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Lシリーズ

02 2つのテレビシステムを搭載。理想の「テレパソ」がここに

すばやく5秒で起動する「スグつくTV」と多機能の「Giga Pocket Digital」。その両立が、かつてない使い勝手を実現した。

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「スグつくTV」と「Giga Pocket Digital」のすみ分けが鍵

――「Giga Pocket Digital」という実績あるテレビ録画・視聴ソフトウェアに加えて、新たに「スグつくTV」を搭載したのはなぜでしょうか。

黒崎:

私はずっとオールインワンモデルのソフトウェアを担当してきましたが、やっぱりテレビとPCがメインのモデルなので「Giga Pocket Digital」とは切っても切れない関係ですよね。そして「Giga Pocket Digital」は非常に多機能で便利なソフトウェアですが、ちょっと「手軽さ」がない。
スイッチを入れWindowsが立ち上がるのを待たなければならない、というわずらわしさがありました。朝起きてすぐPCを起動してテレビ見ますか?と言われたら、やっぱり躊躇してしまう。約5秒でテレビがつく「スグつくTV」は、そういった今まで足りなかった最後のところを補完できる存在だと思っています。

――5秒起動を実現するための決め手は何だったのでしょう。

黒崎:

開発当初は10秒ほどかかっていたと思います。そこで内部デバイスの電源を入れていく順番を最適化するなど、いろいろ調整することで5秒縮めることができました。これはテレビ製品と比較しても遜色ない起動時間だと思いますので、ストレスなく使っていただけると思います。

――PCで別の重い作業をしていても快適に見られる、という点も大きなメリットですね。

黒崎:

そうですね。CPUやメモリーなどWindows側のリソースからは独立して動く、完全に切り離された世界です。ビデオ変換やディスクへの書き込み処理の待ち時間にテレビを見るときも、パフォーマンス落ちを気にせず快適に視聴できます。
また「スグつくTV」視聴中にちょっとだけPC画面をチェックしてすぐテレビに戻るようなときには、5秒より速く切り替えられるようにテレビユニットの電源制御を工夫しています。

――2つのテレビシステムがあるとたしかに便利ですが、ユーザーは混乱してしまうかもしれません。どのようなプロセスで、現在のユーザビリティーに落ち着いたのでしょうか。

黒崎:

いちばんの課題は起動方法ですが、「2つのテレビを1つのリモコンで操作する」インターフェースにはかなり検討を要しました。当初は「スグつくTV」と「Giga Pocket Digital」の起動ボタンを同じにして、PCの稼働状況に応じてどちらか早く起動できる方をPCが自動選択するという方法に傾いていました。たとえば、つけた瞬間は「スグつくTV」で、いつのまにか「Giga Pocket Digital」に移行するシームレスなやり方です。しかし社内でユーザーテストを実施したところ、この仕様だと「今どちらのテレビ機能を使っているのかわからなくなる」と、かえって混乱することが判明しました。

それならば、あえて2つのテレビシステムがあることをお客さまに明示して使い分けていただこうと。リモコンを見れば一目瞭然ですが、結果としては「スグつくTV」とTVアプリ「Giga Pocket Digital」のボタンをはっきり分けて並べました。そうすることで、だいぶスッキリとした操作体系になったと思います。また「スグつくTV」では対応していない操作をしたときにはメッセージを出すなど、お客さまが混乱しないよう配慮しています。

野村:

「スグつくTV」は視聴機能だけなので、録画したいときなどは「TVアプリ」ボタンを押して「Giga Pocket Digital」を起動する必要があります。はじめは「スグつくTV」で楽しんで、裏で「Giga Pocket Digital」を立ち上げておく。準備ができたら「Giga Pocket Digital」にスムーズに引き継がれるという流れが今回実現できました。

――「スグつくTV」などの機能追加によりリモコンのボタンが増えたことで、本体内部でも調整に苦労したのではないでしょうか。

谷口:

新Lシリーズでは「スグつくTV」はもちろん、「Quick Web Access」ボタンも追加されています。それに伴って本体側の受信部分など内部的にもかなり複雑な調整が必要となり、ほぼ全部作り直しています。

ソフトウェア担当の黒崎。「スグつくTV」と「Giga Pocket Digital」の共存を実現させた。

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「スグつくTV」ボタンを単独で配置。PCとは独立したシステムであることがわかる。

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電気担当の谷口。限られたスペースをやりくりしながら新機能を組み入れた。

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2つのテレビシステムのボタンを並列させて、ユーザーが選択できるようにした。

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シンプルな機能だから、わかりやすいネーミングに

――「スグつくTV」という、とても耳に残りやすく機能内容も伝わりやすい名前ですね。

野村:

はじめは「Quick TV」という、横文字のかっこいい名称にしようと思っていたのです(笑)。けれど「テレビをすばやく起動する」というシンプルな機能ですし、日本限定機能なので「スグつくTV」というわかりやすいスピード感のあるネーミングにしました。ちなみに商標登録を出願しています。

ネーミングはチーム内で公募され、「スグつくTV」が採用された。

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