広大なラチチュードを実現。6Kセンサーも、15ストップ+のラチチュードを実現しており、太陽光の下で撮影から、ほとんど照明がない暗いシーンまで、圧倒的な低ノイズで美しい映像を撮影することができます。明暗部に直諧調豊かな撮像・記録を行う事はグレーディング作業において高い自由度をもたらします。

広色域による高い表現力

VENICE 2は従来のVENICE同様にBT.2020、DCI-P3を超える色域をカバーし、シーンの本来の色を美しく再現できることが可能です。
新開発の8.6Kセンサーにおいても従来の6Kセンサーとほぼ同一の色再現を実現しているため、S-Log3やS-Gamut3を活用した従来のポストプロダクションワークフローを活用する事ができます。

ハイフレームレート(HFR)撮影

VENICE 2は、4Kで最大120fpsでHFR撮影が可能です。
6Kセンサーの場合、6Kで90fps*、アナモフィックライセンスと組み合わせることで、4K 4:3で75fps、4K 6:5で72fpsのHFRの撮影も可能になります。8Kセンサーでは、8.2Kで最大60fps*、5.8Kで最大90fps撮影が可能です。

*別売のフルフレームライセンスが必要です

高速なイメージスキャン

VENICE 2には、ローリングシャッター方式のCMOSセンサーにおいて発生する動体歪みを、最小限に抑える高速なイメージスキャンが可能なセンサーが搭載されています。

イメージセンサーユニットの交換が可能

VENICE 2では、必要に応じて8.6Kセンサーと6Kセンサーを取り外し、簡単に交換することができます。また、従来のVENICEの6KセンサーをVENICE 2のボディに取り付けることも可能です。

※ 現行VENICEのボディに8.6Kセンサーを取り付ける事はできません

Forward development

VENICE 2においては従来VENICEをお使いのフィルムメーカーの皆さまから頂いた、
様々なフィードバックに基づいた機能改善を行っています。

Dual Base ISO

VENICE 2は、従来のVENICEにおいても好評を頂いている、デュアル・ベースISOを搭載しています。6Kセンサーは従来と同様に基準感度 ISO500とISO2500を切り替える事ができ、新開発の8.6Kセンサーは基準感度 ISO800 と ISO 3200の切り替えが可能です。基準感度を切り替えた場合にもほぼ同様なノイズレベルとなるように設計されていますので、例えば照明条件が十分な撮影現場ではISO 800(8K)/500(6K)を使用し、逆に照明環境の厳しい現場ではISO 3200(8K)/2500(6K)を使用するなど、シーンに応じて柔軟に使い分けることでノイズを抑えたクリアな映像表現が可能となります。8.6Kセンサーのラチチュードは、 18%グレーを基準として上が6ストップ、下が10ストップの合計16ストップです。6Kセンサーは、18%グレーを基準として上が6ストップ+から、下が9ストップまでの合計15ストップ+のラチチュードを実現しています。(8Kモデル 図表 2022年3月修正)

8Kモデル

6Kモデル

16 bitのX-COCNおよび、4K ProResの本体内部収録により、よりコンパクトな撮影システムを実現

『VENICE 2』は16bitのシーンリニアデータでの記録が可能なソニーが開発した記録フォーマットX-OCNをはじめ、Apple 4K ProRes 4444および422 HQによる本体内部記録に対応します。外部レコーダーが不要になったことで長さにおいて44mmの小型化と約10%の軽量化を実現し、機動性が向上しました。車内など狭い場所での撮影や、ジンバル、ドローンに搭載しての撮影で力を発揮します。

