XDCAMシリーズはSD/HDマルチコーデックを搭載し、様々なフォーマットの記録再生に対応しています。メニュー設定で記録フォーマットを変更することができますので、1台で目的に合った柔軟なコンテンツ制作が可能です。
主なコーデックとしては、MPEG HD422に加え、MPEG-4 AVC/H.264コーデック(XAVC)を採用し、高画質、高音質記録再生を実現しています。
XDCAM HD422コーデックはMPEG-2 Long GOP方式を採用し、フレーム間の差分情報を用いることで高効率の圧縮を実現したため、低ビットレート(=高圧縮)でありながら「高画質」「長時間記録」が特長です。
ネットワーク転送速度やメディア/サーバーなどの記録容量もフレーム内圧縮方式のXAVC(100Mbps)に比べて半減できるため、スピード・効率重視の報道制作などに適しています。
またCMのファイル搬入基準(*1)としても規定されているファイルフォーマットです。
*1 ARIB TR-B31/CMファイルベース搬入基準
:MPEG HD422(MPEG-2 Long GOP 50M)/
オペレーショナルパターン:MXF OP-1a
MPEG-4 AVC/H.264 Intra Frame方式に準拠したXAVC 100Mbps のコーデックは、フレーム内圧縮の為、圧縮効率が低く、 LongGOP方式に比べると高ビットレート(=低圧縮)でデータサイズが大きくなります。しかし、XAVC HDでは『ソニー独自のコーデック技術』により、編集・ダビングを繰り返しても画質劣化しにくいのが大きな特長です。従って、ダビング特性・画質重視の番組制作などに適したフォーマットです。
※対応コーデックは機器により異なります。
XDCAMはMXFファイル記録に対応しています。
オペレーションパターンはOP1aを採用しています。MXF OP1aは映像・音声・メタデータを1つのファイルとして扱う構造のため、ファイル転送のワークフローに最適で、XDCAM以外でもノンリニア編集機やサーバーなどシステム間でファイル伝送を行うフォーマットとして幅広く採用されています。
XDCAM は高解像度MXFファイルを記録するClipフォルダ、低解像度ProxyAVデータ用のSubフォルダ、ClipListデータを保存するEditフォルダの他、任意のデータを記録するGeneralフォルダとUserDataフォルダから構成されています。XAVCファイルやMP4ファイル、MA用のBWFなど音声ファイル、ノンリニア編集機のネイティブファイル、取材情報のWordファイル、JPEG Still 画像等XDCAMフォーマット以外のファイルはUserDataフォルダに"データ"として保存することも可能です。
※UserDataフォルダは映像・音声記録を記録するClipフォルダと共用のため、UserDataエリアを使用した場合、記録できる映像・音声の時間は減少します。
XDCAMではメタデータの活用によりファイルベースオペレーションにおいて、効率的なワークフローを実現します。
クリップタイトルやコメントなど一般的に言われる「メタデータ」がこれにあたります。クリップメタデータはMXFファイルのHeader情報の中に埋め込まれており、 Content Browserなどを使ってMXFファイル転送をするだけで、メタデータも紐づいた形でファイル転送が行えます。
※機種やシステムによってはメタデータが紐づかない場合もあります。
XDCAMではクリップ名などメタデータを変更することが可能です。
また日本語にも対応しています。例えば、項目名や撮影者などわかりやすいクリップ名に変更することにより、ノンリニアや素材サーバーなどに取り込んだ際の素材管理が容易に行えます。
取材/収録項目名・記者/ディレクター名・カメラマン名などをあらかじめプランニングメタデータとしてDiscに入れておき、カムコーダーにロードをして収録を行うと、そのメタデータに紐づいて収録されます。
《プランニングメタデータをカムコーダーにロードする方法》
特にWi-Fi経由での運用により、収録現場でのメタデータの内容変更も簡単に行えます。また報道支援システムとプランニングメタデータを連携することで、メタデータ入力の簡易化が可能です。