映像制作機材 | HDCAM
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武蔵野美術大学 造形学部 映像学科様
 
武蔵野美術大学 様  
武蔵野美術大学 造形学部 映像学科 様は、2005年9月に映像制作の実践的な教育の場として運用してきたスタジオ設備(収録・編集・MA)をデジタルハイビジョン対応とされました。そこではHDCAMが採用されており、HDCAMカムコーダーHDW-730、HDCAMレコーダーHDW-M2000、マルチフォーマットスイッチャーMFS-2000と編集機BVE-2000などによるスタジオサブ/リニアHD編集システムなど放送用と同等のシステム・機器が導入されています。
高品質のデジタルハイビジョン映像を使った総合的な映像制作学習が、2006年4月より本格的にスタートします。
武蔵野美術大学 造形学部 映像学科
武蔵野美術大学(1929年創立)が、1990年に造形学部に総合的な映像制作教育を目指して新設した学科。全国の美術大学で初めて「映像」を学科名に冠し、ビデオ・映画・アニメーションなどの専門教育を実施している学科として知られています。1991年に当時の放送レベルと同等のデジタルコンポジット(D-2)フォーマット採用の本格的なスタジオ設備が完成。実際にドラマ制作を行うことで総合的、かつ実践的な映像制作を学ぶというユニークな教育が創設以来一貫して行われており、卒業生の多くが幅広い映像制作の分野で活躍しています。
http://eizou.musabi.ac.jp/
 
  映像学科 助教授
篠原規行様
武蔵野美術大学 造形学部 映像学科(以下、映像学科)様の特長として、映画やドラマ、アニメーション、CG、メディアアート、そして写真など幅広い分野の映像世界を総合的に学習できること。そして、学生達が実際に放送レベルの機材を使って映像制作を行うことで、創造的かつ専門的な知識と技能を修得できる点があります。こうした実践教育の場として重要な役割を担っているのが、スタジオ、スタジオサブ、編集システム、MAルームなどの映像制作設備です。


具体的にどのような実習が行われているのかを、映像学科 篠原規行先生に伺いました。
「映像制作の基本を総合的に学ぶためには、ドラマ制作が最も適しているというのが学科創設以来の基本ポリシーで、学生達に実際にドラマを制作してもらっています。現在、2年生で必修科目として6週間、3年生では選択科目として13週間の実習がカリキュラムに組まれています。この期間にスタジオでの演出や撮影、照明、収録後の編集・加工、さらにナレーションや音響効果を加えて作品として仕上げるMA作業まで、制作の全体を経験することで、総合的な知識と専門的な技能を習得していきます。使用する機材やシステムに放送用レベルと同等のデジタルコンポジット(D-2)フォーマットを採用したのも、より実践的な教育を目指した姿勢の現れといえます。」


このD-2フォーマット対応のスタジオ設備が、2005年9月にHDCAMフォーマットの採用で先進のデジタルハイビジョン設備に更新されました。篠原先生は、時代に合った高品質のメディアを他に先駆けて導入することは、映像教育のパイオニアとして当然の選択であったとお話しになっています。
「更新の契機は、設備の老朽化ということもありますが、HDでの作品つくりがこれから中心になっていくという考えもあってです。つねに放送レベルのクオリティーで実習教育を目指してきた当学科にとっては、今回のデジタルハイビジョン対応は、ごく自然な選択であったといえます。」


デジタルシネマや地上デジタル放送など、ハイビジョンは今後さらに幅広い映像分野に普及していくと想定されます。今回の映像制作設備の更新は、そうしたハイビジョン時代に通用する創造的かつ専門的な知識と技能を持つ人材を育成するために不可欠だったといえます。今回の設備の更新に伴い、HDCAMカムコーダーHDW-730、HDCAMレコーダーHDW-M2000など、すでに地上デジタル放送でも幅広く活躍するHDCAM機器が多数導入されました。
 
株式会社NHKテクニカルサービス
シニアマネージャー
倉内一寿様
 
設備の企画や運営、システム設計などは株式会社NHKテクニカルサービス シニアマネージャー倉内一寿様がサポートされています。倉内様はHDCAMを採用された理由として、放送レベルでHDCAMがデファクトスタンダードとなっている点をあげておられます。
「篠原先生がお話になっているように、このスタジオ設備は当初から放送レベルのシステム、機材で運用されています。デジタルハイビジョン対応にする上でもコンセプトは同じですから、採用するフォーマットも放送レベルで広く普及しており、高く評価されていることが条件となります。そういった観点ではHDCAMだろうと思っていました。民放局での採用実績をみても、HDCAMはデジタルハイビジョンのスタンダードになっていますから、安心して選択することができました。」


