Rokuichi GoichiGALLERY
Gear Impression機材インプレッション
小さな掌に抵抗なく収まる小型軽量のギアは街へ繰り出す背中を力強く押してくれる。
東京の日常は穏やかだが目に写る景色はいつも忙しい。自分の作品と呼べる写真のほとんどが、出会い頭の「瞬間」だ。それは街の息遣い、天候、四季、光、影、匂い、空気。透明なモノを追いかけていると、作られた瞬間ではない、本当の物語を感じる。登場人物達の思いに想像を巡らせ灰色の街を掻き分け進む。相棒と呼べるカメラを片手に。移動中の撮影にはラフに本気が出せる機材が必須だ。小さな掌に抵抗なく収まる小型軽量のギアは街へ繰り出す背中を力強く押してくれる。毎日持ち歩くことでシャッター回数を自然と増やし、それだけ目や腕を養うチャンスは増えていく。作品について訊ねられると返答に困る事もあるが、単純に今、自分が生きている時代を撮りたい。目に映る光を、美しい時を、二度とない瞬間を記録する事が、ライフワークであり愛であり、生き様であるから。そんな風に言えたら。なんて想いを抱えつつ、少し照れながら今日もファインダーを覗く。