α65と巡る旅 海外風景や人物など、さまざまな撮影ジャンルを得意とする写真家 桃井一至氏。今回、“α65”を持って熊本県へ撮影に訪れた桃井氏に、そのカメラの魅力を語ってもらった。

ファインダーで、じっくりと自分の世界に浸れました。

DT 11-18mm F4.5-5.6・1/3秒・F25・−1.0EV・ISO100・WB電球
DT 11-18mm F4.5-5.6・1/3秒・F25・−1.0EV・ISO100・WB太陽光

滝を裏側から眺めることができる、熊本の鍋ヶ滝。スローシャッターで水の流れを幻想的に表現してみました。こういう暗い場所でもXGA解像度の有機ELファインダーなら被写体がよく見えました。これまでの光学ファインダーだとどこまで写っているのかわからなかったのですが、それに比べて圧倒的に見やすかったです。表示も有機ELファインダーならではの精細な感じで、ピントの細かい部分まで判別できますし、一般ユーザーの方がのぞいたら光学ファインダーとの違いが分からないくらいだと思います。それから色を変えたときにも、有機ELファインダーだと、「こう写るんだろうな」というシミュレーションがしっかりできますね。カメラの設定もファインダーをのぞきながら行えて、ファインダーで写真を撮る醍醐味をしっかり味わえました。ファインダー撮影は「自分の世界に浸れる」という喜びがあります。もちろん液晶モニターで撮影するのも悪くないのですが、やはり周りの風景が入るので、ファインダーの方が被写体に集中できるので僕は好きですね。

液晶モニターで撮っても、AFスピードが変わらない。

DT 16-105mm F3.5-5.6・1/4000秒・F8・−0.7EV・ISO1600・WB太陽光・クリエイティブスタイル 風景
DT 16-105mm F3.5-5.6・1/400秒・F8・+0.3EV・ISO200・WB太陽光

日本最大の水路橋である「通潤橋(つうじゅんきょう)」。ものすごい勢いで放水されている水を、人ごみの中から手を伸ばして撮ったのですが、“α65”は液晶モニターで撮っても、ファインダーで撮っても、オートフォーカスの速さが変わらないのもポイントです。多くのカメラはファインダーを覗いて撮るときはAFが速いけど、液晶モニターに切り替えると突然AFが遅くなるものもありますので。それに、ファインダーと液晶モニターをスイッチで切り替える必要がないので、操作に迷わないのもいいですね。僕はファインダーをのぞく前に液晶モニターで構図をだいたい決めて、ファインダーで撮影したりしますね。ピント合わせも、液晶モニターからファインダーへの切り替えも含め、レスポンスの速さは気持ちよかったです。僕は結構せっかちなので、きびきび操作できるのがうれしいですね。せっかちな人にもおすすめなカメラです(笑)。

“α65”の進化について感じたこと。

「トランスルーセントミラー・テクノロジー」によって、ほんとに今までできなかった多くのことが“α65”でできるようになっています。例えばオートフォーカスや連写を含めた高速レスポンス、被写体にピントを合わせ続けられる動画撮影、動画での位相差オートフォーカスは“α”以外はありませんからね。有機ELファインダーではホワイトバランスなどが反映されるので、思い描くイメージに素早くたどりつく感覚はありますし、今後“α”がどのように進化していくか大変楽しみです。付け加えるとすれば、今回の撮影が終わってみてGPSが大変便利でした。旅行から帰ったときに地図上に写真が表示されると楽しいし、整理もラクだと思います。僕も使っていて、写真の整理とかがすごくラクでしたね。ご年配の方でも小さくて軽い“α65”は負担にならないので、きっと撮影旅行の良きパートナーになると思います。

DT 16-105mm F3.5-5.6・1/320秒・F13・−0.7EV・ISO100・WB太陽光・スイングパノラマ機能使用
写真家 桃井 一至

1968年生まれ。1987年 写真家・長友健二氏に師事。3年間のアシスタント生活のあとフリーランスカメラマンに。現在、写真撮影をはじめカメラ関係書籍の執筆、テレビ出演なども行っている。(社)日本写真家協会会員。撮影ジャンル/人物・海外風景など多彩。