30型4K有機ELマスターモニター「BVM-X300」の画質性能、深い黒と正確な色再現を継承しながら、ソニーならではの液晶パネル技術で、全白時の高い輝度表現を実現しました。独自仕様の広色域液晶パネルとバックライト、カラーマネージメントシステムにより、業界トップクラスの広色域を実現します。映像制作におけるマスターモニター(基準器)として、カメラ調整、ライティング、VEオペレーション、スイッチング、編集、カラーグレーディング、VFX・CG 制作、品質管理、クライアント確認などの映像制作用途や、企業や大学の研究や開発などの産業用途にも使用いただけます。
ソニー独自仕様の液晶パネル及びバックライト技術、新開発のパネル信号処理技術により、広色域の正確な色再現とピクセルひとつひとつが沈んだ正確な黒を再現します。従来の液晶パネルでは実現できなかった100万対1の高コントラストで、映像を鮮明に表示します。
新型液晶による高コントラストと高輝度を実現することによりHDR(ハイダイナミックレンジ)の映像を表示します。暗部からハイライトまで、黒潰れや白飛びすることなく表示します。
2.2、2.4、2.6、CRTなどSDRのガンマモードに加え、 BS4K/8K放送のITU-R BT.2100(HLG) (*1)、映画・配信・Blu-rayなどに用いられるSMPTE ST 2084(*2)、ソニー製カメラのログ収録に用いられるS-Log2(HDR)、S-Log3(HDR)、SR Live for HDRに対応するS-Log3(Live HDR)、2.4ガンマで輝度を引き上げて高輝度表示する2.4(HDR)など、HDRのEOTF(*3)に対応します。
*1 HLG:Hybrid Log Gamma
*2 SMPTE ST 2084:PQ(Perceptual Quantization)と称されるEOTF
*3 EOTF: Electro-Optical Transfer Functionの略で、各放送方式における、電光変換関数(電気信号の信号レベルを光に変換する時の関数)を定めたものです
「BVM-X300」に対しピーク輝度のエリア制限が無くなり、さらに4K HDR制作に適した全白時1,000cd/m2を実現。HDR映像も暗部からハイライトまで、黒潰れや白飛びすることなく信号通りに表示します。例えば、雪山やスケートリンク、高出力照明下のスタジオなど高輝度領域が多いシーンも、ピーク輝度のエリア制限なく安定した輝度で再現します。
* パネルスペック、D65設定時
液晶表面に施したAR(アンチ・リフレクション)コーティングにより、スクリーン内部からの光の散乱を抑え、4Kの高解像度をありのままに再現します。また、画面の見づらさを生む外光の反射を抑えて、よりコントラストがくっきりと見やすい仕様になっています。
ITU-R BT,709を包含する広色域の新型液晶パネルを用い、デジタルシネマのDCI-P3や4K制作の広色域ITU-R BT.2020の各種規格に加え、ソニーが定義する広色域規格S-Gamut3、S-Gamut3.Cineにも対応します。放送用途から映画制作における広色域映像をモニタリングできます。
マスターモニターに求められる高い画質要求に応えます。信号にない不要なバンディングを出さず、なめらかで正確な階調を表現します。
例えば暗い夜空に光る1画素の小さな星も、入力信号に従って正確に表示。品質管理を問われるノイズも忠実に再現します。
ソニーの業務用モニターでは初となる12G/6G/3G/HD-SDI-SDIを、入力/出力で各2系統搭載。同軸ケーブル1本で4K信号を入力できます。3G/HD-SDI Quad–Linkで4K×2系統の使用も可能。スクエアディビジョン信号と2サンプルインターリーブディビジョン信号に対応しています。例えば4K 59.94pでは、最大で4系統(12G-SDI×2系統、3G-SDI Quad Link×1系統、HDMI×1系統)の入力に対応しています。
* 12G-SDIとは、4Kの画像をシリアルデジタル信号として同軸1本のケーブルで、12ギガビット/秒の速度で伝送するインターフェースです
