株式会社山と人 様
「アイスキャンディフェスティバル2022HYBRID」にて、Airpeak S1とFX3による映像撮影が行われました。Airpeakユーザーである、株式会社山と人の加藤様に、その様子をお伺いしました。
株式会社山と人 CEO
加藤 央 様
数々の山の登頂を踏破した経験を生かし、少人数向け登山者ガイドを担う。さらに、ドローンの操縦技術と映像制作の技術で、山岳での空撮を行っている。
株式会社山と人
山と人をつなげる
https://yamatohito.jp/
加藤様 アイスキャンディフェスティバルとは、八ヶ岳にある山小屋、赤岳鉱泉で毎年行われている冬のイベントで、山小屋の横に「アイスキャンディ」と呼ばれる人工氷瀑がつくられ、多くのクライマーがアイスクライミングを楽しみます。厳しい寒さに見舞われる八ヶ岳周辺では、その厳しい環境がゆえに見ることができる非常に美しい絶景があり、滝が凍ってできた天然の氷瀑は多くのアイスクライマーたちを魅了していますが、事故やトラブルが起きることも少なくないため、登山者にアイスクライミングの技術を指導し、より安全に楽しんでもらうために開催されています。
新型コロナウイルスの影響で、2021年のオンラインでの開催に引き続き、2022年はリアルとバーチャルを融合させたハイブリッドで開催されました。
今回の撮影は、ドローン「Airpeak S1」に、αシリーズの中でも動画撮影に特化したシネマラインの「FX3」を搭載し、「24mmF1.8のGMレンズ」を組み合わせる機器構成で行いました。標高2000mを超え、気温は氷点下という厳しい環境ながらも、それゆえその美しさは人々を魅了する絶景です。今回のアイスキャンディフェスティバルは、リアルとバーチャルのハイブリッド開催という事で、現地に来ることができない人たちにもその絶景をより良い映像で撮影し届けたいと思い、Airpeakを選びました。
八ヶ岳の中でも、赤岳鉱泉からさらに1時間ほど歩いていったところにある氷瀑は急斜面に位置しており、風は強くはなかったものの、山肌にぶつかる風が巻いて吹くこともある地形です。小さいドローンだとふらつくこともあり、映像がぶれたり危ないと感じることも有るのですが、Airpeakはそのような風の中でも非常に安定して飛行させることができ、氷瀑の全景とアイスクライミングをするクライマーの様子を捉えることができました。
Airpeak でこのアイスキャンディフェスティバルの様子を撮影するためには、標高2000mを超える赤岳鉱泉の山小屋まで、Airpeakを運搬する必要があります。機体、送信機、バッテリーやカメラなど、全ての機材を合わせると数十キロにもおよぶ荷物になります。途中までは運搬用の自動車で運ぶことができますが、それでも1時間以上は雪山を登山しなければなりません。私のほかに2名の歩荷のメンバーと共に、3名で機体を運びましたが、決して楽な登山ではありません。けれども、この苦しさをもってしてもAirpeakとFX3で撮りたい八ヶ岳の冬の景色がそこにはあります。Airpeakだからこそ撮影できるフルサイズのカメラで撮影した4Kの映像で、八ヶ岳の魅力を伝えたいと思い運びました。
実際に、AirpeakにFX3を搭載して撮影した映像は圧巻です。撮影した日は天気も良く、一面に降り積もった雪は太陽に照らされていましたが、FX3の広いダイナミックレンジのおかげで、白飛びが少なくハイライトのディテールが美しく表現できました。逆に、木陰や窪みなどのシャドーもきちんと捉えられていて、編集時には余裕をもって調整が出来ます。
滝が凍ってできた自然の氷瀑の、その色や凹凸だけでなく、表面の質感も表現ができていて、視聴者の方にもその場の雰囲気をそのまま伝えることができたと思っています。
撮影を終えて下山してから、動画を編集する際にもAirpeakの魅力を感じました。地上の撮影で利用したFX3をそのままAirpeakに搭載して撮影をしているので、地上の映像と空撮の映像を編集する際に、画角の調整やカラーマッチングが非常に楽で、また良い仕上がりになったと思っています。編集作業にかかった時間も、これまでよりも短くなりました。ちなみにAdobe Premiere Proで、Sony Look ProfileのLUT(Cine-709)を利用して編集しています。
今回は、冬の厳しい雪山を撮影しましたが、八ヶ岳には四季それぞれの顔があり、魅力があります。季節を変えて同じ場所を撮ってみたいと思っています。Airpeakは飛行ログからの再現飛行も可能ということなので、定点観測のような視点撮影ができれば面白そうだと思っています。
今回の環境は、ドローンにとってもカメラにとっても厳しいものでしたが、しっかり飛んでしっかり良い映像を残してくれて、Airpeakの信頼度の高さを感じました。Airpeakとαでしか撮れない映像を、もっと撮っていきたいと思っています。
来年のアイスキャンディフェスティバルも、Airpeakを使って撮りたいですね。