α65と巡る旅 海外風景や人物など、さまざまな撮影ジャンルを得意とする写真家 桃井一至氏。今回、“α65”を持って熊本県へ撮影に訪れた桃井氏に、そのカメラの魅力を語ってもらった。

ダイナミックな風景を、“α65”で撮りたかった。

DT 16-105mm F3.5-5.6・1/2000秒・F6.3・−1.0EV・ISO200・WB太陽光
70-200mm F2.8 G・1/1600秒・F5.6・ISO200・−0.7EV・WB太陽光

今回、“α65”を持って熊本県の阿蘇から島原までの広い範囲を撮影しました。熊本なら、ダイナミックな風景から鍋ヶ滝や阿蘇山などの観光名所もあり、“α65”の撮影に適していると思って旅立ちました。新しくなったイメージセンサーや「ピクチャーエフェクト」などを試していて感じたのは、小さくてもパワフルな性能です。特に有効約2430万画素のセンサーは、かなりのポテンシャルの高さを実感しましたね。それから、「Dレンジオプティマイザー」や「オートHDR(ハイダイナミックレンジ)」で、階調表現をコントロールするような撮りかたも楽しめますし、さまざまな種類の「ピクチャーエフェクト」もあるので、そういう意味ではいろんな楽しみがあるカメラだと思いましたね。

風景描写に“α65”のチカラを実感しました。

DT 16-105mm F3.5-5.6・1/1250秒・F8・−0.3EV・ISO200・WB白熱灯・クリエイティブスタイル 風景

これは多くの島が沖に浮かぶ島原の九十九島(つくもじま)の眺めです。こちらに向かってくる船を待って撮影したのですが、一般の方は風景を漠然と撮ってしまうというか、主題を決めずに撮ってしまう場合が多いので、何を見せたいのかとしっかりと決めて撮影するのがコツですね。この島と半島だけではとらえどころない写真になってしまうので、画面に動きを出してくれる船を入れて撮ってみました。遠くの雲まで細かく描写されていて、有効約2430万画素の圧倒的な美しさを実感しました。高画素センサーのチカラが存分に発揮されていると思います。解像力の高いレンズを使えば、この画素数をさらに生かせるのではないでしょうか。正直1000万画素と2430万画素をA4でプリントしても差はないと考えがちですけど、やっぱり2430万画素のほうが美しいんですよね。美は細部に宿りますね。

2430万画素は「ゆとり」になると思います。

DT 16-105mm F3.5-5.6・1/4000秒・F8・−1.3EV・ISO200・WB太陽光・クリエイティブスタイル 風景

沖合の船にもズームアップしてみました。こんなときも画像の一部を切り出して拡大できる「スマートテレコンバーター」を使えば、1200万画素と600万画素で切り出せますから、撮影の幅がかなり広がります。1200万画素ぐらいあればA3サイズに伸ばしても十分に耐えるので、レンズなどの荷物を減らしてフットワークよく撮影できるというメリットも出てきますね。初心者の方の場合は「ちょっと望遠が足りない」とか「写真に失敗した部分がある」とか、そういった場合にも、画像をトリミングすることで余分な部分をカットしたり、構図を整えてよりいい写真にできると思います。2430万画素はかなりのパワーで、あらゆるシーンで「ゆとり」になると思います。

“α”の空のクリアな感じとかが好きですね。

70-200mm F2.8 G・1/1600秒・F8・ISO200・−1.3EV・WB太陽光・クリエイティブスタイル 風景

台風が過ぎ去った後の空。阿蘇の展望台から人物がシルエットになるように撮影しました。僕はもともと“α”の色や階調表現が好きで、風景写真でいうと空のクリアな感じとか、ポートレートの肌の透明感や質感がけっこう好きですね。

DT 11-18mm F4.5-5.6・1/100秒・F8・ISO100・WB太陽光・オートHDR

この強い日差しが差しこむ日本家屋も、明るいところと暗いところの階調まで残せるように「オートHDR(ハイダイナミックレンジ)」で撮ってみました。旅行中こういうコントラストの高いシーンでは、「オートHDR」を多用しましたね。“α65”はとにかく機能が盛りだくさんなので、その機能の分だけ、楽しさが広がります。エントリークラスのカメラでここまで搭載しているものがないので、お得感の高さも魅力的ですね。

写真家 桃井 一至

1968年生まれ。1987年 写真家・長友健二氏に師事。3年間のアシスタント生活のあとフリーランスカメラマンに。現在、写真撮影をはじめカメラ関係書籍の執筆、テレビ出演なども行っている。(社)日本写真家協会会員。撮影ジャンル/人物・海外風景など多彩。