アナモフィック対応

従来のVENICE同様にアナモフィックレンズによるプロジェクトにも対応。シネマスコープ作品の制作はもちろんのこと、アナモフィックレンズ独特のレンズ効果を活用したさまざまなコンテンツ制作が可能となります。また一般的な4:3アナモフィックモードではポスト作業でデ・スクイーズ後に両端をカットする必要がありますが6:5アナモフィックモードはその必要がありません。フルフレームとの組み合わせによって、高い水平解像度の撮影画素をそのまま使用することができ、美しいレンズフレアや、ボケ味などより高品質なシネマスコープ作品を制作することができます。8Kセンサーは、アスペクト比6:5で5.8K、6Kセンサーは4Kで6:5と4:3で撮影ができます。

※ アナモフィック撮影には別売のアナモフィックライセンスが必要となります

PLレンズマウント

VENICEは標準でPLレンズマウントが装着されています。レンズマウントはCooke/iに対応しており、レンズ情報はフレーム毎にメタデータとして記録されます。
また、ZEISS eXtended Dataにも対応しました。

Eマウント(レバーロックタイプ)

PLマウントを取り外すことによりEマウントを使用することができます。Eマウントにはレンズを回転させずに着脱できるレバーロックタイプのEマウントを採用しているため、リグ装着状態でのレンズ交換を容易に行うことができます。

多彩な運用を可能にするカメラヘッド延長システム*

VENICE 2 6K*でもVENICE同様エクステンションシステム「CBK-3610XS」を使用することで、画質を損なうことなく、カメラヘッドを最大5.5m**延長することが可能です。
これにより、カメラヘッドの独立運用による小型化や、システム装着状態でカメラヘッド部質量1.9kg(PLマウント時)/1.4kg(Eマウント時)と超軽量化ができ、車両など狭所での撮影時や、ジンバル、スタビライザー、クレーンを用いた撮影時などにおいて、操作性や運用性が向上します。
また、エクステンションシステムへの変更はユーザー自身で行うことが可能です。

*8K センサー用のエクステンションシステムは、2023年頃のリリースを予定しています
**付属ケーブルで2.7m、付属延長ケーブルを連結することにより5.5mの延長が可能です

内蔵8ポジション光学式NDフィルター

VENICE 2でもVENICE同様、8ポジション光学式NDフィルターを採用しています。
Clear、0.3(1/2ND=1ストップ)、0.6、0.9、1.2、1.5、1.8、2.1、2.4(1/256ND=8ストップ)の広範囲のNDを備えており、外部NDフィルターを交換する手間を省きます。
このNDフィルターはサーボ制御となっており、クレーン撮影等でのリモート操作が可能です。

高い堅牢性

過酷な現場での使用を想定し筐体はマグネシウム合金を採用。
電気系とは分離したベンチレーションシステムを搭載するなど、優れた冗長性を確保しています。

直感的で使い慣れた直感的なメニュー操作

VENICE 2は、カメラの両側にコントロールディスプレイがあり、VENICEと同じレイアウトになっています。3インチのLCDディスプレイおよび、メイン操作部はカメラのアウトサイドに配置しています。これにより撮影現場でカメラアシスタントが設定操作を素早く行うことができます。
インサイドの有機ELミニディスプレイは、NDポジション、シャッター、FPS、ホワイトバランス、EI値など、頻繁に使う設定を簡単に操作でき、またカメラマンがステータスを確認するのにも便利です。
また、ユーザーのフィードバックに基づいて、 12V出力端子がLemo コネクタに変更されたほか、イーサネットコネクタがカメラアシスタント側に移動するなど、運用性がさらに向上しています。

アウトサイド(アシスタント側)

インサイド(カメラマン側)

VENICE 2 Camera Simulator

Webサイト上でVENICE 2のメニュー動作を試すことができます。

VENICE 2(8K)はこちら 別ウィンドウで開きます
※ Sony Globalのサイトにリンクします

VENICE 2(6K)はこちら 別ウィンドウで開きます
※ Sony Globalのサイトにリンクします

・動作ブラウザ:GoogleChrome63以降。 Safari10以降
・本シミュレータはすべて実機と同様に動作することを保証するものではありません。ご自身の責任においてご利用ください
・別売のフルフレームライセンス CBKZ-3620F、アナモフィックライセンス CBKZ-3620Aがインストールされた状態の動作となります
・本体ファームウェアVer1.0の動作となります

