商品情報・ストア 月刊大人のソニー '14 Vol.8

胸を焦がした中森明菜の歌声と共に、青春時代をプレイバック。

大人なら誰しも、胸の奥で響く大切な音があるはすです。あの頃の感動はそのままに、あの頃は聴こえなかったところまで。今、ハイレゾの技術だから味わえる新たな音の体験をソニーから。

アイドルの枠を超えた圧倒的な歌唱力こそ、ハイレゾで。

中森明菜 「ベスト・コレクション 〜ラブ・ソングス&ポップ・ソングス〜」

試聴する Powered by mora

夏休みも目前。街に楽しそうな若者が溢れる季節だ。一方、自分の学生時代は遠い昔。日々の仕事や生活に忙しく追われる中、青春の輝きや熱さを取り戻したくなることもある。そういったとき、ウォークマン®とヘッドホンを鞄からすっと取り出し、胸を焦がしたアイドルの歌声を聴けば、一瞬で10代の自分になれるのではないか...。
そんな青春を忘れない大人の手の中に、いつでも持っていてもらいたいのは、80年代トップアイドルの一人であり、かつ、日本を代表する歌姫でもある、中森明菜の代表曲を完全網羅した「ベスト・コレクション 〜ラブ・ソングス&ポップ・ソングス〜」(全34曲)だ。同アルバムのハイレゾ音源は、2013年12月4日に「mora」で配信開始後、「mora」の総合アルバムデイリーランキングで1位を獲得。ハイレゾ音源がデイリーランキングの総合で1位を獲得するのは初のことで、今でも多くのファンがいることが分かる。
青春の歌声が色あせることなく、むしろ、ハイレゾならいっそう色っぽく。ハイレゾ音源対応のウォークマン®「NW-F880」シリーズとハイレゾ音源対応の密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-H3」の抜群のコンビで、何度も口ずさんだ名曲に没入しながら、ときめきの時間旅行へ。

80年代、歌番組からたくさんの名曲とスターが生まれた。

"奇跡"とさえ言える、今回のハイレゾ音源化。

では、ハイレゾ音源で聴く中森明菜の歌には、どんな魅力があるのか。話を聴いたのは、今回のハイレゾ音源を手がけた、ミキサーズラボ 会長でレコーディングエンジニアの内沼映二氏、そして、同じく、今回のアルバムにかかわり、また、中森明菜のデビュー曲から『北ウイング』(1984年)まで現場で録音も担当してきた、同社 常務取締役 マスタリング部 部長の菊地 功氏。ハイレゾのスペシャリストが語る、聴きどころはどこだろうか?
両氏によると、今回のアルバムのハイレゾ化を実現できた理由として、ワーナーミュージックが、マスターテープをきちんと管理し、残していたことが大きく、これは非常に珍しいことだという。「34曲ものマスターが、歌や楽器の音を複数のチャンネルに収録した『マルチマスター』のまま残っていることはとても珍しいことです。普通のアーティストなら、残っていてもせいぜい数曲。ハイレゾ音源を出したくても、完全なマスターが残っていなくて困っている例もあります。今回は、マスターが残っていたので、当時のレコーディングの良さを活かし、ハイレゾ化することができた。そういう意味では、今回のアルバムは、音楽資料としても非常に価値が高いと言えますね」。(内沼氏)
「それに、たとえ、マスターが残っていても、長く保存していますから、どうしてもテープの磁性体がはがれてしまったりといった、不測の事故も起きます。それを乾燥させて復元するという、見えない苦労もあるんです。このアルバムを出せたことは、実は、プロも驚くようなニュースなんですよ」。(菊地氏)

伝説のデビュー曲が、今、生き生きと躍動する。

中森明菜「スローモーション」

実際に「NW-F880」シリーズと「XBA-H3」の組み合わせでハイレゾ音源を聴いてもらった。まず、お二人が選曲したのは、1982年のデビューシングル『スローモーション』だ。
「ハイレゾで聴くと違いが明確なのは、まず、スネアドラムの音ですね。とても躍動感があります。MP3といった圧縮音源では、ここまでの音の広がりは感じられません。また、当時とは、レコーディング機材の発達度合も違うので、ハイレゾでその迫力はもっと増していますね」。(内沼氏)
「そう、ハイレゾで聴くと、やっぱりスネアですよね。内沼さんには、当時私が録音した曲を、こんなに格好良く仕上げていただいて、聴くと涙が出ます。冒頭のピアノの音も、より印象的に加工されて、全く古さを感じさせない、ごきげんなサウンドに仕上がっています」。(菊地氏)
『スローモーション』発売当時は明菜さんの声の瑞々しさと、圧倒的な歌の上手さがあまりに鮮烈で、曲を構成する楽器それぞれの音の多彩さ、アレンジの格好よさにまで気が回っていなかった。しかし今回、お二人と一緒に改めて試聴したおかげで、ヴォーカルを含むすべての音の完成度の高さに気がつくことができた。というのが、「大人のソニー」編集部の感想だ。

