今から1300年ほど前、奈良時代に「伎楽」という日本伝統の舞踏劇が流行していました。面をつけ、色とりどりの衣装を身にまとった役者たちが、音楽に合わせて舞いながら演じる喜劇。当時の朝廷の支援もあり、東大寺大仏開眼法会(かいげんほうえ)で上演されるなどをしていましたが、時代とともに消滅。装束や小道具の染色法も、詳細は伝わっていません。伎楽については史料が非常に少なく、詳細は未だに謎に包まれています。特に、幻の染め「多色夾纈(たしょくきょうけち)」に関しては謎の中の謎でしたが、染色家・吉岡幸雄氏が研究を重ね、ついにその技法を解明。悠久の時を経て、天平の色があざやかによみがえりました。 |
|
詳しくは、asahi.comへ |
|
|
|
|
伎楽演目「獅子奮迅」の一場面 |
|
中央は伎楽の主人公・呉公。王にふさわしく豪華な衣装をまとう。左に座っているのは呉女従、右は太孤児(たいこじ)。 |
|
|
|
|
染め上がった多色夾纈 |
|
葉や花の微妙なグラデーションまで、見事に染め上がった。緻密な手作業と天然染料による染めだからこそ、まったく同じ作品は二度とできない。 |
|