今年も、映画館からたくさんのヒット作が生まれ、劇場には長い行列、客席は大きな歓声に包まれている。人はなぜ映画館が好きなのか。暗くなった場内で、日々の喧騒(けんそう)を忘れて気持ちをリセット。自分だけの世界に浸れる。映画というコンテンツが持つ楽しみだけでなく、臨場感あふれる迫力の大画面と音響がもたらす没入感も映画鑑賞の醍醐味(だいごみ)の1つだろう。
そんな空間を、大きな手間をかけずに自宅のリビングに持って来られる時代がやって来た。実現するのは4K対応ブラビアだ。「X9500Bシリーズ」は高画質技術の粋を尽くし、ブラビア史上最高の画質を実現し、暗部表現、コントラスト、映像の輝きと高精細を実現。さらに映画の表現に必要な細かなニュアンスを高精細に描く再現性にも優れている。そして、10月31日に発売予定の新製品、7.1chスピーカーを搭載するホームシアターシステム「HT-ST5」と組み合わせれば、劇場さながらのシアターシステムが手軽に組み上がる。
ではどんな映画を見たらいいだろうか? 鑑賞する映画は、「Mastered in 4K」ブルーレイのラインアップから選びたい。その理由は、「4K対応液晶テレビで再生することを考えてつくられ、映画の作り手が表現しようと意図した映像表現を、極めて忠実に再生できるのが「Mastered in 4K」です。それを4K対応ブラビアの再現力、とくにシアターモードと組み合わせることで、映画ならではの高精細映像と色彩、そして迫力の音響をそのままリビングで楽しめるのです」。(ソニー・ピクチャーズでプロダクトマーケティングを担当している正木祥貴マネージャー)
「大人のソニー」の第1回では、往年のクラシック映画を選び、「Mastered in 4K」による色や画質がいかに当時の作品を忠実に再現しているか、それを4K対応ブラビアがより美しく表現できることを紹介した。今回は、近年の新しい映画を題材に、映像と音のコンビネーションによる「心情の表現」に触れてみたい。つまり、通常のテレビでは再現できなかったディティールまで映し出す高精細の映像と、劇場の音響を思わせるサラウンド効果で、セリフのないシーンでも不思議と主人公の心の中が見えてくる。リビングにいながら、映画の世界に入り込め、深く感じるという、今までと一味ちがった体験ができるのだ。そこで「Mastered in 4K」のスペシャリスト、正木氏が選んでくれたのが、以下の3作品だ。
『アフター・アース』は、ウィル・スミスと息子のジェイデン・スミスの競演で話題を呼んだSF映画。遠い未来の物語で、レンジャー部隊を乗せた宇宙船が嵐に見舞われ、ある惑星に不時着する。そこには人類の命を奪う様々な危険が待ち構えていたのは、人類を殺すよう独自に進化した"地球"だった。監督は、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞ノミネートの『シックス・センス』で知られるM・ナイト・シャマランで、『アフター・アース』は4Kカメラ「F65」で撮影された。(「F65」での撮影の裏側はこちら。)
正木氏が4K対応ブラビアでぜひ見てほしいと推薦してくれた場面は、物語の冒頭、宇宙船が墜落し、主人公が、襲ってくる動物から逃げるために森を駆ける場面だ。
「今作のロケは、豊かな生態系が残る中米コスタリカでおこなわれました。宇宙船が墜落し、降りた主人公が広大な大自然を高台から一望するシーンでは、遠くまで広がる風景を4K対応ブラビアがにじみなく映しています。ジャングルで主人公は猿の大群に襲われます。シャマラン監督は当初、陽が差さないほど、うっそうと木々が茂った暗いジャングルでの撮影を心配していたそうです。しかし、人の目が暗闇に順応したかのように、4K対応ブラビアの高精細は、暗部に隠されていた木々や、葉の一枚一枚の色の違いまで、映し出しています。そこは暗いジャングルではなく、そこに存在するすべてのものが精細に映し出され、様々な生き物の気配までも感じられる広大な空間を味わえます。(高精細の秘密、その詳細はこちら。)そして、その広大な世界を走る主人公の息づかい、草木を踏む音、虫や鳥の鳴き声など、見る者があたかもそこにいて、その空間のすべてを感じることができるように映画の音響は仕込まれています」。(正木氏、以下同)