まるで、ハイレゾで聴くために天が与えた声。

レコーディングの際、一度、アドバイスするだけで楽曲を自分のものにしてしまったという明菜さん。

「あと、彼女が生まれながらに持っている素質として、魅力的な低音の声があります。そのヴォーカルが、倍音まできれいに出ていることが、ハイレゾだと周波数が伸びて、よりよく聴こえますね。次に、倍音のよさが分かるという意味でも、ぜひハイレゾで聴いてほしいのが、収録されている『駅』です。これも、明菜さんの声質が抜群なんです」。(内沼氏)
「特に聴いてほしいのは、サビの部分を抑えて歌うところですね。本当は声を張って歌い上げたいところを、あえて引いて歌う。人って、本当に相手を説得したいときは、低く声を抑えて言うじゃないですか。そういう表現ができるのは、明菜さんしかいないですね。その余韻とか空気感を表現できているのが、ハイレゾらしさ。それがないと、情景をイメージできない。MP3などで聴いたら、こういうアーティストの表現力には気づけないと思う」。(菊地氏)
「もともと日本人の声には、高調波成分が少ないんですけど、明菜さんは多い。それをハスキーな声っていうと良くない印象で捉える人もいますが、そうではなくて、良い低音の声。ハイレゾで聴くと、明菜さんの高調波が気持ちいいんです。音楽が本来持つダイナミックレンジ(小さい音と大きい音の差の大きさ)を損なわずに再現できるハイレゾならではですね」。(内沼氏)
「大人のソニー編集部」もよく知らなかった"倍音"という概念。倍音を簡単に説明すると、「基本となる音の周波数の倍の周波数を持つ音」のこと。人間が普通に意識できるレベルの周波数ではないのだが、この倍音が多く含まれているほど、なぜか、豊かで心地よい音だと感じ、さらに、キレもよく感じられる。デジタル化した音源では周波数が制限されるがゆえに、倍音がカットされてしまうことも多いそうだが、高解像度でCDの3倍の情報量(96kHz/24bit)を持つハイレゾなら、その心配はない。...と、言葉で説明するのはなかなか難しい。だからこそ、みなさんにもとにかく一度、聴いてみてほしいのだ。独自開発のHDハイブリッド3ウェイドライバーユニットを搭載し、深みのある重低音から高域の響きまで広帯域再生を実現できるインナーイヤーレシーバー「XBA-H3」ならハイレゾ音源に対応しているので、その良さを余すところなく表現できる。明菜さんの天性の声の素晴らしさが、きっと伝わるだろう。

声の色気を、いっさい逃さない。

中森明菜「難破船」

次にお二人が選んだのは『難破船』(1987年)だ。
「楽曲ももちろんいいのですが、編曲が、若草恵さんで、しびれるんだよね」。(内沼氏)
「私も大好きな曲です。ハイレゾだと、弦楽器の音が、より伸びやかに感じますね。この曲を、MP3などで聴くと、彼女の声が持つ倍音の"色気"みたいなものが、聴く人にうまく伝わらないと思いますね」。(菊地氏)
「我々は別にMP3が悪いと言うつもりはないけれど、あれは音楽を探すときの"情報"としてサンプル活用してもらえばいいんですよね」。(内沼氏)
『難破船』のように、1曲の中で、壊れそうなほど繊細なパートからダイナミックな展開を遂げる曲を堪能するのに、ウォークマン®「NW-F880」シリーズはピッタリだ。モバイル機器向けに最適化されたソニー独自のフルデジタルアンプである「S-Master」を、さらに、ハイレゾリューション・オーディオフォーマットに対応させた「S-Master HX」は、小音量から大音量までディテールを維持したまま高音質で聴くことができる。そして、低音のエネルギー感やスピード感も、中高音の包み込むような空間の広がりも、両立している。

