2022年9月28日
2022年10月20日改訂
新商品
ソニーは、映像制作用カメラ商品群Cinema Line(シネマライン)の新商品として、新開発のAPS-Cサイズ(スーパー35mm)のCMOSイメージセンサーを搭載したレンズ交換式カメラ『FX30』を発売します。Cinema Lineのルック※3と操作性を備えた本カメラは、14+ストップ※1のワイドラチチュードによる階調豊かな映像記録や、高解像度4Kで最大120fps※2のハイフレームレート動画撮影に対応します。また、デジタル一眼カメラα™ (Alpha™)の開発で培った高精度なAF(オートフォーカス)性能や、豊富なEマウントレンズとの組み合わせによる印象的なぼけ描写とクリアな解像感で、シネマのような映像表現を可能にします。ソニーは、Cinema Lineが提供する高品位な映像表現力や操作性・信頼性を、これから本格的に映像制作を始める未来のクリエイターにも提案することで、幅広いクリエイターの創作意欲に応え、映像制作の可能性を広げます。
商品名 | 型名 | 発売日 | メーカー希望小売価格 |
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Cinema Line カメラ | 『ILME-FX30』 (XLRハンドルユニット同梱) |
10月14日 | 299,000円+税 328,900円(税込) |
『ILME-FX30B』 (XLRハンドルユニット非同梱) |
249,000円+税 273,900円(税込) |
『FX30』には、デジタルシネマカメラ『VENICE』の開発を通じて得た知見をもとにした画作りであるピクチャープロファイルS-Cinetone™(エスシネトーン)を搭載します。また、ノイズを抑えたクリアな映像表現を可能にするデュアル・ベースISOや、Cine EIをはじめとしたLog撮影モードなども搭載し、Cinema Line上位モデルとの親和性を高めています。加えて、撮影時の機動性を高めるとともに幅広いプロ用マイクを装着可能なXLR端子を2基備えるXLRハンドルユニット※4や、UI、ボディのネジ穴など、カメラの操作性やデザインについてもCinema Line共通のコンセプトを持つため、上位モデルへの機種変更や、シリーズの別機種との併用撮影もスムーズです。また新たに発売するCFexpress Type Aカード『CEA-G320T』、『CEA-G640T』を用いることで、高い信頼性を維持しながら、より長時間の撮影が可能となります。
近年、大規模な映画制作はもとより、小規模なショートフィルム制作、さらには個人のコンテンツ制作の現場においても、シネマのような映像表現のニーズが高まっています。本カメラは、Cinema Lineへの入り口として、シネマのような映像表現を求める若手クリエイターの最初の一台となるだけでなく、多数のシネマカメラが必要な撮影環境でのサブ機としての運用や、機動力が求められるシーンでの撮影などにも適しています。ソニーは、本カメラを発売することで、幅広い映像制作クリエイターの表現要求に応えるとともに、映像制作活動を支援していきます。
なお、現在、世界中のクリエイターが参加できる短編映画コンテスト『Sony Future Filmmaker Awards』(主催:Creo/支援:ソニー)※5の応募を受け付けています。応募期間は、2022年12月13日までです。
Cinema Lineとは、映画制作で培われたルック※3と、多様なクリエイターの異なる要望に応える高い操作性・信頼性を兼ね備えた映像制作用カメラの総称です。フィルムのような豊かな映像表現を実現するとともに、本体デザイン、耐久性、高い機能拡張性、バッテリーライフなど、快適な映像制作をサポートできるように操作性・信頼性にも配慮しています。同商品群には、映画制作業界で高く評価されているデジタルシネマカメラ『VENICE』および最新機種の『VENICE2』や、ドキュメンタリーやドラマ制作向けの『FX9』、ハンドヘルドスタイルの『FX6』、小型軽量な『FX3』が含まれます。ソニーはCinema Lineを、幅広い映像クリエイターに向けて提案しています。
浅い被写界深度を生かした印象的なぼけ描写により、シネマのような映像表現が可能です。新たに開発したAPS-Cサイズ(スーパー35mm)の有効約2010万画素※6裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor R™(エクスモアアール)を搭載し、最新の画像処理エンジンBIONZ XR™(ビオンズエックスアール)とともに、高感度・低ノイズ性能を実現します。低感度側100から32000の常用ISO感度に加えて、14+ストップ※1のワイドラチチュードで、明暗差のあるシーンでも、白とびや黒つぶれの少ない階調豊かな映像が記録できます。さらに、6K相当の豊富な情報量を凝縮することで、高品位な4K映像として出力する※7こともできます。