モニターコントロールユニット「BKM-17R」とLAN接続することで、モニター本体に30個のユーザーLUTを事前に登録・保存することができます。その後は本体のみで、任意のLUTデータを呼び出し表示映像に適用できます。ユーザーLUTは.cube形式の17格子点と33格子点に対応しています。ルックを共有することで撮影と編集の連携を深めたり、色域やEOTFの異なるフォーマットに合わせたLUTを適用し違いを確認できます。
モニターを4分割表示し、各映像に合わせた設定値(EOTF、色域、伝送マトリクス、色温度など)やユーザーLUTを分割画面ごとに適用することが可能です。SDRとHDRの仕上がりの確認や、異なるLUTを適用したときのルックのわずかな違いを、同じ画面内で比較することができます。
4K HDRの各種方式(EOTF)や色域、RGBレンジなどを組み合わせた複雑なモニター設定を、ビデオペイロードIDに基づいて自動で切り替えます。自動設定により、手動による人為的ミスの可能性をなくし、信号情報に基づき適切な設定を行います。
色域ITU-R BT.709もしくはDCI-P3の色域外をゼブラパターンで報じし、広色域のITU-R BT.2020制作をサポートします。これまでの色域とは異なる広色域を視覚的に把握できます。
BVM-X300のABL(Auto Brightess Limiter)動作をシミュレートして画面上にメッセージを表示します。BVM-X300と併用する際に、ABL動作の目安(*)となります。
* BVM-X300と並べて使用した場合、タイミングが正確に一致しないことがあります
画素コピーによる拡大表示を行います。HD映像の1ドットを4ドットに拡大して表示(Native Scan:ON)と、4倍にしたことで生じる段差をなめらかにスケーリングして表示(Native Scan:OFF)を切り替えられます。
インターレース表示は、インターレース信号をI/P変換処理を通さず、黒のラインを挿入することで、インターレース画像として表示します。本来の信号方式に忠実でCRTのような質感のある画像が得られます。
アスペクトマーカー、エリアマーカー、センターマーカーの表示に対応。ファンクションキーに割り当てることで、表示のオン/オフを簡単に切り替えることが可能です。エリアマーカーは、セーフエリアマーカーに加えフレキシブルエリアマーカーにも対応。サイズ・位置・色・太さなど自由な設定ができます。プリセットを5つまで記憶でき、ファンクションボタンから1クリックで呼び出せます。情報番組やショッピングチャンネルをはじめ、インサート映像やキャプション制作などの多彩な構図やデザインに活用できます。
工場出荷時に、色度、ガンマ、色温度やユニフォミティー特性のパネル個体差を個々に測定管理し、その固体差を吸収して最適な調整を行うことで、精度の高い画質を実現しています。また市販のプローブを使ったホワイトバランスの自動調整も可能です。
●動作確認済みの他社製品プローブ(推奨品)
コニカミノルタ社 ディスプレイカラーアナライザ
CA-410(*) / CA-310
お問い合わせ先:コニカミノルタジャパン株式会社
センシング事業部
TEL:03-6342-1010
* CA-410は、データプロセッサーなしに、PCとソフトウェアCA-S40で測定が可能です
※ 自動調整機能を使用するには、USB端子を装備したPCと、ソニー製ソフトウェア“Monitor_AutoWhiteAdjustment”が必要です(https://www.sony.jp/pro-monitor/download/MAWA.html)
※ キャリブレーション精度はプローブの性能に依存します
ユーザーが設定した各入力系統ごとのInput Setting1 - 8の全設定を、一括して保存・呼び出しができます。保存時は、管理者パスワードによる保護ができます。一方で、呼び出しはパスワードが不要なため、ユーザーが設定を変更した場合でも、簡単に元に戻すことができます。複数プロジェクトでの共用、システムアップ、レンタルなど、ユーザーに合わせた運用・管理が行えます。
● タイムコード表示(VITC/LTC)
● ブルーオンリー
● Mono(白黒)
● R/G/Bカットオフ
● 内蔵信号
● 各種プリセット機能
● スクリーンセーバー
● 起動設定(パワーオンセッティング)
● パスワードロック
● ファンクション機能
● キーロック機能
● ウォールマウント(100mm×200mm)
● ヨーク(YOKE)マウント
ほか