世界の電気・放送事情は 国や地域によってこんなに違います。
電源・電圧、プラグ形状
- 世界のプラグ形状は、約15種類もあります。
差し込み部分が2本のものや3本のもの、四角いものや丸いものなど、国や都市によってさまざまです。
- 日本と同じ電圧を使用している国や地域は、ほとんどありません。
AC100Vの電圧を使用しているのは、日本ぐらい。他の国や地域ではAC110〜240Vが一般的です。だから、もしプラグ形状が合っていても、電圧が合っていない海外で日本国内向けの電気製品を使用するのはとても危険です。
- 乾電池も、世界中で手軽に手に入るとは限りません。
単1〜単3の乾電池は、ほとんどの国や地域で入手できますが、それ以外の乾電池(単4乾電池など)は入手が難しいのが現状です。
ラジオ
- 放送電波の種類が異なると、ラジオは使えません。
世界で使われている主な放送電波は、長波(LW)、中波(MW・日本ではAMに相当)、短波(SW )、超短波(FM)の4種類があります。日本ではなじみの薄い電波も、国や地域によっては主流だったりと、使われ方は国や地域によってさまざまです。
- 同じ種類の電波でも、周波数帯域が違うと受信できません。
ラジオ放送の周波数帯域は、国や地域によって違います。たとえばFMの場合、日本は76〜90MHzを使用していますが、アメリカでは87.5〜108MHz。つまり、日本国内向けのラジオでは、アメリカの90〜108MHzを使用している局の放送は聞けません。ほかの3つの放送電波についても、同じようなことが言えます。
ラジオ放送電波(国/地域別)
テレビ
- 放送方式が違うと、画像も音も出ません。
走査線の数、映像電波と音声電波との間隔、音声変調方式などの違いにより、世界の放送方式は14種類もあります。A〜Nまでのアルファベットで表示されますが、この方式がその国や地域の放送方式にマッチしているテレビでないと、テレビ放送は楽しめません。
- カラー方式が違うと、カラー映像が楽しめません。
テレビのカラー方式は、NTSC、PAL、SECAMの3種類あります。カラー方式がその国や地域の放送方式にマッチしているテレビでないと、カラー映像が見られません。
- チャンネル方式が違うと、現地の放送電波を受信できません。
チャンネル方式は、それぞれのチャンネルの周波数が何ヘルツであるかによって分類されます。たとえば同じ4チャンネルでも、日本は171.25MHz、アメリカでは67.25MHz。この場合、日本国内向けテレビではアメリカの4チャンネルは見られません。
- ステレオ放送の方式も国や地域によって異なります。
ステレオ放送方式は、現在7種類あります。その国や地域の方式にマッチしているテレビでないと、ステレオ放送は楽しめません。また、2カ国語放送を実施している国や地域は、まだ少ないようです。
ビデオ
- カラー方式が違うと、録画済みテープは再生できません。
たとえば、日本で録画したビデオテープは、カラー方式が日本と同じアメリカやカナダでは再生できますが、カラー方式が異なるヨーロッパなどでは再生できません。
- 放送方式やチャンネル方式が違うとビデオデッキは使えません。
カラー方式はもちろん、放送方式、チャンネル方式が異なっていると、ビデオデッキは使えません。たとえば、アメリカと日本ではカラー方式と放送方式は同じですが、チャンネル方式が違うので、日本のビデオデッキは使えません。
- RF端子を使ってテレビと接続する場合は、周波数に注意が必要です。
ビデオをカラーテレビのRF端子に接続する場合は、RF信号の種類に注意。日本で使われているRF信号は、1チャンネル(91.25MHz)と2チャンネル(97.25MHz)ですが、この周波数はアメリカでは使われていません。ヨーロッパその他の国や地域ではUHFチャンネル帯域をRF信号として使っています。なお、映像/音声端子付きのテレビに接続する場合は問題ありません。
- 同じビデオテープでも、方式が違うと録画時間が異なることがあります。
ビデオテープなどの生テープはどの国や地域も同じ規格なので、どこでも使えます。ただし、同じ長さのテープでも、カラー方式によって録画時間が異なるので、注意が必要です。また、市販のビデオソフトは、録画時のカラー方式と同じ方式のビデオデッキでしか再生できません。
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