「スタイリスト チャンネル」では、ソニーストア直営店の店舗スタッフ「スタイリスト」が商品の詳しい説明や使い方を動画で紹介しています。
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新開発センサー搭載のSuper 35mmフォーマットCinema Line
カメラ『FX30』について、2022年10月4日(火)に、ソニーストア銀座よりLIVE配信を実施しました。当日の約1時間10分の配信では、FX30の魅力をAKIYA氏と商品企画担当の対談形式でお伝えしてするとともに、お客様からいただいたご質問にもお答えしました。
以下に当日のポイント・FAQをまとめました。クリエイター/商品企画担当が伝えるFX30の魅力をぜひこの機会にたっぷりとご堪能ください。
(AKIYA氏). まずはこの筐体がコンパクトなまま引き継がれているので、さまざまなバリエーションの撮影ができたという点が一番良かったポイント。小さいボディにもかかわらず、中身が高性能。4Kで120フレームの撮影が可能だったり、手ぶれ補正をアクティブモードにして補正の効いた撮影ができたりなど中身も充実したカメラになっている。ダンサーを撮影する際も、カメラをいろいろ動かしながら撮影していたが、このコンパクトさだからできたことでもあり、自分と体の一部になるような感覚で撮影できたことがすごく良かった。
(今川氏).FX3とそんなにボディのポイントは変わっていないが、だからこそ中のソフトウェアの使い勝手の部分はすごくこだわって進めていた。例えば、FX3のVer2.00にも搭載しているが、メインメニュー上で一括で設定値を即時に設定できる点は、特にクリエイターの方が現場で重宝される機能だと思う。
(AKIYA氏) ひと目でいろいろな情報を把握できる点が、すごく助かった。情報量を管理し易く、撮り逃しもなく設定もしっかりとできるので良かった。
(今川氏).今回Log撮影で撮影するモードが3つ搭載されている。1つ目はFlexible ISO、2つ目がCine
EI Quick、3つ目がCine EIになる。
まず、Cine EIとCine EI
Quickの大きく違う点は、ベースISOというものを意識して撮影を行うというところである。ベースISOで撮影を行うと、センサーの最大の性能を活かし、映像記録が可能。
また、Flexible
ISOとは、ISO値を柔軟に動かし撮影ができるモード。撮影環境で照明を自由に調整できない場所や、ISO値を使って明るくしたいという場所で使用できる。
(今川氏).先ほど説明を行なったLog撮影モードにあるFlexible ISOやCine
EIというものは、後の編集ソフトでカラーグレーディングを行い撮影していただくお客様やクリエイターの方の使い勝手を追求して作っているが、クリエイティブルックやピクチャープロファイルという機能は、カメラですぐに撮って出しですぐに素敵なルックの映像を撮影できる。
クリエイティブルックは、お手軽に素敵なルックに仕上げられるという機能。
ピクチャープロファイルは、今までソニーがリリースしてきたカメラの画づくりのパターンを登録してあるので、他のソニーのカメラと画を合わせたい、色を合わせたいという場合に使用できる機能。
(AKIYA氏).クリエイティブルックを実際に使ってみて、カラーグレーディング等を前提とするLog撮影というものは、動画を始めたばかりの方や、初心者の方には少しハードルが高く、自分自身も映像制作を始めた時は手こずっていたので、このようにすぐにシネマライクな画が出せるのはすごくいいなと思う。
(今川氏).今回発売されたFX30とFX3はセンサーのサイズが違う。まずFX3は、フルフレームのセンサーを搭載している。一方FX30は、APS-Cのセンサーを搭載している。比べると少し小さいことがわかるかと思う。センサー自体は小さくなっているが、センサーが小さくなったからといって必ずしもボディが小さくなるわけではない。実際にボディが小さくなっておらずがっかりしたという方もいるかもしれないが、ボディがFX3と同じことによるメリットは結構あると思っている。
例えばFX3用に今まで開発されてきたアクセサリーは引き続き使用していただける。今回FX30を購入いただく方は、既にいろいろなアクセサリーが販売されているという点がメリットのひとつになるかと思う。
(AKIYA氏). FX3を使用していた中でFX30を手に取った時に、直感的に操作ができたということがあるので、筐体が同じである点は使用できる人もその分増えるのかなと思う。FX30からFX3を使うというルートでも良いのかなというところがすごく良かった。
(今川氏).FX3にFX30からステップアップする方も、普段FX3を使用していてFX30を新たに使用する方も、非常に行き来しやすく、安心感をもって使っていただける。
お仕事として映像をやっていく方というのはこっち(FX3)の方がいいのかなと思います。逆に自分みたいに旅だったりそういうことが主な方は全然α7S
IIIでもいいですし、そういった使い分けかなと僕は思います。
(AKIYA氏).
