4Kの高解像度と、有機ELでの大型化を実現。放送局や映像制作プロダクションにおける品質管理、編集やカラーグレーディング、クライアントの映像確認用モニターやライブ制作のプレビュー、プログラム確認モニターとして使用いただけます。また、企業や大学などの商品開発や研究、産業用用途などにも使用いただけます。
有機ELは自発光方式であるため、黒の映像を表示する際に発光せず、深い黒を表示できます。また、100万:1以上の圧倒的なコントラストで、映像を鮮明に表示します。
有機ELパネルと独自のカラーマネジメントシステムにより、広色域化を実現します。UHD(Ultra HD)の放送規格ITU-R BT.2020の色域やデジタルシネマの規格DCI-P3の色域に対応します。また、ソニーが定義する広色域規格S-Gamut/S-Gamut3、S-Gamut3.Cine(*)や、従来の放送規格ITU-R BT.709、EBU、SMPTE-Cにも対応し、放送用途から映画制作における広色域映像をモニタリングできます。
* S-Gamut、S-Gamut3およびS-Gamut3.Cineは、ソニーが定義している広色域の規格であり、ソニーCineAltaカメラVENICE、F65、PMW-F55、PMW-F5、XDCAMメモリーカムコーダーPXW-FS7、PXW-FS5に搭載しています
有機ELパネルは、有機材料に流す電流を変化させると、瞬時に発光状態が変化します。このため優れた動画応答性を実現でき、スポーツなど動きの速い映像や、文字テロップなどのスクロールも残像が少なく、滑らかに表示できます。
視野角による色とコントラストの変化が少ないため、どの場所から見ても、同じ色とコントラストで再現されます。映像を確認する人が多い場合でも、同じ画質で評価することが可能です。
30型4K有機ELマスターモニターBVM-X300で採用している高精細ディスプレイエンジンと同じエンジンを搭載し、12ビット出力精度、高精度のカラーマネージメントシステムを実装しています。パネルの優れたユニフォミティー(画面全体の色表現の均質化)や経年変化が少なく、信頼性を実現します。
有機ELパネルによる高コントラストの実現に加え、モニターのピーク輝度を上げることによりHDRの映像を表示します。従来の映像制作では再現が難しかった高輝度部分を、明るく色がのった状態で再現できるため、リアリティーのある映像表現が可能になります。有機ELパネルは画素単位で発光するため、LCDでは表示できなかった正確な輝度を画素単位で正しく再現できます。加えて、モニターのピーク輝度をさらに拡張する高輝度モード「High Brightness Mode」を使用することで、よりリアルな色を再現します。
※ 画像はイメージです
2.2、2.4、2.6、CRTのガンマの搭載により、放送用途やデジタルシネマ制作などをサポートします。またHDRのEOTFとして、2.4(HDR)、S-Log2(HDR)、S-Log3(HDR)、S-Log3(Live HDR)、SMPTE ST2084(HDR)、ITU-R BT.2100(HLG)、RGB(SG1.2)を搭載しました。
* Electro-Optical Transfer Functionの略称で、CRTに代表されるガンマカーブやLogカーブなどを含めた総称です
※ Ver1.1より名称変更:「HLG SG Variable(HDR)」→「ITU-R BT.2100(HLG)」、「HLG SG 1.2(HDR)」→「RGB(SG1.2)」
モニターを4分割表示し、各HD信号の映像に合わせた各種設定値(色域、EOTF、色温度、コントラストなど)を分割画面ごとに設定できます。本機能を活用いただくシーンの一例としては、従来の映像制作での仕上げに加え、異なるダイナミックレンジの階調表示や色域での仕上げも必要になるケースなどがあげられます。スペースが限られた場所で複数のモニターを準備することなく、27型相当の画面サイズでそれぞれの仕上がりイメージを同一画面上で確認できます。ハイライトの表現の違い、肌色などのトーンや髪の毛の質感など微妙な映像の違いを、境界線のない横並び、縦並びで効率的に確認することができます。
<設定可能項目>
・EOTF