つまり、普通のテレビと音で見てしまうと、ただジャングルを逃げる主人公と簡単に解釈していまうそうなシーンだが、高精細とサラウンドで見ることで、主人公を狙う様々な生き物が潜む未知の世界で感じる孤独や不安を表現していることがわかる。主人公の心情の細部は、言葉でなくても、自身の目と耳で感じられるように、映画製作者は設計していることを4K対応ブラビア「X9500Bシリーズ」とホームシアターシステム「HT-ST5」の組み合わせが教えてくれるのだ。
次の作品は、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞主演男優賞を2度受賞している名優トム・ハンクスの『キャプテン・フィリップス』。リチャード・フィリップス船長が舵(かじ)を取るコンテナ船「マースク・アラバマ」号がソマリア沖で海賊に襲われた実際の事件を題材にし、ハンクスはフィリップス船長を熱演した。手持ちカメラでの撮影が多用され、ドキュメンタリータッチの演出がされているので、この作品はぜひシネマモードで楽しみたい。正木氏が通常のテレビの映像と音響では、味わうことのできない必見の名場面と語るのは、海賊に拉致されて人質になった船長を、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズが救出しようとするシーン。
「真夜中から明け方の救出シーンで、場面は真っ暗な洋上です。でも"暗黒の海"が4K対応ブラビアだと黒くつぶれず、波立つ様子はもちろん、闇の中で人質救出のために懸命に働く戦艦、ヘリ、兵隊などの存在もはっきりとわかります」。
上空からのヘリの音や、遠くから迫る高速ボートの音、投降を迫る拡声器の声が、単に前のスピーカーからではなく、四方八方から聴こえてくるので、救出の手が迫っていることが音でもよくわかる。そして最後に主人公は縛られ目隠しをされ海賊から銃を突きつけられる。死を覚悟した瞬間に銃声が轟(とどろ)く。するとわめいていた海賊の声や波の音、シーンを盛り上げる音楽もいっさい消え、主人公の泣き叫ぶ声とボートが揺れるリアルな音だけになり、映画的なサウンド演出は一切なくなる。自分の目の前に主人公がいるような高精細な映像と、ドキュメンタリータッチを演出するため、手持ちのカメラで撮影されたリアルな映像が、あたかも自分が絶体絶命の船の中にいるかのような臨場感覚に包まれる。この場面の音の作り方は、さすが、アカデミー賞音響編集賞にノミネートされただけあり、ミックスの技術がずば抜けている。「洋上が波立つ音や、船と船がぶつかる音など、すべて実際の現場で録音したほど、音にもこだわっている作品なんです」。
今回、ホームシアターシステム「HT-ST5」はサラウンド2モードで観賞した。このモードはリアスピーカーを置いたような深い回り込みのあるサラウンドを楽しめるので、まるで本当に船の上にいるような錯覚に陥る。ソニーのサラウンドは壁に反射させる方式ではないので、部屋の形状にも左右されない。ひとりでじっくり楽しむのに適しているが、家族みんなで観賞するなら、幅広いスペースで、高密度のサラウンド効果を味わえるサラウンド1モードが最適。映画を見る人数に合わせてサラウンドモードを選べるのはこの商品の特長だ。(最新のホームシアターシステムを知りたい方はこちら。)
そして最後は、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』。実在の人物で、現在、米メジャーリーグの球団、オークランド・アスレチックスでゼネラルマネージャーを務めるビリー・ビーンの、独特な野球理論と人生を描いた作品だ。これも派手なアクションを楽しむものではないので、映画館のゆったりとした雰囲気の中で観賞したいので、シネマモードを選択。