また、倉内様はHDCAMのラインアップや周辺機器が充実している点も評価されています。 「今回の設備更新では、デジタルハイビジョン対応だけでなく、フルデジタル化とネットワーク化も重視しました。スタジオ、収録・編集、そしてMA設備のある階がそれぞれ異なっており、高品質のハイビジョン素材を自由に伝送できるように工夫しました。同じメーカーでシステムを組んだ方がインターフェースの部分を含めて信頼性・安定性が高くなります。」
   
  スタジオ収録や編集が行われるイメージングコクピット(スタジオサブ)。収録素材を確認するピクチャーモニターには液晶モニターLUMAが採用されています。   マシンルームに設置された3式のHDCAMレコーダー HDW−M2000
12号館1階のビデオアトリエ(スタジオ)で行われるドラマを収録・編集するのが2階にあるイメージングコクピット(スタジオサブ)です。この部屋のマシンルームにはHDCAMレコーダーHDW-M2000が3台設置され、高品質のデジタルハイビジョン素材を収録します。しかもマルチフォーマットスイッチャーMFS-2000と16入力/16出力のマルチフォーマットルーティングスイッチャーHDS-X3400でビデオスイッチャーを構成することで、10ヶ所に設けられたリモートパネルからスイッチャーを制御できるようになっています。HDW-M2000は5階にあるサウンドアトリエ(MAルーム)にも設置されており、MAもデジタルハイビジョン対応になっています。もちろん、ネットワーク化により収録素材をわざわざ5階まで運ぶ必要はありません。
また、MFS-2000の横には編集機BVE-2000が設置され、シーンとシーンをつなぐカット編集などでテープ編集を有効に活用しておられます。その他の編集設備として、ハイエンドのノンリニア編集機も導入されています。
 
  ドラマ制作のロケーション撮影などで使われるHDCAMカムコーダーHDW-730
なお、ロケーション撮影で運用するためHDCAMカムコーダーHDW-730が1台導入されており、篠原先生にその導入の目的についてお話しいただきました。
「2年生のドラマ制作の授業はスタジオ収録のみですが、3年生になるとロケーション撮影もあり、そこでHDW-730を使う予定です。ほかに博士課程の学生が個人的に作品づくりなどを行う際にも貸し出す予定です。自分の研究理論を実際の作品づくりで検証したり、あるいは撮影を通して具体的な映像理論を構築していく上で、有効なツールになるのではないかと期待しています。」
HDCAMを採用した新しい映像制作設備の運用計画を篠原先生に伺いました。
「4月から7月にかけて映像学科のドラマ制作の授業に使い、11月から12月は空間演出デザイン学科のテレビセットづくりを学ぶ学生も使用します。映像学科の大学院生と4年生が個人制作で使うこともありますし、ほかにも必要に応じて稼働することになります。」


くわえて、新しい映像制作設備のハイビジョン化により、学科に対する関心あるいは、学生達の創作意欲が高まってきていることを篠原先生は評価されています。
「映像学科ではまだ未使用の段階ですが、今回のハイビジョン化で学生達の創作意欲が高まっているのは間違いありません。実際に使うのは2年生からですが、個人的には、できれば早い時期にこのような機材に触れさせたいとも思います。それがこれからの学習や制作活動に対する動機付けになれば、学習意欲がさらに高くなるのではないかと考えるからです。」


抽象映像を専門にされている篠原先生ご自身のHDCAMに対する評価や期待もかなり高いようです。
「僕の専門領域である抽象映像では、映画やドラマの世界と違って、映像のクオリティー自体が作品の質と必ずしもイコールになるわけではありません。わざとクオリティーの低い映像を使って表現することもよくあるからです。しかし、HDCAMのこのクオリティーの高さを抽象映像の世界でどのようにイメージに結びつけていけるかを考えると、期待も大きくなります。」


学生達のオペレーションをサポートすることもある倉内様も、HDCAMの高精細な画質や16:9の画角による画づくりに大きな可能性を感じています。
「11月にテレビセットの収録に使用した空間演出デザイン科の学生にも、HDCAMの画質の良さは評判でした。また、すでに博士課程の学生が個人の作品制作でHDW-730を使っていますが、やはり高精細な画や、16:9の画角で構図がとりやすいことなどを高く評価していました。これからは、試写室のような上映設備の充実が今後の課題になるかもしれません。やはりHDCAMの高品質な映像で作った自分たちの作品を大画面で見てほしいと思います。」


デジタルハイビジョン対応の設備を使った映像学科の授業は、2006年4月にスタートします。HDCAM機器を使った効果的な実践教育で、いよいよ本格化する地上デジタル放送時代、デジタルシネマ時代を担う人材が続々と誕生するものと期待しています。
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