写真はよく「引き算」だといいます。写真教室などでも、まずはファインダーから無駄なものをカットしていくことをすすめます。それはとても大切な第一歩です。僕はその上で、「足し算」が必要だと思います。引き算は基本だけれども、そこに足し算っていう、自分なりの面白みを加えていかないと、表現って成り立たない。
僕は写真を撮るとき、周囲環境をうまく生かしたいと思っているんです。印象的な部分のみを切り取るのもひとつの撮り方ですが、せっかくいい雲が出でいたら、それも入れたい。“α700”の16:9の縦横比は、構図の隅々にまで気を配って、そういう絵作りを楽しむのにうってつけかも知れません。
(11)は、16:9の縦位置で、沈む太陽と走行する車を、思い切り引き離して撮影しました。
(12)も縦位置でシマウマの背景となる木を入れることを考えています。
(13)も、16:9で手前の3羽のペンギンと、後ろで寄り添う2羽のペンギンを、一枚に収めて、写真にストーリー性を持たせたかった。
(14)は、歩く鳥、というところにとても不思議な感じを受けたので、そのユーモラスな風景を16:9の縦位置を生かして撮ろうと考えたものです。
(15)は、背景を省いて、16:9の縦いっぱいに、2羽のペンギンを配置。
(16)も、16:9の縦位置ならではの構図です。落とした影のシルエットだけで「ペンギン」とわかるように、ペンギンのくちばしが横をむいた瞬間をじっと待って撮りました。