商品情報・ストア空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display) 事例紹介 株式会社HIKKY様

株式会社HIKKY様

空間再現ディスプレイをデジタルサイネージ およびVTuberがリモート接客する受付窓口に活用 顧客単価の飛躍的増加につなげた

株式会社HIKKY様は世界最大級のメタバースイベント「バーチャルマーケット」の主催と、バーチャルマーケットを現実世界で体験できるリアルメタバースイベント「Vket Real」の主催、Webメタバース開発エンジン「Vket Cloud」の開発を主軸に、独自性の高いXRソリューションを提供している会社です。今回空間再現ディスプレイをイベントでリモート接客に活用されたお話を事業開発担当 氏家氏にうかがいました。

*掲載内容は2024年11月時点のものです

「VketReal」とは

「VketReal」 は、XR関連のクリエイティブ活動およびコミュニティー活性化を主目的としたリアルイベントです。バーチャルマーケット(通称:Vket)は、世界でもトップクラスに人気のメタバース(VR上の3D空間コミュニティースペース)内で開催されるイベントで、VketRealはその世界観をもとにしながら、メタバースとシームレスにつながるような空間を目指しています。来場者を驚かせるバーチャル×リアルの作品が集い、メタバース、バーチャルのファンやクリエイターが交流するお祭りです。難しく聞こえるかもしれませんが、来場者に専門知識は一切不要で、ミニゲームをプレイしたり、アバター姿のVR住民と対話したり、Tシャツやアクリルキーホルダーなどの限定商品をその場で購入したり、どんな方でも気軽にイベントを楽しんでいただけます。
3回目の開催である、今回のVketReal 2024 Summerでは、秋葉原、渋谷、大阪の3拠点で実施し、2日間で計約5万人ものお客様にご来場いただきました。

株式会社HIKKYでは、メタバースイベントの企画・運営や、企業活用のコンサルティングを行っている

「しゃべって繋がるイマーシブストア」 企画のきっかけ

「しゃべって繋がるイマーシブストア」は、飛び切りの目玉展示として出店したスペースで、空間再現ディスプレイの魅力、可能性をふんだんに詰め込んだ企画です。
以前、空間再現ディスプレイを活用したコンテンツを展示するイベントがあり、ELF-SR2を縦に3台繋げて一つの大きな画面として見せるというコンテンツをソニーが実験的に展示しているのを拝見しました。その時、まるで大きな空間が窓越しに存在しているかのような感覚を持ち、インスピレーションを受けたことが着想のきっかけでした。
HIKKYはこれまでアバター接客というサービスを運用してきた中で、人の稼働をどう効率化できるかという課題を抱えていました。メタバースとつなぐ(多拠点同時接続を行う)ことが解決策になるのではないかという発想は浮かんでいたのですが、空間再現ディスプレイを活用することでソリューションイメージが一気に形になりそうな感覚を持ちました。

右から二番目 株式会社HIKKY 事業開発担当 氏家氏

「しゃべって繋がるイマーシブストア」の制作工程

クリエイターと共に思いついた企画はすぐに絵に書き出し、コンセプトについて議論していました。
秋葉原、渋谷、大阪のリアル会場に空間再現ディスプレイを配置する。ディスプレイからは、メタバースに接続したVTuberが立体映像で飛び出し、まるでそこにリアルな窓口があり、アバターが実在するかのように会話ができる。
一方で、VTuberはもちろん本当にそこにいるわけではなく、自宅やオフィスなどそれぞれの配信スペースからメタバースに接続している。3拠点に対して、2名のVTuberが順次窓口に顔を出すことで、3拠点間もつながって見えるし、人の稼働も効率化(省人化)できる。VTuberはシフト制で、入れ替わり立ち代わり出勤してくる。
お客様はメタバースの窓口でグッズを購入するが、商品の実物はリアルに召喚されて、お客様の手元に届く。スマイルゼロ円を購入すると、記念写真を撮影し、持ち帰ることができる。
このように、実装を開始するまでにイメージがものすごく膨らんでいました。
技術的にはチャレンジングな開発アイテムがたくさんありましたが、実開発期間はわずか1.5カ月で実装完了することができました。これはメタバースやバーチャルでこれまで活動してきたエンジニアやクリエイターにとって、このアイデアがいかに自分ごととして面白く、やってみたいものであったかの表れだと思っています。
実装した主な機能は以下です。メタバース空間と空間再現ディスプレイとを接続した際の映像調整、立体視映像のリアルタイムレンダリング、メタバース上で商品を選んで現地のお客様の決裁を促す機能、来訪者と記念撮影した写真をQRコードからダウンロードできるようにする機能、他拠点の窓の向こうが低遅延に接続され相互に見えている機能。それぞれ空間再現ディスプレイや外部サーバーに関わるバックエンド部分や、フロントエンド側のUI実装を施しました。 なお、取り扱うデータは基本的にGLB形式を使用しました。(GLBだとテクスチャの参照が外れることが少なく、制作がスムーズなため)

