商品情報・ストア 月刊大人のソニー '14 Vol.6

ハイレゾで出会う、かつてないマイケル・ジャクソン。

誰にでも、何度も繰り返し聴いた音楽があるはずです。レコードに針を落とし音が鳴った瞬間のときめき、ラジオから流れてきたメロディに心をつかまれたこと、生音と熱気で溢れかえるライブ会場...。あの頃の感動を、あの頃のままに再現する。あの頃は聴こえなかったところまで、聴こえるようにする。今、ハイレゾの技術だから味わえる、大人のあなたにこそ知ってほしい新たな音楽体験を、ソニーがお届けします。

あの歌声が、新しく、美しく。アルバム発売記念 マイケル・ジャクソン ハイレゾ総特集

xscape

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梅雨の休日。大人が自宅で過ごすなら、リビングでのゆったりとした時間を演出する音楽が欠かせない。この時期、悪天候で出かける予定がキャンセルになっても、普段持ち歩いているウォークマン®を、すぐにつないで部屋いっぱいのサウンドを楽しめるワイヤレススピーカーがあれば便利だ。さらに、選ぶ音楽は圧縮された音源ではなく、録音された当時のアーティストの思いがそのまま再現されるハイレゾ音源で、ブルーな気分を一気に吹き飛ばしたい。おすすめは、1BOXのコンパクトな筐体(きょうたい)でありながら、省スペースで最大級の音楽環境を実現するワイヤレススピーカー「SRS-X9」と、ハイレゾ音源対応のウォークマン®「NW-F880」シリーズの組み合わせだ。 そして取り上げる作品は、人気バンド、NONA REEVESのヴォーカリストで、メイン・ソングライター、音楽プロデューサーほか幅広く活躍する西寺郷太氏が推薦する、マイケル・ジャクソンの新アルバム『XSCAPE』。西寺氏は同アルバムのライナーノーツも手掛けるほど、日本を代表するマイケル・ジャクソン研究家として知られる人物。そんな彼に、ハイレゾ音源で聴く『XSCAPE』の楽しみどころを聞いた。

音作りにこだわり抜いていた、マイケル。

「マイケル・ジャクソンが未発表曲をたくさん遺(のこ)していることはファンの間で伝説となっていました。例えば、1987年に発売された名盤『BAD』を作った際には、収録曲数がレコードでは10、CDでは11曲でしたが、実は、彼は60もの曲を作っていて、そのうち33曲は実際に一定のレベルで録音していたと言われていたんです。

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マイケル・ジャクソン
「Bad 25th Anniversary (Deluxe)」

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マイケルが、とてもストイックなアーティストであるということだけでなく、彼には世界最高のミュージシャンを最高のスタジオに集めて、最長の時間をかけて、最高の機材を使って音楽を作れる予算と情熱があったんですよね。今回のアルバムで言えばタイトル曲『XSCAPE』は、90年代後半に、マイケルとプロデューサーのロドニー・ジャーキンスが発売を前提に録音したものですが、「今はまだこの曲を発表する時期じゃない」とマイケルが判断したことで未発表の状態にありました。『XSCAPE』で歌われているのは、"電子的な目"の監視から逃げる世界。今、インターネットのSNSなどを通じて、人は互いの行動を知ることが簡単にできてしまう時代ですよね。マイケルは我々がそれに気づく10年も20年も前から、自分が常にメディアに追われるなかで、電子的に監視される社会が来ると考えていました。予言のようなメッセージだと思いますね」。(西寺氏)

マイケルが、耳元で囁(ささや)いている。

「このスピーカーのデザインを見た時、ドキッとしました。Sonyが発表した90年代の名機「ZS-F1 PRESH」のイメージがモダンによみがえった感じがしたんです。さすがに20年以上経った今はそれほどでもないですが、数年前まではスタジオで仕事をするプロのエンジニアさんがモニター用に必ず一台持っていたと言ってもおかしくない高級ラジカセでした。「SRS-X9」のデザインはシンプルでタイムレスな「ZS-F1 PRESH」を、まさにマイケルの『XSCAPE』で各プロデューサーが念頭に置いたという概念"コンテンポライズ(現代化)"と同じような情熱をスピーカーに向けた技術者のプライドが伝わってきますね。上部にツイーターが付いていたり、デザインもカッコいい。グリルを外すとさらに音も見栄えもいいですね。自分たちがレコーディングした楽曲のハイレゾ・モニター用にも使ってみたいです。人間の耳って、自分たちが思っているよりも、検査で計るデータよりも、もっともっと優秀で繊細だと思うんですよ。『XSCAPE』を聴いても、まさに彼の生の息遣いがしてそばにいるような感覚に陥るほど。ハイレゾによって、これから今まで体感したことのない、新しい感動が生まれる気がします」。(西寺氏)
ワイヤレススピーカー「SRS-X9」では、ハイレゾの豊かな響きを空間に満たして身を委ねる。ウォークマン®「NW-F880」シリーズでは、ハイレゾの細やかな響きをダイレクトに体へ吸収する。この両方からアプローチすることで、今までは聴こえていなかったマイケルの音楽の本質へと近づけるのではないだろうか。

