日産自動車株式会社様
日産自動車は、「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」という指針の元に、商品およびサービスの提供を推進しています。
私はグローバルデザイン本部に在籍しており、デザイン開発におけるビジュアルの制作と管理、またプロセスのデジタル化を推進しています。
昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される中、世界中のさまざまなデジタルトレンドのベンチマークや、導入の検討などもあわせて担当しています。
私たちデザイン本部では、イノベーションの1つとしてデジタルシフトへの取り組みを積極的に行っており、世界規模で新しい情報を収集し、最先端のテクノロジーを貪欲かつスピーディーにクルマづくりに取り入れるチャレンジを行っています。そんな中、ソニーPCL株式会社様からこの「空間再現ディスプレイ(以下、SRD)」をいち早く紹介してもらい、ひと目見た瞬間に「これは使える」と感じました。
特に衝撃的だったのは、その立体感の自然さです。これまでも立体デバイスを数多く見てきましたが、その中でもこのSRDの裸眼で見られる自然な立体感、リアルな実在感は群を抜いていました。これまでの経験上、このような立体視のデバイスを目にする時、つい疑いの眼差しで粗探しをしてしまうことが珍しくありません。しかし、このSRDの画像を見たスタッフは誰もが、疑いをはさむ余地のないリアルな立体感や高精細さにひと目で思わず惹き込まれていました。また、ソフトウェアの開発によってさまざまな運用を想定した柔軟性や拡張性が期待でき、今後のさまざまな可能性を感じられるところも、今回導入を決意した大きなポイントです。
思わず目を奪われるほど自然でリアリティーあふれる立体感
どうすれば、このSRDの可能性を最大限に引き出せるか。具体的な活用方法はまだ社内で検討中ですが、試作中のデザインを異なる角度から立体的に見ることで、デザインのアイデアが膨らみ、新たな気づきが生まれることがありました。このように、我々ものづくりを行うクリエイターにとっては、クリエイティビティを刺激し発想を豊かにしてくれるのではないかと思います。
また、デザインを行う過程において、形状やたたずまい、色味や光と影など、さまざまな視点から事前にデザイン検証を行うことにも活用できるでしょう。そうすることで、モックと呼ばれる実物の模型を制作する回数を減らしてコストを削減したり、デザインのリードタイムを短縮したりすることにもつながっていくのではないかと期待しています。そうした活用法が今後確立されてくると、このSRDがクルマづくりの従来のプロセスを革命的に変えるゲームチェンジャーにもなり得る、と私は考えています。
さまざまな角度から立体的に見ることで
クリエイターのクリエイティビティや社内コミュニケーションを活性化
いずれは、ディスプレイの大型化やソフトウェアの改良を経て、たとえばクルマを1分の1のスケールで映してみたいですね。デザイン段階のデータをリアルタイムに表示し、形、色、環境を変化させながら使用できるようになると、さらにカーデザインが効率化されていくと思います。それが結果として、お客様によりよい商品やサービスを提供できることにつながると考えています。 そういう視点ではデザインだけでなく、設計・製造・販促・販売現場など、さらに幅広い分野で活用できる可能性を秘めていると思います。
今後も、革新的なクルマやサービスを創造し、その価値をすべてのステークホルダーにお届けするため、SRDが持つ可能性をこれからもウォッチしていきたいと考えています。
空間再現ディスプレイ ELF-SR1/BZは、ソニー独自の視線認識技術により、裸眼のままでもクリアで色鮮やかな立体視を再現するディスプレイです。あたかもそこに実物が存在するかのような実在感のある空間表現が、クリエイターのコンテンツ制作やデザインの確認をはじめ、美術館、博物館、イベント会場やショールーム、教育用途、店舗など、幅広い分野で新たな可能性をもたらします。
空間再現ディスプレイ
ELF-SR1/BZ