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ケーブルテレビ徳島株式会社様
HD基幹フォーマットにHDCAMを採用、2006年12月よりコミュニティーチャンネルでハイビジョン放送・サイマル放送を開始
  笹田正伸様   佐々木治之様
  笹田正伸様   佐々木治之様
ケーブルテレビ徳島株式会社様は、HD基幹フォーマットにHDCAMを採用し、2006年12月よりコミュニティーチャンネルでのハイビジョン放送・サイマル放送を開始されました。同社取締役映像開発部長笹田正伸様、取締役技術開発部長佐々木治之様に、ハイビジョン放送に向けた取り組みや、開始後の稼働状況、HDCAM機器やシステムについての評価などを伺いました。
ケーブルテレビ徳島株式会社 ケーブルテレビ徳島株式会社
1990年、徳島県・徳島市に開局したケーブルテレビ局。愛称はテレビトクシマ。現在、徳島市を中心とする5市町村、約72,000世帯の契約世帯に地上/BS/CSのケーブルテレビ、ブロードバンドインターネットサービスを提供しています。
開局以来、「市民に身近な情報、話題を提供するテレビ」、「市民が参加できるテレビ」をポリシーに自主制作であるコミュニティーチャンネルに注力されています。
2006年12月に、全国のケーブルテレビ局に先駆けてコミュニティーチャンネルでハイビジョン放送、サイマル放送を開始。自社で制作する番組は、ほぼ100%HD制作となっています。
http://www.tcn.jp/
徳島の地上デジタル放送開始時期に照準を合わせて局内設備を段階的にHD化

当社がハイビジョン放送に向けた準備を開始したのは2004年ですが、それ以前から設備の更新に際しては将来のHD化を前提に機種選定を行っていました。2001年に導入したノンリニア編集システムXPRIや送出サーバーも、バージョンアップでHD化に対応できる点が決め手となっています。

2004年に入り、徳島での地上デジタル放送開始が2006年10月と決まりましたので、この時期に照準を合わせて段階的にHD化を推進してきました。2006年1月にHDCAMカムコーダーHDW-750を導入したのを皮切りに、2006年4月にはHD基幹フォーマットとしてHDCAMを採用。7月にはXPRIのHD化、中継システムとしてHDC-1500を4式と大型レンズアダプターHDLA-1500、スイッチャーのMFS-2000などを、局内のHDシステムに先行して導入しました。

この先行導入は、2006年8月の「阿波踊り」の中継で運用するのが目的で、開催中は1日3時間の中継・取材映像をすべてハイビジョン撮影しました。最終的な放送はダウンコンバートしたものでしたが、地域の視聴者の方々からは、映像がきれいだったと大変好評をいただきました。

4式のHDC-1500と大型レンズアダプターHDLA-1500、スイッチャーにMFS-2000を採用したHD中継システムを先行して導入。写真は旧車両で新車両は2007年7月に完成。
取材のほか、スタジオや中継でも活躍中の2式のHDCAMカムコーダーHDW-750。
2006年12月から予定通り、ハイビジョン放送・サイマル放送を開始

2006年9月には、MediaVenueとVSR-2000を使ったサイマル放送のための送出システムも完成し、エンコーディングの実証テストなど社内的な検証を経て予定通り2006年12月から、ハイビジョン放送・サイマル放送を開始しました。

現在、自社で制作する番組のほぼ100%をHD制作し、ハイビジョン放送しています。ハイビジョンならではの高精細で、臨場感あふれる映像は視聴者から大変好評です。美術作品を紹介する「アートギャラリー」という番組や、そのほかにも高校野球、J2徳島ヴォルテスの試合などで細密かつ迫力ある映像美が威力を発揮しています。また、情報番組で紹介する料理や食べ物なども、本当においしそうに見えるといった声をよく聞きます。

SD運用時のワークフローやオペレーションはそのままに、HD制作を開始できたのでスムーズに移行

HD基幹フォーマットにHDCAMを採用したのは、大きく二つの理由からです。一つは、それまで当社はテープフォーマットとしてベータカムを採用しており、操作性や資料映像をそのまま継承できる再生互換を評価したこと。そしてもう一つは、ソニー放送機器の信頼性・安定性の高さを評価した結果です。

こうしたHDCAMの特性に加え、機器やシステムを段階的に導入したことでSD運用からHD運用へ非常にスムーズに移行することができました。たとえば、SD運用時は取材した映像をノンリニア編集システムXPRIで編集し、それをサーバーで吸い上げて送出していました。このワークフロー、あるいはオペレーションはそのまま変えることなくHD化したいと考えており、それはXPRIのHD化やMediaVenueを採用することで実現しました。制作スタッフはSDとHDという信号の違いを意識することなく、番組のHD制作が可能になっています。

また、取材・編集・送出に至るシステムの信頼性は期待通りに高く、安定した状態でハイビジョン放送・サイマル放送を続けています。

2001年に導入した3式のノンリニア編集システムXPRIをすべてHDにバージョンアップ。操作性・使い勝手はそのままに、スムーズなHD編集への移行ができました。日々に番組制作にフル稼働中です。
スイッチャーにMFS-2000(1.5M/E)を採用したリニア編集・送出卓。(写真・左)
MediaVenueとVSR-2000を使ったサイマル放送の送出システム。(写真・右)
2007年8月の「阿波踊り」は4日間の開催中、毎日3時間をハイビジョンで撮影、ハイビジョンで放送へ

徳島における最も魅力的な映像コンテンツは、やはり毎年8月に開催される「阿波踊り」です。前述しましたように、2006年は撮影こそハイビジョンで行いましたが、放送はダウンコンバートしたものでした。ですが、2007年7月にハイビジョン中継車も完成し、ハイビジョンのままで放送する予定です。

4日間の開催中、毎日3時間「踊り桟敷」に4式のHDC-1500を配置してハイビジョン生中継を行いたいと思っています。また、いろいろな桟敷での踊りの様子などはHDW-750を使って撮影した映像を挿入しながら、より魅力的な番組として視聴者に提供したいと考えています。2006年に放送したダウンコンバートした映像でも評判でしたから、ハイビジョン放送では、さらに臨場感あふれる映像を楽しんでもらえると期待しています。

また、デジタル放送のもう一つの特長であるデータ放送サービスも2007年6月に開始いたしました。ハイビジョン放送とはまた違う視聴者サービスにしていきたいと考えています。

ところで、当社では「阿波踊り」や高校野球などの取材・放送では、地域のケーブルテレビ局とネットワークを組んで共同制作しています。このネットワークに加盟する局には、HD化への取り組みが簡単ではないところも少なくありません。ソニーには、取材・編集システムだけでなく、共同で運用できる送出システムなど、ケーブルテレビ局のHD化をサポートする機器や提案を期待しています。

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