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商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αもっとαを楽しむ “α700”リレーインタビュー
“α700”リレーインタビュー プロカメラマン編
1.馬場信幸氏 2.清水哲朗氏 3.吉住志穂氏 4.藤城一朗氏
16:9で切りとるモンゴルの空
■ボディ内蔵手ブレ補正の効果を実感
“α700”を携えて、モンゴルに出かけてきました。何度も行っているモンゴルですが、今回の目的地は、ドンドビ県にある峡谷です。豊かな大草原のイメージとはまた違った、スケールの大きいモンゴルの空と大地を“α700”で撮ってきました。

(1)は、ホテルの敷地内に咲くコスモスのスナップ撮影。「花を撮影するときは三脚を使いなさい」って教わりますよね。僕も教室ではそうアドバイスしています。一般の方にとって写真の失敗といえば、まず第一に手ブレですから。(2)の花は手持ちで撮影しています。ここまで寄っても、ブレることなくビシッとシャープに写りました。液晶モニターで、仕上がりをしっかり確認できましたよ。これで、「ああ、この手ブレ補正機能イケる!」って実感しました。前景のボケもいい感じです。

(3)は、夕方の草原でじゃれあう馬をみつけて、夢中で走っていって撮りました。まだ“α700”を手にして間もないころで、ほとんどファーストタッチに近かったのですが、違和感なく、すんなりと撮ることができました。モンゴルでも、こういう瞬間ってなかなかめぐり合えないものなんですよ。三脚を用意していたら間に合わなかったでしょうね。手ブレ補正機能があることで、三脚の縛りから解き放たれたという感じがします。

“α700”はAFの精度もいいですね。動く被写体をAFで撮影すると、ピント合わせにAFが迷って、なかなかシャッターが切れないってことがありますよね。この写真を撮ったときはピントが瞬時にあって、実に気持ちがよかった。うれしくて何枚もシャッターを切りましたよ。
 
(1)
(2)手持ちで花を撮影
(3)馬がじゃれあう一瞬を手持ちで撮影
■16:9モードで空間を遊ぶ



僕にとって、ファインダーの中は舞台のようなもの。舞台の端から端まで使うか、真ん中だけにスポットを当てるかで、スケール感が変ってくるんです。16:9っていうサイズは、より空間を遊ぶことができるサイズですね。

(4)は、16:9を生かし、2頭の馬にほどよい距離感をもたせて撮影しました。一般的な写真の縦横比である3:2だと、空や地面に余分な空間が出てしまいます。(5)は、16:9の縦位置を生かして、まだ空の青さが残る頭上から、赤く染まる地平線までのグラデーションを撮りました。16:9の縦位置は、見慣れていないせいもあって、実際の比率以上に縦に長く見える。空の高さを表現するのに、この縦位置はとてもいいですね。

“αレンズ”のなかで僕のお気に入りは「Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」です。他に何本かレンズを持って行きましたが、モンゴルでは、ほとんどこのVario-Sonnar一本で撮影していました。もともとこれぐらいの焦点距離のレンズって、目で見たイメージに近い撮影ができるので好きだったんですけど、16:9の比率に、特にちょうどいい焦点距離なんじゃないかな。被写体と普通の距離にいながら、しっかりと主役が浮かび上がるような感じの大きさになる。16:9サイズなら、超広角レンズじゃなくても、ワイド感が出ますし。

16:9で撮影すると、上下に不要なものが入らないので、僕が伝えたいモンゴルのイメージを表現するのにぴったりのサイズです。(6)のような写真でも感じます。無駄がなくて、心地いい。まさに、僕が表現したかったモンゴルの空のイメージです。

(7)は、モンゴルのドンドゴビ県にあるツァガーン・ソーラガという渓谷です。アメリカのグランドキャニオンほどではないにしても、壮大な景色です。この日は、草木がないので一見穏やかそうに見えますが、実は飛ばされてしまいそうなほどの強風が吹き荒れていました。

16:9の面白いところは、広角レンズでの撮影とは、また違ったワイド感が得られるということ。(8)の横位置ではワイドに、(9)の縦位置では、落差を強調してより緊張感が生まれます。

もちろん、16:9ばかりではなく、3:2の方が写真が生きる場合もあります。例えば、16:9で撮影した(10)よりも、3:2の(11)のほうが画面に無駄がなく、迫ってくるような力強さを感じます。

また、16:9の(12)と3:2の(13)では、奥行きの印象が変化するので、(13)ではこのようにラクダに近づいて撮りたくなります。画面の切り方ひとつで表情はいくらでも変ってくるんです。今回の撮影旅行では16:9という縦横比が加わったことによる新しい絵づくりを、夢中になって楽しむことができました。
 
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
■大きくて見やすいファインダーと液晶モニター
“α700”の色はとても素直で、「見たまま」に近い、というのが今回のモンゴルで感じた印象です。その場で設定による写りかたの違いを試してみました。それぞれに良い点があって、どの表現がいいかは写真の用途や好みによりますね。ちなみに、実際に目で見たイメージに一番近い色合いは(14)のスタンダードです。“α700”のファインダーは、大きくて見やすいんですよ。だから、ストレスなく撮れます。液晶モニターもいい。撮った画像をその場で確認して、色合いや仕上がりをイメージできます。この写真で「スタンダードが肉眼に近い」ということは現場でも確認できていましたよ。

 
(14)スタンダード
(15)ビビッド
(16)ニュートラル
(17)風景
(18)白黒
DSLR-A700
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