「高校生の頃から聴き続けている、すごく思い出深いアルバムの中の一曲。レコードでもCDでも聴いているのですが、ハイレゾで聴いてみると、ピアノを弾いているキャロル・キングが、たぶんペダルを踏んでいるのだと思いますが、その鈍い音まで聴こえてきてびっくりしました。個人的には、大好きなジョニ・ミッチェルのバックコーラスが、はっきり聴き分けられるのも、とてもうれしかった。音楽の美しさがここにあるというか、本当にうっとりする曲ですね」
「細野晴臣さんのベースが力強く聴こえる、というのが第一印象でした。もともと本当に素晴らしい曲ですが、ハイレゾでは音の純度がいっそう高く感じられて、その独特の世界に引き込まれるようですね。私はいま毎週土曜の早朝に、六本木にあるビルの高層階から放送をしていて、そこからは海が見えるんです。明け方の東京の街で、海をわたる路面電車が見えた。まさしく、松本隆さんが歌詞に描かれた風景が蘇るようで、涙が出そうになりました」
「これも、私にとってルーツといえる曲のひとつ。このアルバムも、レコードでもCDでも聴いているのですが、とにかく味わい尽くしたい作品なので、ハイレゾでも聴いてみたいと思いました。リバーブが強く感じられて、ライブで聴いたときみたいに、音に包まれるような印象がありますね。ファーストアルバムの一曲目で、ウィ〜〜ンっていうあの独特のエレキギターで始まる。私はこの曲を、目覚ましにも使っています(笑)」
「ローファイな音も、ハイレゾのクリアな音質で楽しんでみよう、ということで選びました。エレキギターもタンバリンもピアノも、確かにそれぞれの音自体は輪郭がはっきりしているんですけど、全体の印象はやっぱりローファイというか。きれいな音、良質な録音環境とはいえないけれど、だからこそ、粗削りで尖ったカッコよさがある。こういう曲をハイレゾでリリースするような、実験的なアプローチも、これからは面白そうですね」
「ボブ・ディランが、アコースティックからエレクトリックへと移行する過渡期のライブ。当時は、なにか面白いことをやってやろうと、鼻息も荒かったのだろうと思います。歌声も力強く、心意気が感じられて、この演奏は本当にカッコいい。ロイヤルアルバート・ホールにこだまする、観客の盛大な歓声や拍手もとても臨場感があって。50年以上前の音源なのに、とにかくクリア。当時の録音技術も、それを再現するハイレゾの音質も、あらためてすごいと思いました」
※取材時にはハイレゾ対応のウォークマン「NW-A35」、ヘッドホン「MDR-1000X」で試聴しました。
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※音楽配信サイト「mora」で配信されている曲の中から選曲をしています。
※ハイレゾで聴く場合は「mora」で購入する必要があります。
※本ページに掲載している情報は2017年8月30日現在の情報であり、予告なく変更される場合がございます。
稲葉智美(いなば ともみ) 1986年生まれ。茨城県出身。2002年、アメリカ・ネブラスカ州の公立高校に1年間留学。ブラスバンドやクワイアなど、音楽に没頭する日々を送る。2013年、J-WAVE主催のナビゲーター・オーディションで優秀賞を受賞。現在、J-WAVE「ZAPPA」(毎日早朝5:00〜6:00放送)で土曜日のナビゲーターを担当、JFN系列「スキマから聴こえてくるラジオ 〜平野啓一郎の“そろそろいい時間”〜」(毎月第2土曜日26:00〜27:00放送 ※一部の地域を除く)ではアシスタントを務める。東京メトロの各駅で配布しているフリーマガジン『メトロポリターナ』では、音楽コラムを連載中。
稲葉智美 公式ブログ 「日々帖」
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