Zoom to Fit 機能

「Zoom to Fit」とは、AXSメモリーへの記録は、カメラのフルフレーム画角である3:2で記録し、撮影現場でのモニタリングは、フルフレーム画角のうち上下をカットした17:9または16:9で表示する機能です。
フルフレーム3:2の撮影時、撮影現場のモニターへの出力は、17:9もしくは16:9ということもあり、3:2の画枠の左右に黒を配して表示する必要がありました。
その場合、最終的に使用する画枠がモニター全体に対して小さく表示されるため、フォーカス、演出チェックに課題がありました。これを解決する手段として、「Zoom to Fit」機能を新たに追加しました。

レコーディングフォーマット

VENICE 2は、本体のみで、AXSメモリカードへのX-OCNまたは、4K ProRes 記録に対応しており、
外部レコーダーを追加で接続する必要がなくなります。

X-OCN

X-OCNはソニーが定義する広色域データであるS-Gamut3の色情報をサポートするほか、16stop(8Kモデル) /15stop+(6Kモデル)の広大なラチチュードでとらえた情報を、階調豊かな16bitのシーンリニアデータで記録することが可能です。
また、16bitのX-OCNは、ファイルサイズを軽量化にも貢献し、VENICE 2の8.6Kまたは6Kセンサーで収録した高解像度データをファイル転送時間とストレージサイズの面でより実用的なものにし、ポストプロダクションでの作業において十分な効率化を提供します。

Apple ProRes 4K

VENICE 2は、ポストプロダクションで多く活用されている Apple ProRes 4444および、ProRes 422 HQを含む Apple ProRes 4Kをサポートしています。
これらのフォーマットは、AXSメモリーカードに直接記録することが可能です。

テクニカラー・ルック・コレクション

テクニカラー・ルック・コレクションを使用すると、VENICE作品のグレーディングを数多く手掛けるハリウッドの大手ポストプロダクション「テクニカラー社」のカラーリストが制作したLUTファイルをVENICE 2に追加できます。これらは、オンセットモニタリングに使用できるだけでなく、ポストプロダクションにも適用できます。また、3DLUTと比較して高画質なモニタリングを実現するソニーの新しい独自のファイル形式であるARTファイルも含まれています。

カラーマネージメントとオンセットワークフローのための強力なツール

RAW Viewerは、素材のビューイング、トランスコーディングに対応した無料のソフトウェアです。
また、サードパーティ製のカラーグレーディングアプリケーションやノンリニア編集システムにも対応しています。
8Kのサポートは、2022年2月頃 リリース予定。

4K SDI出力時の3D LUT適用が可能に

VENICE 2では、従来のHD SDIのみならず、新たに4K SDI出力に3D LUTの適用が可能となりました。
またLUTの処理を向上する事で、ライブ出力における色の諧調の精度を改善し、より正確なルックのモニタリングを可能にしました。

リモートコントローラーによるペイントコントロール

VENICE 2においても従来同様、ソニーのリモートコントロールユニットの接続が可能で、BT.2020色域やHLGガンマカーブを選択することができ、ペイント機能の様々なパラメーターを制御することができます。

イーサネット / WiFi コントロール

カメラとPCなどの端末をイーサネットまたは Wi-Fi接続する事で、これまでのようにSDカードを使用しなくてもLUTやCDL、ARTファイルをカメラに直接インポートできるようになりました。
CDLは、Webインターフェイスを用いて制御および調整した結果が、収録クリップのメタデータに記録されます。

その他の機能改善

・S-Log3での映像出力にEI値の変更結果が反映
・内蔵マイク搭載
・SDI 1/2からの12G-SDI出力時、SDI3/4からの3G-SDI(HD)同時出力に対応