Cinema Line共通のピクチャープロファイルとしてクリエイターから支持を得る、S-Cinetoneを搭載します。S-Cinetoneは、デジタルシネマカメラ『VENICE』の開発を通じて得た知見をもとにした画作りで、Cinema Lineの上位機種である『FX9』や『FX6』、『FX3』にも搭載しています。人肌を描写する際に使われる中間色の表現力を高めることで、よりソフトな色合いと、被写体を美しく際立たせる自然なハイライトを実現します。
ISO800とISO2500の2つの基準ISO感度を持ち、明るい場面と暗い場面で2種類の基準感度を使い分けることができる、独自のデュアル・ベースISO機能に対応します。一般的なカメラの場合、ISO800に対してISO2500ではゲインアップに伴い大幅にノイズが増えますが、本機能では、ISO800とISO2500のノイズレベルがほぼ同等です。そのため、ノイズの気になる暗所撮影でもISO2500を使用することで、映像をクリアに表現できます。また、Long GOPおよびIntra方式の両方で4:2:2 10bit記録が可能なため、豊かな階調を活かしたグレーディングなど編集時の自由度が広がります。
ソニーの業務用カメラに搭載のS-Log3に対応し、カラーグレーディングを前提とした映像制作時の業務用カメラとの親和性を高めています。S-Log3ガンマカーブ用の撮影モードとして、最大のダイナミックレンジでノイズを抑えたクリアな映像表現が可能な「Cine EI※8」、選択したExposure Index(EI)に連動してカメラが自動的にベースISOを切り換える「Cine EI Quick※9」、幅広い環境で撮影可能な「Flexible ISO」の3つのモードを選択できます。
『FX30』では、3つすべてのLog撮影モードにおいて、好みのLUTをカメラモニター映像に表示することができるため、ポストプロダクション後の仕上がりイメージを確認しながら撮影できます。LUTは、s709や709(800%)に加えて、最大16個までのユーザーLUT(.cube)をメモリーカードを使ってカメラに取り込むことができるほか、撮影時に表示したLUTファイルをメタデータに記録し、Catalyst Browse(無償)※10/Prepare(有償)や、Adobe Premiere Pro用の新しいCatalyst Prepare Pluginで活用することができます。
最新の像面位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用した、ファストハイブリッドAFシステムを搭載します。高密度かつ広範囲(最大495点、撮像エリアの水平方向 約93%、垂直方向 約97%をカバー)に像面位相差AFセンサーを配置します。
4K120p記録時※2を含む全記録モードにおいて、浅い被写界深度でも、動きの速い被写体に高精度かつ滑らかにフォーカスを合わせ続けます。また、スクリーン上で被写体をタッチしてフォーカスを自動追尾させる「リアルタイムトラッキング」、高精度で自動的に瞳にピントを合わせ続ける「リアルタイム瞳AF」、オートフォーカス中にフォーカスリングによるマニュアル操作ができる「AF Assist」、プロフェッショナルから定評のある「AFトランジション速度」や「AF乗り移り感度」の活用により、ユーザー自身が条件に合わせてきめ細やかにフォーカスを操作することが可能です。
動画撮影中のフォーカス時に起こるフォーカスブリージング現象(動画撮影中にフォーカス位置の変更によって画角が変化する現象)を最小化するブリージング補正を、カメラ内で行います。ソニー独自の全画素超解像技術を活用し、画角が一定になるように自動で調整することで、フォーカスを合わせる中でも画角が変わらないフォーカシング表現が可能です。
光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能を搭載します。カメラに内蔵した高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサー、最適化されたアルゴリズムで、手ブレ補正効果を向上させる「アクティブモード」※12に対応します。画像処理エンジンBIONZ XRが、手ブレ量を高精度に検出し光学的に補正することで、手持ち撮影を強力にサポートします。手ブレ補正非搭載のEマウントレンズはもちろん、マウントアダプターを介して装着可能な様々なレンズで使用できます。