現代ではめったに聴けない、生オーケストラ録音。

セカンド・ラブ

中森明菜
「セカンド・ラブ」

「あと、弦の音がいいと言えば、『セカンド・ラブ』(1982年)も、生の弦楽器での伴奏が入っています。当時、私が録音に参加したので、現場で"生音"を聴いた一人ですが、今、こうやってあらためてハイレゾで聴くと、ダイナミックレンジを損なわないハイレゾ音源だけに、当時のミックスがとてもよく再現されていると感じます」。(菊地氏)
「オーケストラを使った録音なんて、今ではとても無理ですしね。でも当時は普通のことでした。当時の"普通"が今ではどれだけすごいことか、それを体験する意味でも、ハイレゾで聴く価値があるんじゃないのかな」。(内沼氏)

ハイレゾが、時代を超えて人をつなぐ。

「最近、高校生でも高級なイヤホンやヘッドホンを買うんだそうですね。そこにはきっと、「もっといい音を聴きたい」っていう願望があるんだと思うんです。だからハイレゾ音源がもっと普及すれば、これまで圧縮された音を"音楽"だと思って聴いてきた人たちが、よい音をまた聴くようになってくれる。ハイレゾには、そういう橋渡し役になってほしいと期待しています」。(内沼氏)
「ハイレゾの需要が高まれば、音作りにもっと予算をかけられるようになりますし、我々エンジニアも、よりよい音をみなさんに届けられる。楽しみですね」。(菊地氏)
デビュー間もない頃の素顔の明菜さんについて、お二人は、「普段は可愛らしい女の子。それが、歌うと一変して、大人の女性になった」と語る。今回、「大人のソニー」編集部が脱帽した、デビュー当時17歳だったとは思えない明菜さんの歌唱力と、楽曲の世界を瞬時に理解して声に込めることができる表現力。今の10代が聴いても相当なインパクトを残すのではないだろうか。時代を超え、人と人をつなげてくれるハイレゾ。次はどんな音が、今までにない経験を私たちに与えてくれるのか期待しよう。

ハイレゾ音響を聴くなら..
  • 密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-H3
  • ウォークマン®Fシリーズ[メモリータイプ] NW-F880 シリーズ

超高音域再生を可能にすることで、レスポンスの早いパワフルな低域から解像度の高い高域まで、表現力豊かな広帯域再生を実現 ハイレゾ音源の息づかいや空気感を体感できるハイレゾ対応ヘッドホン「XBA-H3」と、モバイル機器向けに進化したフルデジタルアンプ「S-MasterHX」を搭載し、ハイレゾ音源の再生帯域におけるノイズ除去性能を改善した、「NW-F880」シリーズ。

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  • NW-F880シリーズ 商品詳細はこちらから

2014年4月〜2015年3月にご紹介した商品です。ご紹介商品がすでに生産完了の場合もございます。
商品について詳しくは、ソニー商品サイトをご確認ください。

内沼 映二

レコードメーカーの「テイチク」「ビクター」「RVC」録音部を経て、1979年にレコーディングエンジニア集団の(株)ミキサーズラボを設立。石川さゆり、鷺巣詩郎、冨田勲、角田健一ビックバンド、ピンク・レディー、前川清、近藤真彦ほか、数多くのアーティストを手がけ、そのキャリアは40年を数える。

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菊地 功

ワーナー・パイオニア、ワーナーミュージック・ジャパンほかを経て、現在、ミキサーズラボ。中森明菜、中村あゆみ、浅香唯ほか、数々のアーティストを手がけているマスタリングのプロフェッショナル。

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文/日経エンタテインメント!編集部

ハイレゾ音源とは?

一般的にオーディオ用のデジタル信号は、原音となるアナログ信号を一定時間ごとに標本化(サンプリング)し、それを量子化することで作られます。サンプリング周波数とは、1秒間に何回標本化作業を行うのかを表すもので、単位は「Hz」です。サンプリング周波数が高いほど得られる情報が多くなり精度は上がります。

サンプリングされた時点でのアナログ信号レベルをデジタルデータで表現することを量子化と言いますが、どれくらいの精度で読み取るのかをビット数で表しており、単位は「bit」です。bit数が高いほど、原音からより忠実に変換することが可能となります。

サンプリング周波数とbit数それぞれの数値が大きくなるほど、原音の再現性に優れ、微細な音の変化や音の余韻までも表現することが可能となります。ハイレゾ音源では、CDの「44.1kHz/16bit」規格を超えるものを指し、「96kHz/24bit」と「192kHz/24bit」が主流になっています。

従来から配信している圧縮音源では伝えきれなかったレコーディング現場の空気感やライブの臨場感を、ビット数の高さにより、楽器や声の生々しさや艶(つや)などのディテールに触れてより感動的に体感できます。

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