ここではカスタマイズの設定例を撮影シーンとともに紹介します。ご自身の好みや撮影スタイルに合わせて、カメラ設定の参考としてお使いください。
シャッターボタンの半押しでピントを合わせるのではなく、ピント合わせとシャッターレリーズをそれぞれ独立させて操作する方法です。親指でピントを合わせるので、一般的には親指AFとも呼ばれます。以下のようなシーンで使うと便利です。
シャッターは人差し指で、ピント合わせはAF-ONボタンで行います。
動く被写体の場合、[フォーカスモード]を[AF-C]にします。AF-ONボタンを押している間、カメラが被写体にピントを合わせ続けます。狙った瞬間に確実にシャッターを切ることができます。
静止被写体の場合は[AF-S]にします。AF-ONボタンをいったん押すと、再度押すまでピントが固定されます。ピントを固定させた状態で、被写体が動く瞬間のベストショットを狙うことができます。
事前準備
撮影時
ポートレート撮影やスポーツ撮影でも顔が一定以上の大きさの場合は、瞳AFが有効です。初期設定ではコントロールホイールの中央ボタンに割り当てられていますが、レンズのフォーカスホールドボタン、AF-ONボタンやAELボタンなど、ご自分の使いやすいボタンに割り当てることもできます。
瞳AFが最も有効なのはポートレートです。カメラのレリーズ操作は右手で行うので、フォーカスホールドボタンに瞳AFを割り当てると、レリーズとピント合わせを右手と左手それぞれに振り分けることができます。
動体被写体の場合でも瞳AFは可能です。AF-Cにすると、被写体が動いても瞳を追随します。瞳が検出されている限り、割り当てたボタンを押している間はずっと瞳に緑枠が表示されます。
瞳AFをフォーカスホールドボタンに割り当てる場合
事前準備
撮影時
スポーツ撮影など撮影状況が頻繁に変わる場合、被写体の状態に合わせて瞬時にフォーカスエリア設定を切り換えるには、カスタム撮影設定登録の使用をおすすめします。カメラのホールディングを崩さずに操作できるボタンはAF-ONボタン、AELボタン、レンズのフォーカスホールドボタンの3つ。撮影シーンに応じてこれらのボタンに効果的に機能を配置すると、全体の操作性を大きく向上させることができます。
* ILCE-9の本体ソフトウェアVer.5.00以上の場合は、[ロックオンAF]でなく[トラッキング]となります。
A
B
C
[拡張フレキシブルスポット]と[ワイド]を組み合わせた例。群れの中の一羽を狙うときは[拡張フレキシブルスポット](A)。狙った鳥が動いているときはAF-ONボタンで[ロックオンAF:拡張フレキシブルスポット](B)。AELボタンを押すと瞬時に[ワイド]となり、突然フレーム内に鳥が飛びこんできた場合にも素早くピントを合わせることができます(C)。
事前準備
撮影時
* ILCE-9の本体ソフトウェアVer.5.00以上の場合は、[ロックオンAF]でなく[トラッキング]となります。
A
B
[瞳AF]と[フレキシブルスポット]を組み合わせた例。[瞳AF]が使える場合はAF-ONボタンで[瞳AF]を使用(A)。人物が横を向いたりして[瞳AF]が使えない場合は、被写体の状況に応じて、 [拡張フレキシブルスポット]または[ロックオンAF:拡張フレキシブルスポット]を使用します(B)。
事前準備
撮影時
よく撮るスポーツ競技やポートレート撮影で構図が決まっている場合、フォーカスエリアを特定の場所に移動させる動作をボタン1つで瞬時に行うことができます(フォーカスエリア登録機能)。また画面中央でピント合わせをすることが多い場合は、フォーカススタンダードがおすすめです。
ポートレートの場合はあらかじめピント位置を画面上部に設定しておけば、素早く撮影を開始できます。
画面上の特定の場所に頻繁にピントを合わせる場合(フォーカスエリア登録機能)
事前準備
撮影時
画面中央に素早くピントを合わせる場合(フォーカススタンダード)
事前準備
撮影時
