たとえば、散歩中に愛犬が拾い喰いをしそうになることはありませんか。興味を持って調べてみたい、という好奇心はどの犬にもあるものですが、飼い主に許可を得ずにやっているとしたら問題です。
こうしたときは、必ず立ち止まって飼い主に確認させるようにします。「いいですか?」と訊ねさせるわけです。
OKの意思表示を出して行わせることもあるでしょう。「知らんぷり」と指示をして通りすぎたほうが良い時もあるでしょう。誤飲・誤食の事故は、すべて飼い主の責任なのです。自由がなくてかわいそうですか? いいえ、放任主義で誰も自分を管理してくれないほうが、犬にとってずっと不幸なのです。 |
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帰宅したら玄関で真っ先に愛犬がとびかかってきて、そのまま急いで食餌を与える・・・一見微笑ましい風景ですが、犬との信頼関係を築くうえでは大きな誤解を与えてしまいます。
飼い主は帰宅したら、まず人間の家族に挨拶をし、食餌も人間の後。すべて人間が先。これが鉄則です。
犬という動物は、順位が安定していないと大変なストレスを感じているようです。私達人間社会の平等とは異質のモノなのです。つまり管理されているほうが幸せなのです。あいさつの順番、食餌の順番には気をつけましょう。(食事については、成長期や病気療養中の犬は例外です)
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犬との信頼関係ができてなくては、撮影どころではありません。信頼関係の構築で大切なのは、犬に安心できる良い環境を与えること。
まずは、熟睡できる場所を提供しましょう。
具体的には「屋根のある寝床」です。たとえ室内であっても、自分だけの屋根付きクレート(巣穴)があってはじめて、犬は安心して熟睡します。それがないと、犬はソファの上などで休むようになります。
これはくつろいでいるのではなく、敵を警戒するために見晴しの良い場所を確保しているの場合が多いのです。安心のある環境を整えることは飼い主であるあなたしかできません。
ゲージはわんちゃんを囲って閉じ込めるためのものだけではなく、わんちゃんにとってはまわりからいたずらされない「安心するスペース」と思ってください。
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「犬のしつけ」ができている、できていないは誰が判断するのでしょう。それは・・・犬嫌いの人を含めた『他人』です。
内閣府のデータによると日本人の約31.7%が動物嫌いだそうです。数字で見ると約4,000万人もいるのです。それに対し、犬の数は?ペットフード工業会の統計を見ると、昨年は1,252万頭・・・動物嫌いの人の方が何倍も多いのです。家族の一員であるとともに、社会の一員であることも忘れないで!!
愛犬をなかなかうまく撮影できない・・・という方の多くが、カメラの操作以前に、基本的なしつけで壁にあたってしまっています。
「しつけ」は、ただただ「お座り」や「待て」を教え込む、ものではありません。様々な観点で愛犬とかかわっていくことが求められます。犬が好きな人だけではなく苦手な人・嫌いな人とも共存していくための“ルールとマナー”を教える・・・これがしつけです。
具体的なトレーニングは(1)犬との信頼関係を築く (2)社会性を身につける (3)指示語 (4)生活マナーを身につける の4種類です。
一見堅苦しそうに感じますが、愛犬も「家族の一員」と考えれば、普段の生活の中では「当たり前の日常」と考えてください。それぞれの意味や具体的にすべきことは、また後でお話していきます。
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「いいね、その笑顔!」「その表情、素敵!」・・・人間のモデルを撮影するカメラマンは、被写体となるモデルさんに積極的に話しかけて、モデルさんの気分を盛り上げ、いい表情を撮ろうとします。
その話しかけているときは、必ず撮影者も笑顔で接していると思います。これは愛犬を撮影する場合も同じで、「かわいい」と話しかける気持ちは愛犬にも伝わり、飼い主と一緒に楽しく遊んでいるんだ、という気分になります。そうすれば、愛犬も自然にいい表情をしてくれます。
ひたすらカメラの操作に夢中になって無言で撮っていると、犬は叱られているような気分になって、レンズの前からいなくなってしまうかもしれません。さあ、犬を笑顔にできるかな?
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#03のコメントでも触れているように「カメラのレンズは、犬にとって得体の知れない敵の「目」といってもいいものです。」・・・とレンズを向けたら脱兎のごとく逃げる、敵意をむき出しにして暴れる。あるいは完全に無視。こんなとことん撮影嫌いの犬もいます。
こうした場合は、シャッターを切ると同時にフード(おやつ)を犬の前に降らしてみましょう。これを繰り返し、楽しい経験とカメラを結びつけます。すこしずつフードをあげる回数を減らし、同時にカメラからフードが飛び出てくると思わせるように導入してみましょう。カメラ自体を好きになっていってくれるはず。
「嫌い」を「好き」に、というように、「ホントは楽しいモノなんだよ」と教えていく方法は、「逆条件づけ」と呼ばれているトレーニング方法です。
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月齢3ヶ月までにカメラに慣れるのがベスト、といっても「ウチのコはもう成犬・・・」という場合で、カメラを向けることをかなり嫌がるようならば、最初は怖がらない範囲の遠くからか、または望遠レンズを使って、犬が遊んでいる姿など自然な感じを撮るようにしましょう。
たくさん撮影して、それに慣れたら少し近づく、またたくさん撮って慣れて少し近づく、というように徐々に犬とカメラの距離を縮めていきましょう。こうしてカメラの外観やシャッター音に抵抗力をつけていきます。これが「系統的脱感作」の考え方です。
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カメラのレンズは、犬にとって得体の知れない敵の「目」といってもいいものです。
レンズを向けられると、慣れていない犬はレンズとにらみ合って臨戦態勢にはいります。どちらが優勢なのか決着をつけようとすることもあります。こんな状況ではリラックスした表情など撮れません。
まだ怖いもの知らずの不安を感じない時期、幼犬のうちにカメラに慣れさせておけばこんなふうにはなりません。月齢3ヶ月までぐらいにたくさん写真を撮ってあげると、以後がだいぶラクになりますよ。
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毎日のように花火の音が聞こえる遊園地のそばなどの地域で飼っている犬は、花火の音にまったく動じません。
同様に、初めてカメラを向けられると犬もはじめて聞くシャッター音・フラッシュの突然の発光・大好きな飼い主にぶら下がっている得体の知れないモノを感じ緊張しますが、自分に危害を加えないモノだと犬が感じると、ぜんぜん気にしなくなります。
さらに飼い主が楽しそうにしていれば、それが「当たり前」になってきます。これが「習慣化(順致)」の考え方。
とにかくたくさん写真を撮って、飼い主が喜んでくれることだとわかれば、犬もリラックスして表情も良くなってきます。犬も、人間のモデルさんのように数多く撮られるとだんだん「さま」になっていくわけです。
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ほとんどの時間を「大人の女性」や「子どもたち」と過ごす現代の家庭犬は、「大人の男性」に慣れていないため、怖がったり、警戒する犬が多くいます。
とくに大きな男性が黒っぽい服を着ていたりすると、さらにいけません。もともと犬にとって黒は威圧感がある色なので、それを男性が着ているとさらにおびえてしまう傾向があります。
リラックスさせて撮影するためには、淡い色の服を着るようにしたほうが良いでしょう。
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