スタジアムや劇場などのHDライブ映像制作においては、カメラシステムとスイッチャーの間に多数のケーブルが必要ですが、本機を使うことで、従来のケーブル敷設に比べてシンプルにシステムを構築する事が可能になります。
また、IP制御に対応したカメラや雲台システムと組み合わせることで、さまざまな運用が可能になり、オペレーションの効率化にもつながります。
放送品質のHD映像信号、音声信号や各種制御信号を、1フィールド以内(*)の低遅延に抑えながら双方向にIP伝送することが可能です。
* ネットワーク遅延を除く
1対向で最大4系統のHD映像(*)が送受信可能になっており、例えば3台のカメラ映像と1つのリターン信号を伝送することができます。
* 送受信合わせて4系統、一方向は最大3系統まで
ネットワークを経由して機器に同期を掛けることができます。ライブ制作においてフレームシンクロナイザーで同期を取る必要がないため、低遅延での映像伝送が可能です。
映像信号は最大4系統、同一方向には最大3系統伝送できます。音声信号は10系統(5組)、同一方向には8系統、GPIOは8本、タリーを6系統、同期信号を1系統、伝送できます。
■映像信号
HD SDI最大4系統、ただし同一方向には最大3系統
1080/50i、1080/59.94i、720/50P、720/59.94P
異なるフォーマットを同時に伝送することはできません。
■音声信号
HD SDIに重畳した音声信号、アナログ音声信号、インターカムのうち、最大2ch × 5組(48kHz/24bit)
ただし同一方向には最大8ch
HD SDIに重畳されている音声は、Ch1 - Ch2またはCh1 - Ch4を伝送可能です。Ch5以降は伝送されません。
HD SDIに付加されているメタデータは伝送できません。
■タリー信号
R Tally、G Tally 各3系統
ただし、全系統の伝送方向はすべて同一です。
■GPIO
8本
伝送方向は、4本を1グループとして切り換えることができます。
■MAIN端子と接続するネットワーク
本機のMAIN端子に接続し、映像信号や制御信号を伝送するネットワークです。
このネットワークに要求される条件は以下の通りです。
・他のシステムやネットワークとは独立したセキュアなLAN。WANやインターネット回線では使用できません。
・Layer2スイッチ5段以内で使用してください。ルーターは使用できません。
・インターフェース:1000BASE-T
・MTU:1500bytes以上、フラグメントのないこと。
・遅延量:片道10ms以内、遅延量が変動するネットワークでは使用できません。
・帯域:600Mbps以上が確保されていること。
■CONTROL端子と接続するネットワーク
本機のCONTROL端子に接続し、本機の設定時にコンピューターを接続するネットワークです。
・インターフェース:100BASE-TX
※ ご使用予定のネットワークが条件を満たしているかどうかを、Webメニューのネットワークテストで確認してからご使用ください
※ ネットワークテストは、テストを行った時点で測定可能な範囲内での状況を表示するもので、ネットワークの品質や本機の動作を保証するものではありません
■放送局向けライブシステム
HDC-2000シリーズはカメラヘッドとCCU間を結ぶ3G光カメラケーブルを介して、最大1Gbps帯域のIP伝送を可能とするネットワークトランク回線を搭載しています。
この機能と本機を組み合わせることにより、従来のメインカメラのHD映像伝送に加えて、最大3台のサブカメラのHD映像信号をIP伝送することができ、スポーツ中継などでダイナミックなシーンを捉える機会が高まります。
■イベント会場でのシステム
会場に設置したリモートカメラの映像を、本機を使ってスタジオサブに伝送。
スタジオサブでスイッチングやカメラのコントロール(*)が行えるので、少人数での運用が可能になります。また、スイッチングした映像をリターンとして会場側に戻すこともできますので、放送/収録中の映像を会場内のスクリーンやモニターで確認することも可能です。
* 旋回型リモートカメラ「BRC-H900」「BRC-Z700」「BRC-Z330」に、IPリモートコントローラー「RM-IP10」とオプショナルカード「BRBK-IP10」もしくは「BRBK-IP7Z」とを組み合わせることで、IP技術を応用したフレキシブルなリモートカメラシステムを構築することが出来ます