フレキシブルスポットを移動させてピントを合わせる場合、一般的にはマルチセレクターを使います。被写体の動きが横方向(または縦方向)に限られる場合は、マルチセレクターの代わりにコントロールホイールを回すと、フレキシブルスポットを正確に横方向(または縦方向)に動かすことができます。
コントロールホイールを回すと選手の動きに合わせて素早くスポットの移動ができます。
事前準備
撮影時
スポーツ撮影でメモ代わりに電光掲示板を撮影するなど*、シャッタースピードを一時的に切り換える場合に便利です。シャッタースピード以外の設定を一時的に切り換える場合にも有効です。
押したまま撮影できる位置にあるキーを呼び出しキーにしてください。
* 電光掲示板を高速シャッターで撮影すると、文字が欠けて読めないため
スポーツ撮影に電光掲示板撮影用の設定を加える場合
事前準備
撮影時
カメラの縦横ポジションにより、フォーカス枠の位置(フォーカス位置)とフォーカスエリアの設定を使い分けるかどうかが選べます。縦横ポジションを頻繁に切り換える場合は[フォーカス位置のみ]をおすすめします。被写体が近づいて来て縦位置に構え直した場合など、展開に合わせた素早い切り換えが可能となります。
事前準備
横位置でフォーカス枠の位置を決める
縦位置にするとフォーカス枠が被写体から外れる
フォーカス枠の位置を修正する
撮影時
横位置と縦位置を切り換えた際、それぞれ設定した位置にフォーカス枠を配置できる
ILCE-9 / ILCE-7RM3 / ILCE-7RM3A / ILCE-7M3は35mmフルサイズのイメージセンサーを搭載していますが、意図的にAPS-Cサイズで撮影することにより画角が狭くなり、レンズを変えなくても望遠レンズを使ったのと同じ効果が得られます。画素数とファイルサイズは小さくなりますが、デジタルズームと違ってRAW画像の撮影やフォーカスエリアの選択も可能です。
メニューの 1で設定できますが、よく使う場合はカスタムキーに登録してください。C4ボタンなどがおすすめです。
ILCE-7RM3 / ILCE-7RM3A / ILCE-7M3の場合
事前準備
撮影時
ILCE-9の場合
事前準備
撮影時
設定した輝度レベル(IRE)部分にしま模様を表示することができますが、その有無を素早く切り換えることができます。
* ILCE-9では本体ソフトウェアVer.5.00以降で使用可能
事前準備
撮影時
Aマウントレンズやマニュアルフォーカス専用レンズ、他社製レンズなどマニュアルフォーカスで使用する場合、カスタムキーに[ピント拡大]を割り当てると、ピント拡大がすばやく行えます。
AF-ONボタンなど操作しやすい位置への登録がおすすめです。拡大位置を中央以外に移動させる場合は、マルチセレクター中央ボタンまたはコントロールホイールの中央ボタンへの登録が便利です。
事前準備
撮影時
マニュアルフォーカス(MF)やダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)使用時に、ピーキング表示の有無を素早く切り換えることができます。AF-ONボタンなど操作しやすい位置への登録がおすすめです。
* ILCE-9では本体ソフトウェアVer.5.00以降で使用可能
事前準備
撮影時
再生時のカスタムキーにプロテクトまたはレーティングを割り当てると、撮影画像の選別が素早く行えます。C3ボタンに登録すると、右手で画像送り、左手でプロテクトまたはレーティングの設定ができるのでおすすめです。
* ILCE-9では本体ソフトウェアVer.5.00以降で使用可能
事前準備
再生時
再生時に画像間をジャンプ移動して、プロテクト画像やある特定のレーティング画像など一部の画像だけを再生することができます。前後どちらかのダイヤルに割り当てて使います。設定したダイヤル以外(コントロールホイール等)ではすべての画像が再生できるので、両者を使い分けることが可能です。
* ILCE-9では本体ソフトウェアVer.5.00以降で使用可能
前ダイヤルでプロテクト画像のみジャンプ移動、後ダイヤルで全画像再生する場合
事前準備
再生時
[ビューモード]は再生メニューでも設定できますが、一覧表示で選ぶこともできます。