フォークシンガー・高田渡の長男として生まれる。17歳でデビュー、その後は日本を代表するマルチ弦楽器奏者として、YMO、細野晴臣、高橋幸宏、斉藤和義、くるり、星野源、等のレコーディングやライヴに参加。ソロ・アーティストとしても今までに5枚のアルバムをリリースするほか、映画、演劇の音楽も担当する。新作『アンサンブル』のリリースを記念し、9/25にはビルボードライブ東京(ゲストは細野晴臣)、9/27にはビルボードライブ大阪(ゲストは原田知世)にてライヴを行う。
(試聴して)……あ、これはすごいですね。これでBluetoothなんですか?すごいな。音自体もクリアだし、きちんと空気感も表現されている。ここまでいい音が聞こえてくるとは思いませんでした。驚きました。
実は6-7年くらい前かな?出始めの頃のBluetoothヘッドホンを一度だけ試したことがあったんです。ただ、正直に言うと、やっぱりまだこれからの技術なのかな?という感じがしました。低音の痩せ方が少し気になった記憶があります。でも、今回のこのSBH50の音には驚きました。普通にブラインド・テストをしても、有線ヘッドホンとこのヘッドホンとの区別は付かないんじゃないでしょうか? スマートフォンとのNFC機能を使った接続も面白いし、今はここまで進んでいるんだな、ソニーさんのデジタル技術はすごいなという感じがしますね。
僕はギターはもちろん、ペダル・スティールギター、マンドリン、ウクレレといったアコースティックな楽器を主に演奏していて、それを録音する機会も数多くあります。とはいえ、世代的にも趣味的にも、テクノやエレクトリックな音楽も大好きだし、そういうデジタルな音や環境とアコースティック、アナログなものとのバランスについて考えさせられることがあります。
そんな中で、このSBH50もそうですが、ここまでデジタルが進化してしまうと、アナログが全てベスト、というわけではない。デジタルの解像度がものすごく上がっていて、たとえば50年代や60年代には録ることができなかった音が録音できるようになったりもしているわけです。
だから逆に言えば、デジタルの良さとアナログ/アコースティックの良さの両方をうまく活かすほうが面白い。そして、それを実現するための人間の側の知識やメソッドもようやく定着してきたような感じがあります。僕も今回、久々にソロ・アルバムのレコーディングをしたわけですが(『アンサンブル』2013年発表)、前作(『12 notes』2006年発表)と比べて、こんなに音作りって進んでいるんだ、とびっくりさせられました。今作のエンジニアは関口正樹くんという人なんですが、彼がデジタルで録ったアコースティック楽器やエレキギターの音は、本当にものすごくいい音になっていると思います。
そして再生環境の問題もありますよね。今は、音楽のデジタルデータをスマートフォンで聴くということが、本当に普通になってきた。僕自身も頑固なCD派だったんですが、その環境に違和感がなくなってきました。
ただ、スマートフォンは電話でもあるわけなので、いろいろと不具合はあって……あ、今のBluetoothヘッドホンはそのまま電話も受けられるんですか、知らなかった(笑)。ラジオも聞けちゃうんですね。すっごいな〜(笑)。至れり尽くせりですね。
そうですね、機能はたくさんだし、軽いし、音はいいし、この一台で、僕のミュージシャンとしての旅も少し楽になるかと思います。この記事を読んでくださっているみなさんにも、新作『アンサンブル』を、スマートフォン+SBH50の組み合わせで聴いていただけると嬉しく思います!