「私が好きなのは、作品の冒頭、ブラピ演じるビリーが、球場の観客席に1人座って、たそがれている場面ですね。月明かりと少しのライトだけが場内を照らしているんですが、4K対応ブラビアで見ると、全体が黒くつぶれることなく、暗い場内も、黒の部分は深く引き締まった黒に、明るい部分はより明るく、高いコントラスト表現でとても幻想的できれいなんです」。暗がりの中の黒にも、微妙な色の違いがあることをしっかりと表現し、主人公がどんなシチュエーションにいるのか、どんな気持ちなのかまで伝わってくる色彩豊かな映像こそ、4K対応ブラビアの実力だ。
資金力に乏しい球団でいかに勝ち抜くか。独自のデータ分析で無名選手を使いこなし、チームは史上初の20連勝を目前に...。そしてクライマックスのシーンでは、奇跡のさよならホームランが飛び出す。
「この映画も事実をもとに作られたドキュメンタリーなので、見ている人も事件の現場にいるという錯覚が大切だと思います。大画面に芝生の緑のディテールまで鮮明に見える球場が映し出されると、映像が立体に感じるほど。しかも、サラウンド効果で大観衆が自分を取り囲みます。見ている人は球場にいる錯覚を覚えるでしょう。そして、音響の名演技、監督が代打を起用するシーン。大観衆の音は一瞬消え無音になり、監督の頭の中をリアルに表現します。ホームランが飛び出すそのとき、高鳴る鼓動のような音がミックスされ、ウーハーから響いてる振動が気持ちを高めるのです。映画において、人の心情は、場面のカットを変えるだけでなく、映像の細部の表現と、音で表現されます。
今回、3つの作品で印象的な場面の映像表現と音を紹介しましたが、いずれも、人物の心情が、うまく表現されていますね。特にウーハーからは、製作者が映画を飾るために入れた大切な音が鳴りますので、家庭でもウーハーが機能するホームシアターシステムが重要な意味を持つんです。「X9500Bシリーズ」と「HT-ST5」、そして「Mastered in 4K」の組み合わせは、今家庭で味わえる"本物の映画"といえますね」。
映像美や音響、演技、物語など、あらゆる芸術が詰め込まれた"総合芸術"と呼ばれる映画の世界。
だからこそ、その世界を存分に楽しむなら、リビングの環境は、生活音のしない無音の環境で見て欲しい。大画面の高精細と、スピーカーからの音響を最大限に活かし、視覚と聴覚を研ぎ澄ませて映画にのめり込むために。見慣れた映画タイトルだったとしても4K対応ブラビアとホームシアターシステムが、リビングに居ながらにして映画に参加する場を作ってくれ、それは、新しい発見と楽しみとの出会いを導いてくれるのだ。
2014年4月〜2015年3月にご紹介した商品です。ご紹介商品がすでに生産完了の場合もございます。
商品について詳しくは、ソニー商品サイトをご確認ください。
Mastered in 4Kとは?
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント作品を4K解像度の高画質映像を使用し、フルHDで広色域データに対応させたのがMastered in 4K ブルーレイ。ソニー・ピクチャーズ フィルムレストアの専門家が各作品ごとに、4Kアップスケーリングで視聴することを想定し、制作・監修。4K・広色域の状態で制作された映像をブルーレイマスターとして使用し、高いビットレートでエンコード。広色域なためダイナミックかつ躍動感ある映像に。4K対応液晶テレビで再生することを考えて作られている。さらに、フルHD テレビでも綺麗な画質で視聴できる。ソニーの4K対応ブラビアはMastered in 4Kモードを搭載しており、更にオリジナルに近い4Kクオリティで再現可能。
-
禁断の"超危険惑星"に立ち向かうSFアクション超大作!
