fly株式会社 様
ドローンを活用して、空撮、教育、コンサルティング事業を展開されているfly株式会社の船津宏樹様。Airpeak S1を発売時に購入し、Airpeakユーザーとしてさまざまな映像作品や空撮現場に参加されてきた船津様から、これまでの使用事例や機体への所感などをお話しいただきました。
fly株式会社CEO
船津 宏樹 様
2009年株式会社ブイキューブ入社。同社のWeb会議アプリに接続する端末としてドローンに出会い、ブイキューブロボティクスジャパン(現在の株式会社センシンロボティクス)を立ち上げる。
2020年に独立しfly株式会社を設立。ドローンをはじめとしたテクノロジーで『心 × 躍る × 未来』を創造する集団「team fly」を率いる。ドローン業界を新たな世界にするために、空撮を担うプロダクションだけではなく、エデュケーションやコンサルティングの各事業にも力を入れ、さまざまなチャレンジを続けている。
fly株式会社
ドローンで『心×踊る×未来』を創造する会社
https://teamfly.jp/
Airpeakの何よりの魅力は、フルサイズのカメラであるソニー製のαを搭載できるという点であり、用途としては、空撮のみならず、さまざまな現場で活用しています。最近では、GENERATIONS from EXILE TRIBEの「新しい世界」のPVで、空撮の映像をAirpeakで撮影しています。PVを制作する監督から仕事を依頼される時に、「Airpeakで撮って欲しい」という機材の指定がありました。というのも、空撮以外の地上での撮影を、ソニー製のVENICEをメインに使用するとのことで、映像美へのこだわりの高い作品でした。PVの中で空撮の映像は決して長くはないのですが、ドローンの映像もクオリティーの高さが求められました。また、VENICEで撮影した映像とのつながりや、編集時のカラーグレーディングなどのことも考えると S-Log で撮影ができるαを搭載可能なAirpeakが最適ということでした。実際に現場では、撮影後すぐに、α7IVで撮れた映像にLUTをあててカラーのチェックをしてOKをもらいましたし、完成した映像として空撮映像から地上映像にシームレスに編集をしていただいていると思います。
また、撮影現場は夜間の埠頭だったのですが、暗所でも撮影ができる感度の高いαだからこそ撮れた映像です。さらに、海辺ということで強い風が吹いていましたが、機体の安定性が高いことで、空撮の幅を広げることができました。撮影現場では、限られた時間の中で撮影をすることが求められるため、これらの機能によって、少ないテイクで撮影することが出来たのもAirpeakの良い所だと思います。
別の現場では、横浜市のみなとみらいで開催された、音楽やアートを楽しめるカルチャーフェスティバル「GREENROOM FESTIVAL’22」でAirpeakを使用しました。ここではAirpeak以外のドローンも一緒に使用しましたが、撮影をする内容、飛行する場所によって使い分けています。機器を適正に使い分けができるのも、複数台のドローンを所持するメリットです。夕暮れから夜にかけての時間帯の撮影で、薄暗い中、夜景と野外フェスの会場を撮影するため、一眼カメラが搭載できるAirpeakを選びました。夕景と会場の照明や、ビルの明かりをしっかり捉えることができ、フェス会場の夜の雰囲気を表現できていると思います。
Airpeakの用途は、映像作品のための空撮だけではありません。
あるプラントの3Dマップを作成するために、高解像度の画像が必要だったため、プラント内でAirpeakを飛行して撮影をしました。広角のレンズを搭載し、複数枚の画像を編集して360°の画像にしています。広角のレンズを選ぶことで、少ない枚数の撮影で済むため、レンズを選ぶことができるという点もAirpeakのメリットでした。
また、プラント内で飛行させるためには、風速と機体の重量における決まりがあるので、プラントの設備との距離を保ちながら安定して飛行させるという点においても、安心感のある機体です。機体によっては、一定以上の風が吹くとその日は飛行させることができない、ということもあるので、そういう意味でもAirpeakの高い耐風性能は、業務で使用するための安心感があります。
クライアントもAirpeakの飛行の様子に対して安心感を持ってくれていましたし、撮れている画像も高解像度の画像なので満足していただくことができました。(余談ですが、飛行する様子もカッコいいと言ってもらえました。)
Airpeakは、発売時期が発表される前にビジュアルを見ただけで、ただ単純に「カッコいい」「欲しい」と思っていました。もちろんそれだけでなく、フルサイズのカメラであるαを搭載できるドローンというのはとても魅力的で、空撮の仕事の幅を広げることができると思い、発売と同時に購入しました。これまでのドローンでは撮れない映像が撮れるだろうとわくわくして届くのを待っていたので、Airpeakが届いて箱を開けたときは、かなり興奮しました。まずドローンの機体自体がとてもカッコいい。プロペラやセンサーの細かい造り、プロペラやランディングギアの「カチッ」とはまる装着感、ジンバルの接合部分など、その技術の完成度に感動しました。飛行時にランディングギアが上がる様はやる気がみなぎります。
実際に飛行させたときに素直に感じたのは「操縦がしやすい!」という事ですね。他のドローンを飛ばしたことがあればすぐに飛ばすことができますし、かなり安定しているのでパイロットとしては安心して飛行できます。また、送信機と接続して使うAirpeak FlightのGUIがすごくわかりやすく、直感で操作できるのも素晴らしいです。キャリブレーションを促す動画はかなりユーザーファーストだと思いました。
また、カメラであるαの設定をAirpeak Flightからできるというのも、他のドローンではできないことなので、ソニーのカメラをソニーのドローンに搭載することの利点を感じました。飛行中に、シャッターや録画ボタンが押せるのはもちろん、感度やフォーカスも変更できるので、この辺は他のドローンにはできない事ですね。
そして、Airpeakの最大の魅力は、撮影できる映像の美しさです。同じ場所を撮影しても、その違いは明らかです。被写体の質感が全然違います。ドローンで映像制作に関わるものとしては「いいものを撮りたい」という気持ちがあるので、Airpeakで、αで撮れる映像を見ると、買って良かったと思えます。
購入当初は、バッテリーの持ち時間について気がかりな部分ではありましたが、実際のところは、飛行時間はほとんど気になっていません。映像作品の撮影現場において、1テイクは数十秒から数分がほとんどですし、音楽の現場においても1曲は5分以内で終わる事が多いので、実際に撮影をしていると飛行時間が気になることはほとんどありません。もちろん、ホバリングでの待機が長かったり、空撮の生中継をしたりする場面では飛行時間が足りない場合もあると思うので、適材適所で機材を選びたいと思っています。
私は、音楽ライブや音楽フェスなどの空撮の仕事が多いので、特に春夏のシーズンはそういった機会にどんどんAirpeakを使って空撮をしていきたいと思っています。また、今回のGENERATIONS from EXILE TRIBEのようなPV、MV、また映画やドラマなどは、制作陣が映像美にこだわっていたり、撮影する機材にもこだわっていたりするので、そういった場面でもAirpeakが使えると思います。こだわった映像の制作という意味では、他のドローンにはかなわない映像をAirpeakでは提供できますし、地上の撮影機材との相性という意味でもAirpeakで差別化が出来ると考えています。また、レンズが変えられるので、被写体を印象的に撮りたい場合は望遠レンズを、どうしても後ろに下がれないような現場では広角レンズをといった具合で、変化をつけて今までは撮れなかった画角の空撮映像を撮れるのではないかと思います。また、映像作品だけではなく、プラントや文化財などの撮影、点検、その他の現場での使い方もいろいろ探っていきたいと思います。