・色域、伝送マトリクス
・色温度、コントラスト、ブライトネス、クロマ
・入力(3G-SDI/HD-SDI(*)、HDMI)
・信号フォーマット(RGB、YCbCr)など
* Single Link/Dual Link SDI含む
標準で3G/HD-SDI×4(入力2/出力2)、HDMI×1(入力)のインターフェースを搭載。3G/HD-SDI×4入力については、スクエアディビジョン信号と2サンプルインターリーブ信号に対応します。3G/HD-SDI×4本で3840×2160/24、25、30、50、60pまでと4096×2160/24、25、30、48、50、60pの信号までを表示できます。また、HD/2K信号の全画面表示に対応しました。
本体側面のコントロールパネルから操作できるほか、BKM-17Rによるリモートコントロールにも対応します。オペレーターから離れた場所に設置されたモニターや、複数台のモニターをBKM-17Rから操作することが可能です。
・ネイティブスキャン表示
画素コピーによる拡大表示を行います。
・スケーリング表示
画素補間を行ったスケーリング表示によりジャギーの少ない映像で確認できます。
複数のユーザーが同じモニターを使用する場合やHDR/SDR/DCIなどの運用に合わせて設定変更する場合、ユーザーごとに設定値を記憶することができ、必要な時に設定データを呼び出すことが可能です。ユーザープリセットは、5つまで記憶できます。
インプットセッティングの項目(色域、EOTF、RGBレンジ、ユーザープリセットなど)を、4K・2K SDI1/4K・2K SDI2/HDMIそれぞれの入力ごとに、8つまで記憶することができます。HDR/SDR/DCIなど運用に合わせた入力一括切替が可能です。
アスペクトマーカー、エリアマーカー、センターマーカーの表示に対応。マーカーごとに表示方法(色、太さ、形状など)を設定できるため、運用に合わせた表示が可能です。エリアマーカーは、セーフエリアマーカーに加え、位置やサイズも自由に設定できるフレキシブルエリアマーカーも選択できます。さらに各種マーカーの設定を、マーカープリセット1 - 5に記憶できます。
色域がITU-R BT.2020に設定されている時に、ITU-R BT.709もしくは、DCI-P3の色域より外側の信号をゼブラパターンで表示します。従来の規格で再現できない色域を一目で判断することができます。
工場出荷時に、色度、ガンマ、色温度やユニフォミティー特性のパネル個体差を個々に測定管理し、その固体差を吸収して最適な調整を行うことで、精度の高い画質を実現しています。また市販のプローブを使ったホワイトバランスの自動調整も可能です。
■動作確認済みの他社製品
コニカミノルタ社・・・ディスプレイカラーアナライザ
CA-410(*) / CA-310
お問い合わせ先:コニカミノルタジャパン株式会社
センシング事業部
TEL:03-6342-1010
* CA-410 CA-VP427(プローブ)は、データプロセッサーなしに、PCとソフトウェアCA-S40で測定が可能です
※ キャリブレーション精度はプローブの性能に依存します
管理者用に色温度の「User1」とユーザープリセットの「User Preset1」に保存した設定の変更が効かないように、パスワードで保護できます。
電源投入後のモニターの設定状態を、ラストメモリーもしくはユーザープリセット1 - 8から呼び出すことができます。
有機ELパネルは、優れた動画応答性とスキャニング(走査)駆動によって、動画のぶれや残像の少ない映像を実現します。このスキャニング駆動により、垂直周波数の低い入力信号(24p/PsF、50iなど)においては、フリッカー(画面のちらつき)が見えることがあります。その場合はフリッカーフリーモードを使用することで、フリッカーを抑えることができます。
・タイムコード表示
・Mono(白黒)
・R/G/B オフ
・内蔵信号
・シリアルリモート
・Monitor AutoWhiteAdjustmentソフトウェアVer.1.5以降に対応
・スリムベゼルデザインにより、設置空間と調和し、省スペースに大画面表示が可能
・軽量な本体設計によるモニターウォール(300mm×300mm)などの用途にも対応