スピルバーグ監督が、わずか56日間の猛スピードで撮った『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』だが、リキミのなさが軽快感を生んで、おもしろい!監督自身、楽しんでいるのが伝わってくるような作品だ。
驚いたのは、この愉快な「子供の犯罪」が実話だということ。10代の詐欺師に扮したレオが、パイロット、医師、弁護士になりすまして、偽造小切手で世界を股にかけて荒稼ぎする。対するトム・ハンクスは、執念のF.B.I捜査官で、レオを追跡しているうちに親子関係にも似た友情が芽生えるのだ。
レオは「失われた幸せ家族」のイメージから抜け出せない純な少年である一方、天才的なうそつきでもあるというヒネった役柄にフィットしている。そう、彼の魅力は、子どもっぽいが一筋縄ではいかないところにあるのだ。それにしても、レオ、ミルクが似合いすぎ。自慢の両親のダンスを、幸せそうに見つめる彼の手には、ミルク。パシッとパイロットの制服でキメて、スチュワーデスに頼んだ飲み物も、ミルク。また「スゴ録」の高画質で見るレオのお肌が、ツルスベなのよ。撮影時は28歳のレオだけど、16歳の役に違和感なし。ミルク効果ありのお肌、要チェックだ。
それと、本作は60年代の気分を当時のヒット曲で盛り上げているのだが、フランク・シナトラやナット・キング・コールの伸びやかな歌声が満喫できる。「スゴ録」の高音質がさらにその効果を高めて、ノリの良さを実感できた。 |