共に挑む、この圧倒的絶望に。地球を脱出してから1000年後、人類は新たな星ノヴァ・プライムへと移住していた。伝説の戦士サイファ(ウィル・スミス)と、父・サイファへ憧れを抱きながらも過去の悲劇から、父と距離をおく息子キタイは共に宇宙への任務に出ていた。しかしその途中 、小惑星嵐に見舞われ宇宙船が大破、緊急発信器<ビーコン>を載せた船の後部と船体はばらばらになり、"隔離惑星"と警告される、ある星へ墜落した。生存者はサイファとキタイの2人のみ。不時着した惑星は、なんと1000年間の時を経て、人類を殺すよう独自に進化した"地球"だった。重症を負ったサイファの必死の指示のもと、ビーコンを捜す命懸けの旅に出るキタイ。予期せぬ"危険"が次々と2人にふりかかる――。
出演(声の出演)
サイファ・レイジ : ウィル・スミス(東地宏樹)、キタイ・レイジ : ジェイデン・スミス(本城雄太郎)、ファイア・レイジ : ソフィー・オコネドー(藤貴子)、センシ・レイジ : ゾーイ・クラヴィッツ(山下真琴)スタッフ
監督 : M・ナイト・シャマラン
製作総指揮 : ベネット・ウォルシュ
原案 : ウィル・スミス
脚本 : ゲイリー・ウィッタ、M・ナイト・シャマランアクション,SF / ¥4,743(税抜)
© 2013 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
-
トム・ハンクスの迫真の演技×『ボーン・アルティメイタム』監督による緊迫の演出!国際社会の闇を浮き彫りにする《実話》に基づく驚愕(きょうがく)のサスペンス!
2009年4月。コンテナ船マースク・アラバマ号は、ケニアに援助物資を運ぶため、インド洋を航海していた。それはいつもと変わらぬ旅であったが、ソマリア海域に入った途端、事態は一変する・・・突如海賊船が現れたのだ。 アラバマ号の船長、フィリップスは向かってくる小さな海賊船に対し放水をする。しかし、アラバマ号はたった四人の海賊たちに占拠されてしまう。その時、フィリップス船長は乗組員の解放を条件に、自らが拘束されることを選ぶ。そして、船長たった一人VSソマリア人海賊との命がけの攻防と、海軍特殊部隊NAVY SEAL、特殊チームのスナイパーを巻き込み、アメリカ国家の威信を賭けた闘いが始まった!この映画が投げかけるものは、国際社会の現実ー日本人にも決して他人事ではない!
出演(声の出演)
リチャード・フィリップス:トム・ハンクス(江原正士)、ムセ:バーカッド・アブディ(津田健次郎)、SEAL部隊長:マックス・マーティーニ(藤 真秀)、アンドレア・フィリップス:キャサリン・キーナー(増子倭文江)スタッフ
監督:ポール・グリーングラス
製作:スコット・ルーディン、デイナ・ブルネッティ、マイケル・デ・ルカ
製作総指揮:グレゴリー・グッドマン、イーライ・ブッシュ、ケヴィン・スペイシー、原作:リチャード・フィリップス
脚本:ビリー・レイサスペンス,ドラマ / ¥4,743(税抜)
© 2013 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
-
あきらめるな、挑戦を。
ブラッド・ピット主演×『ソーシャル・ネットワーク』のタッグで贈る。メジャーリーグの常識を覆した、これは、真実の物語。 選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も観なければ、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気で風変わりな男。ある時、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、周囲の反対を押し切って、後に"マネーボール理論"と呼ばれる戦略を実践していく。当初は生論が活きずに周囲から馬鹿にされるが、ビリーの熱い信念と、挑戦することへの勇気が、誰も予想することの出来なかった奇跡を起こす!
出演(声の出演)
ビリー・ビーン:ブラッド・ピット(東地宏樹)、ピーター・ブランド:ジョナ・ヒル(桜井敏治)、アート・ハウ監督:フィリップ・シーモア・ホフマン(石住昭彦)、シャロン:ロビン・ライト(田中敦子)スタッフ
監督:ベネット・ミラー
製作:マイケル・デ・ルカ、レイチェル・ホロヴィッツ、ブラッド・ピット
原作:マイケル・ルイス
脚色:スティーブン・ザイリアン、アーロン・ソーキンドラマ / ¥3,314(税抜)
© 2011 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.