自分自身がフルフレームのカメラをたくさん使用していたので、このようなAPS-Cセンサーのカメラということで少しだけ心配をしていた。実際撮影してみて、その不安を覆すような画質が出てくるので、全く心配しなくて良いカメラだと思った。それでいて、価格がかなり抑えられているので、新しく本格的に映像制作を行いたいという方が何の躊躇いもなく購入できるカメラであると思う。映像制作をこれから本格的に始めたい方はもちろん、逆にFX3や上位機種を使用している方でサブカメラとしていろいろな画角から撮っていきたいという方にも、サブ機として使用いただくには全く問題ないカメラだと思うのでおすすめしたい。
(スタイリスト 長村)
比較的金額もお求めやすい価格帯なので、カメラだけではなく、レンズなどの周辺機器の買い足しも良いかと思う。
(AKIYA氏). 映像を始める方はやはりカメラのボディだけでは終わらず、レンズやマイクやモニター、ジンバルなども必要になってくるので、そちらにコストをかけられるのはとても魅力的。
(AKIYA氏).ハード面とソフト面両方に良い部分があると思っている。まずはFX3とFX30はRECをするとタリーランプが赤く点滅してくれるので、数人の現場で撮影する際に、撮影者側からはもちろん撮られているモデルの方にも前から確認でき、上面にもランプがあるので、他の視点からも録画中であることが判断しやすい。
撮影中にはすごく助かるポイントだった。
あとは、パワーズームのダイヤルを使用すると、対応しているレンズであれば電動のズームができるので、表現の幅が広がる。また、ズームレンズに対応していなくても、ソフト側の機能でどんなレンズでも電子的にズームを効かせることができるので、その点もすごくいいなと思った。
そして個人的には、この値段と小型ボディでは考えられない画質がとてもきれいだったので、「日常に溶け込んでくれるシネマカメラ」であると思う。例えば出歩いている時に、ふといいなと思って撮った映像がまるで映画かのような画質になってくれるので、そういう意味でこのコンパクトさで映画が撮れるというところが良かった。
Cinema
Lineというところで、プロフェッショナルな業界用と思いがちだが、そういう用途だけではなく、一般の方が自分自身で見ている日常や、友人や家族の思い出などを素晴らしい画質で残すことができる。自分自身も旅行などで持ち歩いていたが、10年先20年先も見たくなるようなシーンをたくさん撮ることができたので、ありがたいなと感じた。
(AKIYA氏).内蔵のNDフィルターという設計があればすごく良いなと思う。
やはり日中の撮影では本格的にシネマのような動画を撮ろうとなると、どうしてもNDフィルターをレンズの先端に付けて撮影をする必要があるので、そういったコストや手間を考えると、FX6には搭載されていると思うので、それが引き継がれていたら良かったなと思った。
(AKIYA氏).個人的にはこのFX30が登場した時にかなり完成されているなと思っており、この1台があればいろいろなシーンに役に立つので、強いて言うとすれば、Vlogカメラというラインナップで、画質がこのFX30に近いような、さらにコンパクトなポケットサイズのカメラというものがいつか登場したらすごく見てみたいなと思う。
(AKIYA氏).
映像を始めた高校生の頃ダンスをしており、いろいろな大会に出る際にその思い出というかたちで、仲間と旅行気分で動画を残していた。その映像を編集していて自分の中ですごく楽しく、その時の頑張りが動画に残ることに友人たちがすごく喜んでくれたので、そこから動画を作るということの楽しさが始まった。大学でもゼミ活動やダンサーを撮影したりなど、記録として撮影したことが始まりだった。身近なものを記録する、カメラで人を撮影したり自分も撮ってもらったりした時に、それをすごく喜んでくれる方や家族がいて、人に自分の趣味で喜んでもらえたということがすごく良かった。身近なものを撮影してそこに喜びを感じることが一番初めは大切なことだったのかなと思う。
(今川氏).
自分は撮って始めたのではなく、見て始めたタイプだった。大学生の初めに、とあるクリエイターのYouTubeで、アクションカムやスマートフォンなどの身近な機材ですごくかっこ良い映像を作っている動画を見て、こんなに簡単に映像ってできるんだと驚き、自分でもやってみたいと思ったことがきっかけだった。
(今川氏).
人に見ていただいて感謝されたりももちろんそうだが、どちらかというと自分自身はアートとして楽しんでいる。自分の好きな雰囲気や音楽などを視覚として表現できる幅がすごく広いのが映像だと思っていて、それがすごく楽しい。好きな映画も多いので、そういった雰囲気を真似することが楽しいと思っている。
(AKIYA氏).
