「いいな」と思った瞬間を逃さずシャッターを押せるのはプロのカメラマンだと思います。でも普通はなかなか難しいことなので、その瞬間を逃さず撮りたいときは“α65”の約10コマ/秒連写がとても重宝すると思います。だいたいこの辺というところを予測して連写すれば、だれでもかんたんにシャッターチャンスをものにできますし、それに連写しておくと予期せぬ瞬間だったり、表情だったりが撮れるので、いい表情が欲しければ連写をすればいいと思います。また子どもが遊んでいるシーンなど相手が動いている場合は、連写と組み合わせて「追尾フォーカス」を使うとうまく撮れますね。被写体が動いてもピントを合わせ続けてくれるので、この写真のように女の子がジャンプしている瞬間もかんたんに捉えることができます。
2人でスープを飲んでいるところを撮ってみたのですが、2人、3人が写っていたら全員の顔を意識しながらシャッターのタイミングをとらなければいけません。2人のいい表情を同時に狙うなら、やはり連写が重要になってきます。そんなときも約10コマ/秒の連写は役立ちますし、“α65”はどんどん連写していいカメラだと思います。
有機ELファインダーの見え味にはびっくりですね。これまでの電子ファインダーはテレビを見ているような感覚だったのですが、かなり光学ファインダー寄りになったと思います。自然な見え味で、ずっと見ていても疲れないですね。僕自身はファインダーを使って撮ることが多いのですが、 “α65”の有機ELファインダーならピントの細かいところまで確認ができます。自然な見えでピントの山を確かめながら、マニュアルフォーカスでしっかりピント合わせができる。色の再現もファインダー内ではっきり、くっきり見えるのがいいですね。それに露出やホワイトバランスまで映し出してくれるので、さらに調整してイメージをつくり上げるのに役立ちます。操作を覚えてしまえば、いちいち撮ったあと背面の液晶モニターを確認しなくても有機ELファインダーをのぞきながらすべてできてしまうのは魅力ですね。
子どものポートレートを撮る場合は子どもがカメラを意識してしまうので、モニターを見ながら撮影ができる可動式の液晶モニターがかなり役立ちましたね。ファインダー越しにしっかりのぞいているというような威圧感を与えないですし、撮る人の顔が見えれば子どもも安心して自然な表情ができます。あとポートレートは相手の目線の高さで撮るのが基本。相手が座っていればそれに合わせ低くかまえて撮るし、さらに低い体勢で狙う場合も可動式の液晶モニターならしっかり相手の目線に合わせて撮影できるので、表情をより引き立たせることができます。
1975年横浜市生まれ。23歳でフリーランスとして独立。ライフワークとしているモンゴルでは独自の視点で自然風景からドキュメントまで幅広く撮影。2005年『路上少年』で第1回名取洋之助写真賞受賞。2007年NHK教育テレビ『趣味悠々』デジタル一眼レフ風景撮影術入門講師として出演。個展開催多数。公益社団法人日本写真家協会会員。