今回、話を伺った西寺郷太氏

リップノイズまで、鮮やかに。

「今、大ヒット中の『Love Never Felt So Good』。2014年に初めて発表された楽曲なんですが、1979年にマイケルがクインシー・ジョーンズをプロデューサーに招いて作ったアルバム『Off The Wall』期の多幸感のあるディスコサウンドを模しているのがうれしいです。いわゆる古き良きゴージャスなストリングス、豪華なカッティング、アーティスト然とした、あの時代のロスのサウンド、まさに傑作じゃないでしょうか。ハイレゾだと、ギタリストの指の動き、表情までくっきりと目に浮かびます。立体的に一人ひとりが演奏しているのが分かりますね。あと、マイケルの「タ」「ツ」といった、リップノイズすらも、より鮮明に聴こえます。ポール・アンカとともにデモとして作った曲ですが、ハイレゾだと一層生々しいというか、トロっとした声の輝きのようなものが実感できて驚きました」。(西寺氏)
たしかに、西寺氏と一緒に試聴した我々「大人のソニー」編集部も、曲全体に酔いしれながら、同時に、ギターの奏でる音やクラップ音などをしっかり感じることができた。一部の楽器音は、圧縮音源ではヴォーカルが前に出るあまり聴こえづらい場合があるという。 それが、特にウォークマン®「NW-F880」シリーズで聴くと、西寺氏のような音の違いに敏感な専門家でなくても、各楽器の役割が素直に耳に届いてくる。楽曲への集中力が増すため、マイケルとマイケルのサウンドを支える全員を独り占めしているような気分に浸ってしまうほどだ。

ラボラトリーの様子が目に浮かぶ。

「次に『Loving You』です。この曲は、声、ハーモニーが特徴的です。うん、いいですね。このコーラスの重ね方は、デモの領域を超えていますよね。聴いていて脳裏に浮かんできたのは、僕も行ったことがある、この曲が生まれた、マイケルが20代の頃まで暮らしていた邸宅のスタジオ「ラボラトリー」の風景(上記写真)です。キャンディー・ショップやプールやミニ・シアターも家の中にあるんですよ。このスピーカーだと、間奏の奥行き、立体感が特にいいです。家になにげなくこんなスピーカーがあって、子ども達が毎日当たり前のように聴いていたら、可聴領域が自然に広がって、ふとMP3を聴いたときに"音が違う"って分かるようになるかも知れませんね」。(西寺氏)
子どもの頃からスピーカーで音の英才教育。そこに、手軽にハイレゾを持ち歩けるウォークマン®「NW-F880」シリーズを組み合わせれば完璧ではないだろうか。ウォークマン®「NW-F880」シリーズは、スピーカーに引けをとらないほど、低音が力強い。『Loving You』の冒頭から間もなく入ってくるベースやドラムの響きにハッとさせられた。また、最近になってハイレゾ音源対応のスマートフォン「Xperia Z2」も発売された。いつでもどこでも、世界最高峰と言えるスタジオの音場を再現できるのが、現代を生きる私たちの特権だ。

人間味あふれる音こそ、ハイレゾで。

「以前からハイレゾで配信されてるマイケルのアルバム『Thriller』の収録曲も聴いてみたいですね。『The Girl Is Mine (With Paul McCartney)』は、アダルトコンテンポラリーで、豊かな演奏が特徴的です。当時、世界一のミュージシャンが集結してるんです。グルーヴの軸であるドラムはTOTOのジェフ・ポーカロ。この曲がレコーディングされた時期のTOTOは、アルバム『TOTO IV』でグラミー賞を制覇した絶頂にいました。ギター、キーボード、シンセサイザーもTOTO陣営です。

Thriller

マイケル・ジャクソン
「Thriller」

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ベースはチョッパー、スラップ・ベースの創始者のひとり、ルイス・ジョンソン。シンセサイザーは名プロデューサーのデヴィッド・フォスター。ともかくこの曲に限らず、マイケルの作品は通常あり得ない豪華なメンバーの共演が魅力。ハイレゾって人が演奏している姿が浮かぶので、80年代のマイケルのようなコンピューターに頼らない、演奏の妙が感じられる音楽にぴったりですね。『Billie Jean』は、世界最高峰のエンジニア、ブルース・スウェディンが98回ミックスして2回目が採用されたというこだわりの楽曲。いかに音作りに時間をかけ、こだわったか分かりますね。プロデューサーのクインシー・ジョーンズは、そのサウンドメイクを"音のミルフィーユ"と表現しました。細かく細かく音を重ねている。生の演奏だから、時代が変わっても、古びることがないんですよ。マイケルやミュージシャン、みんなひとりひとりが"そこにいる"のが味わえて楽しいです」。 (西寺氏)
圧縮された音源をたとえるなら、音がぎゅっと固まりになった状態。ひとつのボールを投げられ、それを正面から受け止める感覚だ。一方、ハイレゾはそれぞれ独立した無数の音を四方八方から浴びている感覚。音のシャワーとでも言えばいいだろうか。『Thriller』から『BAD』に至るマイケル特有のヴォーカルの魔力、ハーモニーを何重にも重ねる技巧を、大人のあなたにはハイレゾで堪能していただきたい。

マイケルは、ハイレゾの普及を予言していた!?

