ピクチャーモニター『PVM-X2400』について、撮影現場の最前線で活躍されるDIT(デジタル・イメージング・テクニシャン)の視点から、ワークフローを交えた具体的な活用方法をお伺いしました。
PVM-X2400 Case Study | On-set Workflow of DIT Sou Tony Naoi
※InterBEE2022セミナーのインタビューをまとめた動画です。
フィルムミッション合同会社
CEO&EDIT 直井 聡様
■略歴
高井祐二氏に師事した後渡米、現地での映像制作とDITを学ぶ
帰国後フリーランスとして活動した後会社設立、チームでDIT業を行う
■現在の仕事
主にコマーシャルなどの広告映像にてDITを行いながら、映画、ドラマにも関わる
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(テロップ)
Digital Inage Technician × PVM-X2400
(テロップ)
Film.MISSION,LLC CEO/DIT SouTony Naoi
(フィルムミッション合同会社 CEO/DIT 直井 聡氏)
(直井さん)
今僕は主にコマーシャル、広告映像系であったりミュージックビデオだったりというところのDIT業務を主に活動しておりまして、最近では映画であったりドラマであったりというところにも、協力をさせていただける機会が増えてきて、これからもうちょっと自分の中でも、この日本のために業界の底上げができることはないかと思って、活動しております。
ちょうどWOWOWさんのドラマを制作に携わらせていただいておりまして、でちょうどそこでPVM-X2400を使わせていただいてるので、今日はちょっとその作品について、ワークフローとかも含めてご紹介させていただければと思っております。
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(直井さん)
通常ですと、まずDIT CARTに映像を入れて処理をした上で、ビデオアシストに映像を渡すということをうちではやっているのですが、今回の作品ではそれを逆にしていて、かなり、移動が多いであったりとか省スペース化しなきゃいけないということで、その時間を、DIT CARTを設営したり運搬したりっていう時間をちょっと削減したくて。その時にどんな環境でも使えるというのがかなり大きくて。
まず輝度がめちゃくちゃ明るくて。通常、普段はガンマ2.4の状態で見てるんでけど、HDRモードが2.4の中にあるので、その切り替えが結構楽で。やっぱ本番の時にはテント、自前で持ってるDIT CARTにつくテントがあるので、それでこう周りを覆って環境を整えて暗くするんですけど、それ以外の時はテントをめくっておいて、その時でもちゃんとしっかり確認できるし。
カメラのダイナミックレンジ、そのログであったりRAWであったり、そういったところのレンジをどう使えてるかっていうところを、主に見ているので。それはフォルスカラーも一緒で、つながりであったりとかAカメ・Bカメ、今回のようにカメラの機種が違う場合とか、ウェーブフォームを横で並べて、明るさを調整したりだったりとか。同じ明るさになるべきところでカメラ設定を同じにしてもならない場合っていうのがあるので、同じ状況に持ってく。その一つのエビデンスとして、ウェーブフォームであったりフォルスカラーを使うことが多くて。で今回PVM-X2400は、そのウェーブフォームがちゃんとライブで出るようになっていたので、大きく表示もできて画面と同じサイズで、画像見てもらったら分かると思うんですが、見れるので。そのどこがどこかっていうのがすごくわかりやすくなっていて。
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(直井さん)
そういった機能のおかげで、その今回は、そのDIT CARTを全部出さなくても、例えばロケーションですごく狭い場所に入る時だったりとか、入動線が狭い時間がない時とかは、もう本当にこれだけ持っていけばあのある程度は仕事ができてしまう
で、スピーカーもかなり改善していただいてて。現場で本番前は音を出して、みておいて本番に行く時にミュートにしてしっかり音がそれまで聞こえているので、その他の作業だったりいろんな確認作業していても、「あ、現場がどういう状況なんだ」っていうのはすぐ録音部さんの音で分かりますし。まあすごい細かい部分ではあるんですけど、すごく使いやすくて。
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(直井さん)
で、もともと僕はその、ずっと(PVM-)A250を使ってきて、(PVM-)A250しか使ってない、それしか信用しないという考え方でやってきたんですけど、変な話これがPVM-X2400が出た時も、パネルがLCDになったっていうことで。
(インタビュアー戸梶)
そうですね。
(直井さん)
有機EL信者だったので、使うことはないかなと思っていたんですが、実際そのご紹介いただいて見た時にすごく綺麗で、その黒の具合っていうのが懸念点としてあったんですが、あの、これもしかしたら気にならないんじゃないかな、もちろんその、黒の具合で言うと(PVM-)A250とは違うんですが、その他の部分でその上回るメリットがあるのではないかと思って、ちょっと1個買ってみようと思って、購入させていただいて。
で、実際運用していくと、下手するとPVM-A250より上だなと、今まで僕が信じてきたもの以上だな、というようなものがあったので。このラインナップでこれを出してもらったっていうのが僕としては、かなり現場として効率が上がって良かったなと。
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(直井さん)
僕は、その、さっきも一瞬フォルスカラーの話出たと思うんですけど、フォルスカラーをすごい使うんですね。それはその明るさだけでなくて、繋がりみたいなところで、ウェーブフォームだったら多分肌の色がどこがどれだったかっていうのを解読しないといけないんですけど、フォルスカラーだともうそれだけで。(PVM-)A250だと、(PVM-)A250があって波形モニターがあってフォルスカラーモニターがあってって、こう結構モニターだらけになってしまうんですが、それがキュッと一個にまとまるってのは、すごく楽で。今WOWOWのドラマでっていうような形で、ここにフォルスカラーも入っているとすごく効率が良くて。
その、いろんなスコープ機能というのがあればあるに越したことはなくて、DITなんてフォーカス機能いらないでしょと思われる方もいるかと思うんですけどたまに使うんですよね。
設定コピーできるとやっぱり複数使う時、楽で。
モニターのキャリブレーションに関しては、すごい僕は大切だと思っていて。PVM-A250の時代から、アメリカにいた時からキャリブレーションは、よく、まあ自分ではせずにちゃんと業者の人にお願いして。キャリブレーションってすごい大切で、現場で何が正しいんだってなった時に、「これが正しいです」って自信を持って言える。「おそらく正しいです」とか「自分の中でまあほぼ合ってるよな」ではなくて、「これはキャリブレーションしてるから編集室と一緒です」っていう、断言できるっていう。ただそれだけかもしれないですけど、それがかなり大きくて、自信にも繋がって。それはやっぱあの現場の人たちにとっても安心感につながると思うので。現場のひとつの基準としてはちゃんとキャリブレーションされたモニターで現場でライティング、色を見ていて、それを編集室でも同じ環境で見れてるっていう、同じもので現場から一貫して、ワークフローとしても成り立たせられるっていうのが、かなり僕の中ではうれしいところっていうか、必要として意識してやってるところですね。
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(テロップ)
What is DIT?
(DITとは?)
(直井さん)
僕の中ではDITというのは技術職というだけではなくて、技術を使って皆に快適な環境をお届けする、つまりサービス業だと思っているので、現場のスタッフ皆さんが役者さんも含めて快適にストレスのない環境を作ることによって、クオリティーの底上げをしていく、そんな職業がDITだと僕は思っております。
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