撮影を楽しもう雨の日編
水滴や波紋、水たまりに映る景色など、雨だからこそ撮れる写真がたくさんあります。
雨を活かした撮影方法や、梅雨の時期に特に気を付けたい湿気対策などを紹介します。
雨の日の撮影にあると便利なもの
- カメラやレンズに付着した水滴を拭くための乾いたタオル
- レンズ表面についた水滴を拭くためのレンズ専用のクリーニングシート
- 雨よけのための市販のカメラ用レインカバーやビニールなど
カメラは精密機械です。機種(ボディ、レンズ)によっては防じん・防滴性に配慮して設計されていますが、防水性能は備えていません。土砂降りのような大雨の場合は撮影は控えましょう。
雨に濡れた花や水滴を撮る
水滴の撮影にはマクロレンズがおすすめ
水滴をクローズアップして撮るには小さな被写体を大きく写せるマクロレンズがおすすめです。
ピント拡大機能を使ってねらった水滴をくっきり写す
画面内に複数の水滴や花があるときや、水滴の際をシャープに写したいときにピント拡大機能を使ってピントを微調整すれば、イメージどおりの写真が撮れます。
水たまりの反射や波紋を撮る
水たまりに反射するシンメトリーな景色
雨上がりのときなど水たまりの水面が揺れない場合は、水面に移り込むもうひとつの景色を切り取ってみましょう。
見る位置や角度によって映り込むものは変わってきます。立ったまま撮影するだけでなくしゃがんで地面に近い位置でカメラを構え、広く街並みを入れてみるなど工夫してみると作品の幅が広がります。
波紋
撮影時に雨が降っていて水たまりの水面が揺れる場合は、雨が水面に落ちた時にできる波紋をねらってみましょう。
水面の揺れの動きは早いので、Sモード(シャッター速度優先モード)で波紋がはっきり写る速度に設定して撮影するのがおすすめです。
フラッシュで雨を幻想的に撮る
応用になりますが、雨にフラッシュを当てると幻想的な写真が撮れます。
光の当たった雨が被写体を際立たせてくれるので、ポートレート撮影などにおすすめです。
カメラとフラッシュの位置
フラッシュの設置場所や撮影の設定は、使用機材や雨の降り具合によって調整していきます。
フラッシュが被写体で隠れる位置で撮影することがポイントです。逆光で撮ることで被写体のシルエットが浮かび、雨にも光を当てることができます。
最初は被写体の背後2mくらいにフラッシュを設置して、撮影しながら好みの写り方を確認していきます。
夜の撮影や暗い場所での撮影の場合、2灯使うと被写体への光量のバランスもとれます。
この場合は図のように被写体の前方の斜め45度くらいの位置にワイヤレスフラッシュをセットしましょう。
フラッシュは濡れないようビニール等で完全に覆いましょう。フラッシュは濡れた状態で触ると感電の危険があります。操作時や取り出す際に素手で触らないようにするなど、注意して取り扱ってください。
カメラの設定
- シャッタースピード
- フラッシュを使うことでシャッタースピードをより速く設定することができます。撮影しながら確認していき、雨粒が止まって見える速度に調整しましょう。
- 絞り(F値)
- F値を下げると、雨粒をぼかしてやわらかい表現ができます。F値を上げると、全体的にピントが合うので雨の景色をくっきりと表現できます。
- ISO感度
- 可能なかぎり低く設定することをおすすめしますが、フラッシュを使っていても明るさが足りない場合はISO1600までを目安に少しずつ上げながら明るさのバランスを調整してください。
レンズの使い分け
使用するレンズによっても印象は変わります。撮りたいイメージにあわせて設定を調整してください。
- 望遠レンズ
- 雨粒を大きく見せることができ、圧縮効果もあるので雨が多く降っている印象になります。
- 広角レンズ
- 雨粒が小さな光になり被写体がより引き立ちます。
撮影後のお手入れ方法、保管方法
雨の日の撮影後は、カメラやレンズに水が付着している可能性が高いです。湿気が多い状態で放置してしまうとカビが生える原因となりますので、普段以上に注意してお手入れをしてください。
お手入れ
水滴がついた場合、カメラボディとレンズの外側は乾いたタオルで拭きましょう。
レンズのガラス面はレンズ専用のクリーニングシートを使って拭きます。
水滴をしっかりふき取った後は湿気のないところで十分に乾燥させましょう。
ストラップが濡れていた場合は外してよく乾かしてください。
乾燥後は日頃のお手入れ方法と同じくブラシやブロアーでホコリを取り除きます。
保管
お手入れが完了したら防湿庫やドライボックスで保管して、大切なカメラやレンズをホコリや湿気から守りましょう。