αではじめる 動画撮影の基礎知識 –露出調整– テキスト版
テーブルに置かれているα7C
* この動画ではα7Cを使って説明しています。
カメラに取り込む光の量をコントロールする「露出」は、表現の作りこみや作品の仕上がりに影響する重要な要素です。
(オフィスの窓際で電話をしている女性。映像はISO感度を変更することで露出が変化する様子を示している)
カメラのメニューの「露出モード」から「マニュアル露出」を選択することで、自由に露出を設定することができます。
露出は「絞り(F値)」、「ISO感度」、「シャッタースピード」で成り立っており、この3つのバランスによって、表現の変化がもたらされます。
露出についての相関図をもとに説明が続きます。
- 絞り(F値):"ぼけ" の度合い
- シャッタースピード:光を取り込む時間
- ISO感度:明るさ
- まずは「シャッタスピード」で光を取り込む時間を決めます。
動画撮影の場合、基本的にはシャッタースピードを固定して撮影します。シャッタースピードはフレームレートの約2倍分の1に設定するのが目安です。
例:フレームレートが30pの場合、シャッタースピードは1/60
フレームレートが60pの場合、シャッタースピードは1/125 - シャッタースピードが決まったら、「ISO感度」と「絞り(F値)」で露出をコントロールしていきます。
「ISO感度」はレンズから入ってきた光を、カメラ内でどのくらい増幅させるかの指標になります。
(室内で座ってタブレットを操作している女性。映像ではISO感度を上げて明るさを調整している)
数値が大きければ明るさは増しますが、ノイズが出やすくなるので、なるべく低い数値に設定するのがおすすめです。
3分割されたISO 200、ISO 800、ISO 1600の3つの比較映像。 - 続いて「絞り(F値)」を設定します。
「絞り(F値)」は、ぼけの度合いである、被写界深度を決める大事な要素です。
F値を小さくして絞りを開くほど取り込む光の量が多くなり、背景がぼけます。
反対に、F値を大きくすると取り込む光の量が減り、暗くなり、フォーカスの合う範囲が広がります。- 絞り(F値):f2.8
オフィス内、パソコンで作業をしている女性。明るく背景がボケている映像。 - 絞り(F値):f16
オフィス内、パソコンで作業をしている女性。少し暗いが、パンフォーカス気味の映像。
- 絞り(F値):f2.8
屋外などの撮影で、絞りを開き、背景をぼかそうとすると、明るくなりすぎてしまいます。
- 絞り(F値):f2.8
オフィスの窓際で電話をしている女性。露出オーバー気味の映像。
このようなときは、市販のNDフィルターを使うとよいでしょう。
NDフィルターを使うと、取り込む光の量を減らすことができます。
(カメラのレンズにNDフィルターを取り付けている様子)
NDフィルターを使うことで絞りを開けて背景をぼかしたい時や、明るい環境下でも適切な露出での撮影が可能です。
撮影時の照明環境に合わせて、適切な露出調整を行ってください。
- 絞り(F値):f2.8+NDフィルター
オフィスの窓際で電話をしている女性。適切な露出の映像。