ほとんど同じことを思っているが、写真や映像は答えがないと思うので、その人の好み、センス、感性で突き進められるもの。自分が表現することにネガティブな要素が少ないものだと思っている。自由な自己表現を映像としてできるというところがすごく良いところだと思う。
(AKIYA氏).
すごく大袈裟に感じられるかもしれないが、カメラやレンズに人生を変えてもらった。ダンスというもので自己表現をしていたところから、カメラを使って表現をしていくフェーズに変わって今は仕事もさせていただいて生活をしている。カメラに出会っていないとその人生には辿り着かなかったと思う。また、カメラは人との出会いを生んでくれるものでもある。いろいろなところに撮影に行くことで、いろいろなロケーションや景色に出会えることができる。自分の過去の思い出を映像や写真に残していくことによって、自分は人生の幸福度が上がっていると思っている。過去の思い出や頑張っていた様子を残しておくことは、自分がメンタル的に落ち込んでいる時に立ち止まり、過去の自分を見てこの時頑張っていたなと思えるきっかけをカメラがくれる。トータルで見た時に、仕事や趣味は関係なく、人生が豊かになるなと思っている。
(今川氏).
AKIYAさんに全て今語っていただいたが、映像をやっていく中で先ほど幸福度が上がったとお話しされていたことは自分も同じで、見るものの視点が変わった。例えば今の夕焼けきれいだなだとか、この光がさしていてここが影になっているのすごく良いななど、日常生活に映像のネタみたいなものを探し始めるという人生が映像を始めると出てきて、そうすると世界がきれいに見える。
(AKIYA氏).
自分も夕日が出ている時ってすごく気持ちが高ぶる。カメラを始めてから、天気がいい日がラッキーな日だとすごく思うようになった。カメラがなくても、きれいな夕日をしっかりと見るという意識ができるので、そういう日常ひとつひとつが良くなったと思う。
(今川氏).一番大きい違いは、センサーのサイズである。FX3がフルフレームで、今回のFX30がAPS-C(Super 35mm)のセンサーを搭載しているというところ。
APS-Cのレンズのシステムがあることによりレンズ含め小型でシステムが組めたり、APS-CのGレンズはフルフレームのGレンズに比べてコストパフォーマンス高くシステム構築できる点ではすごく魅力的だと思う。センサーが小さくなったという点は悪いことばかりではなく、より長時間の録画ができるということや、機動力を求められるというところで屋外の長時間収録でも使っていただける。APS-Cセンサーだから良いところがたくさんあるので、好みに合わせて魅力を感じながら使っていただきたいと思う。
(今川氏).
写真撮影を行う際に、1コマだけの撮影になってしまう。普段動画をメインにやられてる方は、写真はYouTubeのサムネイル撮影やロケハンの様子を撮影するなどメインの用途になってくると思うので、特段問題にはならないかと思う。
2つ目はISO感度で、FX30は最大32000となっている。もちろん画づくりの部分で妥協はしていないので、実際にプロの方に使っていただくのに現場でノイズが出てこまらないように設計はしているが、やはり大きいセンサーを持っているフルフレームのFX3と比べると、ノイズやISO感度の部分では差があるかと思う。
リカバリーするという意味ではないが、FX30のF値のところが小さいレンズを使っていただけると、光をたくさん取り込むことができるので、そういったレンズを使用しノイズを抑えて撮影していただくことも可能。レンズもバラエティ豊富に取り揃えているので見てみていただきたい。
(AKIYA氏). α7 Ⅳはかなり使用するので、動画という視点で結構違いはあるかなと思う。FX30だと最大の撮影で4Kの120フレームの撮影ができるが、α7 Ⅳだと4Kの60フレームが最大になるので、よりスローな表現をしたい時はFX30の方が表現の幅は広がるかと思う。また、FX30の方がタリーランプなどハードの面でも使いやすい。ジンバルに乗せてRECボタンを押す際に、上から押すとなるとと重心が傾いたりジンバルのモーターに負担がかかってしまうこともある。小型なジンバルやそこまでパワーを持ち合わせていないジンバルはそれだけでバランス感覚が崩れたりするトラブルも起きる。そういう時に、FX30は前面下部にRECボタンがあるのでここを押してモーターに負荷をかけずに撮影できる。
メニュー画面のボタンがボディの右側にあり、モードと電源のボタンがボディの左側にあることが、動画撮影をする者からするとありがたいポイント。動画はメニューボタンやRECボタンなどカメラを持ちながら右手で変えていくことが多いので、左手が必要になるところにボタンが来てしまうと労力がかかってしまうので、FX30は右側に動画要素のボタンが配置されているという点がすごく魅力的。