「そもそも圧縮音源というのは、技術革新の途中だからこそ広まったわけです。誰も好き好んでわざわざ音の悪いものを聴きたくはない。データの「軽さ」というのは、インターネットの速度とか、PCやスマホの容量とか、そういうものとのバランスで重宝されていたわけです。これからどんどん手軽にハイレゾ音源を聴けるのが楽しみですね。80年代にビデオ・デッキが普及し始めたころ、世の中の技術者やメーカーは映画こそがビデオの主要なコンテンツになると考えていました。しかしミュージカルに子どもの頃から慣れ親しんでいたマイケルは、ミュージック・ビデオが有力なビデオソフトになると予言し、その通りになりました。マイケルがこれだけ良い音で曲を残してくれたことも、ハイレゾのような高質の音源がいずれ普及することが見えていたのかもと思えてくるほどです。元が悪いものをどれだけ綺麗に鳴らしても意味がないですよね。ハイレゾで聴くマイケルの無敵の声と、演奏は、僕のように子どもの頃から聴きこんできた人間でも新しい感動と発見があるかもしれませんね」。 (西寺氏)

西寺 郷太

1973年東京生まれ京都育ち。バンド、NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)のヴォーカリスト。音楽プロデューサー、作詞、作曲など楽曲提供(SMAP、V6、中島美嘉、The Gospellers等)も手がける。著書に『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(ビジネス社)『マイケル・ジャクソン』(講談社現代新書)がある。アルバム『FOREVER FOREVER』や、元ジャクソン5のティト・ジャクソンもギターとコーラスで参加した、西寺郷太初のソロ・アルバム『テンプル・ストリート』が発売中。

文/日経エンタテインメント!編集部

ハイレゾ音源とは?

一般的にオーディオ用のデジタル信号は、原音となるアナログ信号を一定時間ごとに標本化(サンプリング)し、それを量子化することで作られます。サンプリング周波数とは、1秒間に何回標本化作業を行うのかを表すもので、単位は「Hz」です。サンプリング周波数が高いほど得られる情報が多くなり精度は上がります。

サンプリングされた時点でのアナログ信号レベルをデジタルデータで表現することを量子化と言いますが、どれくらいの精度で読み取るのかをビット数で表しており、単位は「bit」です。bit数が高いほど、原音からより忠実に変換することが可能となります。

サンプリング周波数とbit数それぞれの数値が大きくなるほど、原音の再現性に優れ、微細な音の変化や音の余韻までも表現することが可能となります。ハイレゾ音源では、CDの「44.1kHz/16bit」規格を超えるものを指し、「96kHz/24bit」と「192kHz/24bit」が主流になっています。

従来から配信している圧縮音源では伝えきれなかったレコーディング現場の空気感やライブの臨場感を、ビット数の高さにより、楽器や声の生々しさや艶(つや)などのディティールに触れてより感動的に体感できます。

スマホでもハイレゾのマイケルを。

今回紹介した、ワイヤレススピーカー「SRS-X9」と、ウォークマン®「NW-F880」シリーズに加え、スマートフォンで音楽を楽しむスタイルの方におすすめなのが、ハイレゾ対応の「Xperia Z2」。ハイレゾ音源のUSBデジタル出力に対応。ハイレゾ音源対応のオーディオ機器*に接続すれば、きめ細かな音域により、曲のディテールやアーティストの息づかいまでも感じることができます。
*ハイレゾ音源を聴くには、対応のUSBホストケーブル(別売り)、対応のDAC(別売り)、対応のヘッドホン(別売り)もしくはスピーカー(別売り)などが必要です。

Xperia™ Play Music 音質にこだわる

ウォークマン®「NW-F880」シリーズと「Xperia Z2」に合わせるなら、ハイレゾ対応ヘッドホン「XBA-H3」などがおすすめです。深みのある重低音から高域の余韻まで、高音質な本格派サウンドを、いつでも、どこでも楽しむことが出来ます。

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ハイレゾ音響を聴くなら..
  • SRS-X9
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2つの組み合わせで、ハイレゾ音源の楽しさが倍増する。192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応。ダイレクト接続はもちろん、ワイヤレスでもハイレゾ音源の再生が可能な「SRS-X9」と、モバイル機器向けに進化したフルデジタルアンプを搭載し、ハイレゾ音源の再生を実現した「NW-F880」シリーズ。

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2014年4月〜2015年3月にご紹介した商品です。ご紹介商品がすでに生産完了の場合もございます。
商品について詳しくは、ソニー商品サイトをご確認ください。

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