4K、HD技術を駆使した先端医療を動画記録し、
オプティカルディスク・アーカイブと管理システム「MNEMOS MD」で映像管理。
広田眼科様では、眼科治療全般に精通した経験豊富な医師が在籍し、年間数千件におよぶ手術を執刀しています。
2000年以降は手術動画の活用を始められ、2017年には、新たに4K/HD手術室および動画管理システムを導入されました。このシステムで記録した動画を用いた廣田院長の発表は、その後2019年5月にASCRS（米国白内障屈折矯正手術学会）2019におけるFILM FESTIVALでNEW TECHNOLOGY賞を受賞されました。
この記事は2019年6月上旬に、同院 廣田 篤院長に取材した内容を弊社にてまとめたものです。
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2017年、手術室2システムの更新にあたって、「高画質化」「確実なデータの記録」「手間がかからないシステム」の3点を重視した設計を行いました。カメラシステムは4K解像度を用いた高性能な手術システムを検討しました。また、4KやHD映像を院内のさまざまな設備でリアルタイムに遅延なく閲覧し、情報共有の質を高めることを目指しました。また、手術動画は高画質なまま確実に記録すること、旧来のアナログな方式から脱却し運用上の手間を削減すること、そして記録後の編集や教育などへ利便性高く活用することを意識していました。
手術中は4Kディスプレイ（BRAVIA）への表示を、外来で得たファイリングシステムのデータと照らし合わせることができて、より正確な手術を心がけることができる
今回の手術システム更新では4Kカメラシステムを採用しました。4K高解像度により、眼科特有の明暗差が鮮明に確認できるようになります。さらに8−10ミクロンの薄い膜をはがす操作も、高い解像度で初めて確認することができます。この高精細な映像をHVO-3300MTでHD記録します。従来のシステムでは民生機器で記録を行っていましたが、手術記録後の動画編集においては取り込みが圧倒的に高速になり、編集のための下準備を省くことができます。また、手術中には、レコーダーに記録すると同時に手術管理システムに転送・登録されるため、データ管理を自動化することができました。
手術は、一日に多い場合には数十件におよびますが、バーコードリーダーを活用し、患者IDを動画に紐づけることができ、患者情報入力の手間を大きく省くことができます。
HVO-3300MTの操作性はスタッフからも好評で、快適な運用を実現できました。
従来のDVDやブルーレイディスクでは、管理のためのラベリング作業は、術前術後の看護師の手間になっていました。当院も含め、特に緊急患者の多い病院では、この作業は大きな負担で課題になっています。また、記録動画は学会発表や教育などの2次利用を目的に、高い解像度のまま保管したいと考えており、容量の不足が課題でした。
そこで今回、記録メディアとして、オプティカルディスク・アーカイブを採用しました。
手術時の記録解像度は圧縮せずそのままに、大容量記録を行えます。加えて各手術動画は管理システムMNEMOS MDを導入することで、年間数千件以上になる手術数も、患者IDや日付情報から、簡単に検索することができ、記録メディア管理も非常に簡単になりました。
これまでに蓄積された症例はさまざまな講演を通じ、多い年には年間20回以上ご紹介しています。この他にも、広島大学、山口大学、筑波大学、多根記念眼科病院などと連携した研究や、院内教育用途でも利用しますが、やはり、高精細な動画は誰にでもわかりやすく、質の高い技術情報を提供することができます。HD映像の活用は看護師など院内メンバーの行動にも良い影響が出ています。今後もソニーには、映像データの二次利用時により扱いやすくしていただくとともに、高性能な医療機器を開発いただきたいと期待しています。