どうしても動画撮影というものは時間がかかってしまうものなので、撮影時間がタイトな時やすぐに撮りたい時に、ひとつひとつのアクセスポイントや使い勝手の良さが積み重なり、すごく使いやすいというトータル評価になると思うので、その部分は群を抜いて良いと思っている。動画制作をしていく方にはFX30は本当におすすめ。
あともうひとつ、FX30はLUTと呼ばれる写真でいうフィルターのようなものを本体に読み込ませることができる。Log撮影をする時に、Log撮影というのはフラットな状態で撮影する機能だが、そういった中でフィルターを当てて最終的な仕上がりをイメージしながら撮影できる機能もある。映画のような表現にこだわりたい方や、シネマライクな雰囲気を楽しみたい方にもすごく良い機能が入っていると思う。
ちなみにFX3よりもFX30の方がモニターの解像度が高解像度になった。そこもすごく良いポイントで、モニターに映っている映像が映画のように見えるので、映画を撮影しているという気持ちで撮ることができる。カメラマンのテンションが上がると、モデルさんのテンションも上がってくれるので相乗効果がすごくあると思っている。
(AKIYA氏). 一番気に入ったものが、E 15mm F1.4 Gのレンズ。一番相性が良く使用させていただいた。
単焦点レンズになるので、15mmの画角で、換算でいうと22mmくらいのレンズになる。APS-Cのセンサーが小さい部分をカバーできる。単焦点だとよりぼかした撮影ができて、より光を取り込むことができるので暗所での撮影も強くなるという点が良くて、このレンズを一番使用していた。
出てくる画もパキッとした、肉眼で見るよりもきれいなのではないかと思うくらいすごく繊細な画が撮れる。
また、このコンパクトさなので旅行などに持ち出していたが、海や空の青さ、木の緑の色合いなど季節感まで表現できていたので、きれいでパッとした画が好きな方にはすごくおすすめできるレンズのひとつだと思う。
2つ目がこのE PZ 18-105mm F4 G
OSSのレンズ。このようなズームレバーがあり、これを使うことによって電動のズームをより効かせた撮影をすることができる。手軽にズームインやズームアウトをすることができる。一味違う撮影をしたいなという時や、お子さんの発表会などイベント行事の時に使用すると良いと思う。
3つ目はE PZ 10-20mm F4
Gのレンズ。これもすごく良くて、このコンパクトさでズームの効く、さらに超広角レンズというところがとても持ち出しやすい。換算でいうと、16mmから30mmくらいになるので、ここまでカバーしているといろいろな撮影パターンに対応できるところが良いと思う。映像もすごくきれいに映る
今回まずFX30はハンドルが既についているものと、ハンドルがなしのものをラインナップとして展開している。最初にこのハンドルがないものを購入されるお客様には、ぜひマイクをアクセサリーとしておすすめしたい。
こちらにあるものが、ECM-B10という今年発売された新商品。
見ていただいてわかるように、小型軽量で、指向性を3つ切り替えられるというところがあるので、1台3役の素晴らしいマイクとなっている。AKIYAさんも編集されたりするとわかると思うが、音は耳に入ってくる情報として映像と同じくらい大事なので、マイクをぜひご検討いただけると嬉しい。
また、後々もっと高音質の音声が撮りたい、ステップアップしたいという方に、ハンドルパーツをアクセサリーとして単独販売する予定なので、それにこちらのXLRのマイクを付けていただき、本格的に音声を収録していただくものとして検討いただくと嬉しい。
(AKIYA氏). FX30はデュアル・ベースISOを搭載しているので、簡単に言うとISO感度を2通りで使用できる認識になる。ISO2500でもノイズを減らしたクリアな状態で撮影できるというところがあるので、APS-Cではあるが暗いところでもきれいな画が撮れる。暗所以外のところだと、アクティブ手ぶれ補正が使用できたり、ブリージング補正機能があるので、何かものを映してピントをずらす際にブリージングという画角が歪んでしまう現象が起きるが、そういった部分も抑制する機能があり、質感がワンランク上にはなりやすいと思う。
少し難しいところだと、BIONZ XRというセンサーを搭載しているので、画質面でかなりきれいな仕上がりになっているカメラになるので、カラーグレーディングをしたい方やより高精度な画質を望む方は、FX30はα7Cと比べてもきれいな画が撮りやすい。
(今川氏).モニターが大きいと操作しやすいと思うので、そのようなリクエストはこれからも受けていきたいと思っている。
ただ、今回のFX30に関しては、大きい5インチ程度までいかずともモニターを新しく載せている。
5インチと比べると小さくはなってしまうが、映像はかなりきれいに見ながら撮影することができる。このモニターの小ささが故にボディのコンパクトさがあるので、映像の撮り方のフレキシビリティといったところは大変使用していただける部分かと思う。