商品情報・ストアICレコーダー/集音器スペシャルコンテンツ PCM−M10 トークセッション

Sony開発者×Sony Music Studios Tokyoレコーディングエンジニア PCM-M10 トークセッション

03. “ウォーム”で“ふんわり”な音の特性

篠笥

ぼくらレコーディングエンジニアのいちばん気になるところでもあるマイクの特性はどうなっているんですか?

橋本

これまでのモデルでは単一指向性マイクを採用したのに対して、『PCM-M10』では低域から高域まで均一に集音できる全指向性マイクを採用しています。『PCM-D1』と『PCM-D50』はフィールドレコーディングなども想定していましたから低域が強くなりすぎないように意図的に抑えた部分もあるんですが、『PCM-M10』は40Hzまでフラットにのびていますので、ベースやピアノの音がやせてしまう心配はありません

昔、高校生の時のバンド練習にラジカセを持って行って、カセットテープに録音したことがあるんです。演奏が終わって聴いてみたら、ベースだけがモォ〜ッとしていて、聴いてもよくわからないんですよね(笑)。ところが『PCM-M10』で録ったもの(バンドの練習を試し録りした録音)を聴いたら、しっかりと鳴っていて、マイクの位置をかなり意識して録ったのかなと思いました

橋本

いや、それはしていないです

何種類も録った中から、ベスト・テイクを選んだのかなと思ったりもしたんですよ(笑)

橋本

いや、それもしていないです(笑) 録音ブースが狭かったので、置く場所が限られてしまって、本当にボンと置いただけです。演奏側にも聴いてもらったんですが、あんな狭い部屋で録ったのにボーカルも楽器の音もしっかりと聴き分けられるように録れているのでびっくりしたと言ってました。置いて録音する際も、ラフに置いてもおかしな音で録音されることはほとんどありませんので、どんな方でもあまり失敗なく記録することができると思います

それはすごいし、楽ですね。ぼくらがいる必要がない(笑)。わたしたちの録音現場でも、オーディエンスとして録るときはマイク角度を120°に固定して録音する場合が最近は多いんですよね。確実に録れますので。60°か120°くらいを一番使います

松尾

120°くらいに広げたほうが、音にも広がりがあって楽しいからね

そう、スタンド2本で、全指向性マイクで広げてセッティングしたり。広がりがあって気持ちがいいですよね

橋本

音質面もいまおっしゃっていただいた雰囲気に近いと思います。『PCM-D1』と『PCM-D50』が“クール”で“シャープ”な感じだとすると、『PCM-M10』は“ウォーム”で“ふんわり”な感じと言えます。低域が出ることもあって、そういう音の雰囲気になりました

ミュージシャンもどちらかというと“ウォーム”な方を好みますね

松尾

そういう傾向がありますね。個人的にも低域がしっかりと感じられる『PCM-M10』が好みです

橋本

その場の全体感ということでしたら『PCM-M10』で、どこか一点を狙って捉えるということでしたら『PCM-D1』と『PCM-D50』がオススメと言えます

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