“αレンズ”は、良心的に作られたレンズが他社にくらべて圧倒的に多い。良心的なレンズ作りとはなんでしょうか? 例えば、それは内面反射防止に現われます。レンズの中をよく見てみると、内面に反射しているところが少ない。またレンズ表面における反射は、ゴーストやフレアの原因となってしまいます。“αレンズ”は、カール ツァイスを筆頭に、コーティング技術の高さでこれを抑えています。
(1)を見てください。
Vario-Sonnar T*DT 16-80mmF3.5-4.5 ZAで撮りました。探さないと見つからないくらい、ゴーストが軽減されています。T*(Tスター)コーティングのレンズは、逆光でもゴーストを気にせず、安心して使えます。
そして“αレンズ”が伝統的に持っている良さは、なんといっても、キレイなボケ描写です。大口径レンズでシャープなレンズにしようとすると、どうしても点光源がボケたとき、ボケの周辺に光が分布してしまう。これは2線ボケと言われ、美しくないボケの代表ですが、多かれ少なかれあるものです。
(2)はVario-Sonnarで絞り開放で撮影。2線ボケはなく、光が均等に分布している、いわゆる「すなおなボケ」になっています。
(3)はフォーカスの合っているところは抜群のシャープさで、しかも点光源のボケは、その周辺に光が分布していないのでボケがやわらかいんです。
わずかに後ボケになったところにレンズの味ともいえるものがあります。
Sonnar T*135mm F1.8 ZAも
Planar T*85mm F1.4 ZAと同等のボケを出しますが、若干味付けが違います。Sonnar T*135mm F1.8 ZAは、Planar T*85mm F1.4 ZAよりもやや味付けを抑え、そのかわり、フォーカスが合った部分のシャープさが、さらにすごい。85ミリはポートレートに最適で、135ミリは万能の大口径です。
(4)は、レースの繊維1本1本が克明に写っています。前髪もビシーッとシャープ。ところがこのネックレスは、Planar T*85mm F1.4 ZAと同じようにホワっとボケています。85から135mmの中望遠の大口径で、絞り開放で、背景がこんなに味わいのあるボケ方をするレンズは、世界でもミノルタのGリミテッドと、このPlanar T*85mm F1.4 ZA /Sonnar T*135mm F1.8 ZAしかないんじゃないかな?
Sonnar T*135mm F1.8 ZAはまた、接写にもすごく強いんです。
(5)の写真で、左の花はほんのわずか手前にピントを合わせています。するとすぐ後ろの花びらは少しにじんでいます。これが先ほどから言っている「味」です。ちなみにこの135mmは、「世界で一番明るく、ボケのやわらかいマクロ写真が撮影できるレンズ」といってもいい。