高解像度4Kで最大120fps※2のハイフレームレート動画の本体内記録に対応します。最大5倍のスローモーション※13など、印象的な映像表現が可能です。ハイフレーム動画撮影においても狙った被写体を追従し続けるため、動きのあるスポーツシーンなども記録することができます。
映像に記録されたメタデータを、Catalyst Browse(無償)/Prepare(有償)や、Adobe Premiere Pro用の新しいCatalyst Prepare Pluginで活用することで、撮影から編集までの効率的なワークフローを実現します。
今回初めて搭載するブリージング補正や高品位な映像制作につながる手ブレ補正※14に加え、編集中にお気に入りのシーンやテイクを見つけやすいよう撮影中や撮影後にマークをつけたり、撮影時のイメージ通りにカラーグレーディングできるようLUTやEIの情報を引き継いだりすることも可能です。
一眼カメラスタイルのボディ形状で、幅129.7mm×高さ77.8mm×奥行84.5mm(突起部除く)のフラットトップデザインが特徴です。重さは、Cinema Line最軽量の約646 g(バッテリーとメモリーカードを含む)※15で、『FX3』よりも約70g軽くなっています。コンパクトな筐体は、手持ち撮影に加え、ジンバルやドローンを装着した撮影とも相性が良く、高い機動性を発揮します。
また、ボディには、アクセサリー取付用ネジ穴(1/4-20 UNC)が5カ所あり、ケージがない状況でもさまざまな周辺機器を直接装着できるため、セッティングの時間を短縮できるほか、カメラや周辺機器をコンパクトに扱えます。
『FX30』には、マルチインターフェースシューのデジタルオーディオインターフェースに対応したXLRアダプター※17を搭載するXLRハンドルユニットが付属※4します。XLR端子2基を備える本ハンドルユニットは、別売のXLRマイクとの組み合わせで、音声をデジタル信号のままカメラに伝送し、ノイズを徹底的に抑制した高音質録音を実現します。本体側の設定により、デジタル4CHや24bitでの音声収録もサポートします。カメラ接続するためのケーブルは必要なく、マイク単体のバッテリーも不要です。トップハンドルが、手持ち撮影時の自由度を高めます。
冷却ファンと放熱に配慮した構造により、効率よくカメラ内の熱を放出することで、動画撮影中の温度上昇を抑制します。これにより、サーマルシャットダウンのない長時間の4K 60p記録※18を実現し、温度上昇に伴う撮影の中断など、クリエイターのワークフローを妨げません。また、高容量のZバッテリーを採用し、USB PD(Power Delivery)にも対応しています。カメラボディは、防塵・防滴※19に配慮した構造で、軽量かつ剛性の高いマグネシウム合金を用いています。
コンパクトで高性能を両立するメモリーカード規格CFexpress Type A(シーエフエクスプレスタイプエー)に対応したカード『CEA-G320T』、『CEA-G640T』※21を発売します。既発売の80GB、160GBに加え、大容量タイプの320GBおよび640GBのカードが新たにシリーズに加わります。本カードは最大書き込み速度700MB/秒の高速性能を有し、ビデオパフォーマンスギャランティー「VPG400」にも準拠し、安定した速度400MB/秒の映像記録に対応します。4K120pの高ビットレートの動画撮影や静止画の非圧縮RAWデータの連続撮影を可能にします。高い防水・防塵性や堅牢性を実現するTOUGH(タフ)仕様で、さまざまな環境で安定した長時間の撮影をサポートします。
『FX30』は、CFexpress Type AカードおよびSDXC/SDHCカードに対応のメモリーカードスロットを2基搭載しており、本カードとあわせて使用することで、信頼性を確保しながら映像表現を広げる撮影体験をクリエイターに提供します。
『CEA-G320T』 2022年10月14日
『CEA-G640T』 2022年11月11日
『FX30』の先行展示を、10月1日(土)より、ソニーストア 銀座、ソニーストア 札幌、ソニーストア 名古屋、ソニーストア 大阪、ソニーストア 福岡天神にて行います。
また、10月4日(火)20時より、ソニーストアチャンネルにてクリエイターによる『FX30』に対するインプレッショントークをライブ配信する予定です。
αアカデミー オンライン校では、10月14日(金)より無料受講可能な「【録画講座】使い方基本講座 FX30の操作」をご用意しています。詳細については、αアカデミー オフィシャルサイトをご覧ください。
『FX30』と対象レンズの同時購入にて、レンズ最大20,000円のキャッシュバックを実施します。詳細はキャンペーンサイトをご覧ください。