秋葉原、渋谷、大阪の3拠点がメタバースを介してリアルタイム接続
ユーザーは、仮想と現実が融合した不思議な体験へと誘われる

「浮き浮きサイネージ」の制作工程

このブースにはもう一つ、非常に大事なポイントがあります。
「しゃべってつながるイマーシブストア」は、VTuberのファン、メタバースのファンがこぞって来訪いただけるスペースではあるものの、イベント会場で新たなお客様を誘客する機能も必要だと考えていました。そこで用意したのが「浮き浮きサイネージ」です。
イマーシブストアの制作に着手し始めた頃、ソニーから3D図鑑と呼ばれるコンテンツを紹介されました。これは奥行方向±0のポジション、ディスプレイ面に沿うように壁紙を配置し、その手前レイヤーに主役となる3Dオブジェクトを配置するというものです。
私たちはこれを見て、「何もない時は2D映像。目が合ったとき、突然3Dになって飛び出すデジタルサイネージ」という体験に昇華させたいと考え、すぐに企画、実装を行いました。
展示の上で2つの効果を生むことができたと考えています。1つは、誰も見ていないときは完全に平面になっているので、遠目から見たときも3D部分の破綻が起こらないということ。もう1つは、近づいて見ると突然飛び出して立体的になる演出が、魔法アトラクションのようで楽しいということ。空間再現ディスプレイはそもそもカメラで視聴者をトラッキングすることで立体的な表示を実現しているので、その仕組みを利用しました。視聴者がどの位置、どの角度で見るかによって3Dモデルの角度が変わるという仕掛けも入れており、より一層「そこにモノがある」体験を再現しています。写真では伝えきれずもどかしいのですが、目があった瞬間アクリルキーホルダーが飛び出し、キラキラ光り、メリーゴーラウンドのように揺れながら回転し、視聴者に浮き浮きした感情を呼び起こします。

通常は2D表示されているアクリルキーホルダーの映像が、視聴者を検知した瞬間に、手前方向に浮き上がり、動き出す

店舗としての販売効果

これらの店舗をベルサール秋葉原、Shibuya Sakura Stage、難波御堂筋ホールの3カ所にそれぞれ設置しました。接客するバーチャル側のスタッフからもご来場いただいたお客様からも「最高に楽しかった」「これを求めていた」「またやって欲しい」といった声を本当にたくさんいただきました。商業的にも、同店舗は通常の物販エリアよりも30~40%高い購入単価率*を記録し、新しいアバターワークの可能性を提示できたと考えています。
夏の大成功により商用展開を望む声を非常に多くいただいており、すでにいくつかの案件で実装に向けた協議を進めています。Vket Real同様に期間限定イベントや常設無人店舗、自動販売機としての活用に加え、小売りとは異なる相談窓口としてのご要望もいただいております。
空間再現ディスプレイとしてのソフトウェアの機能向上もどんどん追加されてきていますので、それをきちんとキャッチアップし、HIKKYらしく、ユーザー体験として取り込んでいけるように、クリエイターやエンジニア、そしてファンの皆様がわくわくするものをソニーと一緒に作りこんでいけたらと思います。
冬のVketRealでも、早速より進化した店舗を出店したいと考えていますので、もしよろしければぜひ足をお運びいただけると嬉しいです。

* Vket限定コラボ商品を比較

空間再現ディスプレイにより、VTuberやメタバース空間もリアルタイムに立体表示
人物の実在感やそこに世界が広がっている感覚が際立つ

ファンの感動、満足度が非常に高く、物販の売れ行きも非常に好調だった

ELF-SR2(27 型)

空間再現ディスプレイ ELF-SR2は、ソニー独自の視線認識技術により、裸眼のままでもクリアで色鮮やかな立体視を再現するディスプレイです。あたかもそこに実物が存在するかのような画像描写で、プロダクトのデザインにおけるイメージの制作や共有、商品プロモーションにおけるデザイン・機能訴求といった用途で、新たな可能性をもたらします。

空間再現ディスプレイ
ELF-SR2(27 型)

商品情報

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